3年連続で営業赤字を計上し、据え置き型ゲーム機「Wii U」の販売不振を認めた任天堂に対し、いかにして「マリオ」シリーズをより大きな利益につなげ、再び業績を上向かせるかをめぐり、おせっかいながら数多くの助言が出されている。
任天堂は1月30日に発表予定の新しい経営戦略について、まだほとんど明らかにしていない(編集部注:任天堂は専用機プラットフォームを堅持する方針を明らかにした)。だが1つ確かなのは、Wii Uに取って代わる新製品で再挑戦を果たすまでの向こう何年間かで、任天堂は大金を費やす必要があるという点だ。
新生の任天堂は、「自社開発ソフトをプレイする端末としてハードウェアを開発する」という基本のスタンスは変えずに、皆に愛されているキャラクターをもっと上手く利益につなげることで、今よりも効率のよい企業に生まれ変われるかもしれない。
多くのアナリストは、任天堂がこれ以上の思い切った改革に踏み切るとは予想していない。他にも、オンラインサブスクリプションサービスを通じてバックカタログを提供したり、同社のゲームをスマートフォンでもプレイできるようにしたりといった選択肢があり、実際、「そうした方向にこそゲームの未来がある」との指摘があるにもかかわらずだ。
これまでオンラインサービスに消極的だった任天堂は、米Microsoftやソニーに後れを取っている。Microsoftとソニーは今夏、クラウドベースのストリーミングサービスを始動し、各種のプラットフォームで同じゲームをプレイできるようにする予定だ。任天堂は京都に本社を置いている。
保守的な任天堂にとって、マリオをクラウドに対応させることはかなり大きな一歩となる。
「オンラインは大きな問題だ。任天堂は優れたオンラインシステムを持っていないことが知られている」と、東京に拠点を置くゲーム専門家のジーン・スノー氏は語る。
任天堂は、存続にかかわるような差し迫った危機には直面していない。同社が保有する現金と有価証券の総額は2013年9月時点で8500億円(83億ドル)となっており、あと数年は赤字を持ちこたえられる。
これほどの大金は、初代「Wii」などの過去のヒット商品によって蓄えたものだ。この点について、「活況と低迷を繰り返してきた企業には、再び状況を好転させる力があることを示す証拠だ」と指摘する向きもいる。
「任天堂は特別だ。任天堂には長い歴史があり、任天堂のことが大好きなゲーマーは多い。今回は最新のハードウェアWii Uで自ら墓穴を掘った。だが、必ずや抜け出せるはずと私は確信している」と、前出のスノー氏は語る。
任天堂は1月29日、発行済み株式の7.82%、1250億円(122億ドル)を上限に自社株を買い戻す計画を発表した。さらに同社は、2013年10〜12月期の営業利益が前年同期比6.9%減だったと発表している。
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