多くの指標が「増収増益」「増収拡大」
KDDIは、1月30日に2014年3月期第3四半期決算を発表した。連結業績は前年比業績変化率で営業収益が+17%、営業利益が+35%と増収増益、パーソナルセグメントの通信料収入も前年比業績変化率で7%(J:COM実績を含めると22%)のプラスとなった。
営業収益、営業利益、経常利益、当期純利益などの実績は、連結業績、セグメント別(家庭個人向けに通信サービスを提供したり端末を販売したりする「パーソナル」、個人向け家庭向けにコンテンツや決済サービスなどを提供する「バリュー」、企業向けに通信サービス、端末、データセンター、クラウドサービスを提供する「ビジネス」、企業向けに通信サービス、端末、データセンター、クラウドサービスを提供する「ビジネス」)業績すべてで、増収増益を達成した。
決算報告の説明を行った、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、連結営業利益の増収増益構成を示し、J:COM実績を除くとパーソナルセグメントの通信料収入が貢献しており、中でも、モバイル通信料の伸びが大きいことを示した。モバイル通信料は前年比業績変化率で6.1%のプラスとなっている。
田中氏は、KDDIの2013年3月期の事業で重要な目標としているau通信ARPU(端末1台当たりの利益)のプラス反転についても、第三四半期で-0.7パーセントまできたことを示し、プラス反転達成の見通しが見えてきたと評価している。au通信ARPUの改善に貢献していると田中氏が語るスマートフォンの割合とその中でLTEが占める割合についても、2013年12月においてスマートフォンは44%、LTE対応モデルは27%と第2四半期と比べても増えており、第三四半期におけるスマートフォン販売では、99.5%がLTE対応モデルであるなど、着実にLTEへの移行は着実に進んでいると述べた。田中氏は、スマートフォンの割合を80%までに持っていきたいという考えも示している。
また、契約純増数、MNP純増数、解約率、スマートバリュー、スマートパス契約数もこれまでと同様の傾向を続けており、特に、契約純増数についてはデータ通信モジュールを抜かした「携帯電話、スマートフォン」で比べるとソフトバンクモバイルとNTTドコモを抑えてトップになることを田中氏はアピールしている。
田中氏は、NTTドコモもKDDIもソフトバンクモバイルもiPhoneを扱うようになるなど、同質化が進む状況で競争力を維持するため、これまでと同様に、800MHz帯対応のau 4G LTEの整備にスマートフォンラインアップの充実、そして、単身向け学生向けの料金プランとコンテンツの強化、サポート体制の拡充を掲げた。
田中氏は、NTTドコモのiPhone販売参入の影響について、「当初の予想よりいい方向に流れている」と、その影響が予想ほどでなかったと評価している。また、定額料金プランについては、データ通信においては、現在提供しているデータシャアのように、マルチデバイス利用を想定したプランを提供し、スループットを低く抑えて容量を増やすプランの提供は検討していないと応えている。
なお、音声通話の定額プランについては、将来的にVoLTEの導入を想定して検討している段階にあるが、すぐに提供できる状況にはないと説明した。また、2014 CESで新製品や参考展示が多数あったウェアラブルデバイスについては、普通のユーザーに普及する段階ではないが、KDDIとしては取り扱っていかなければならないという考えを示した一方で、「当たるという確信はない」とも述べている。
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