「ホームボット スクエア」は、日本でも販売されているLGエレクトロニクスのロボット掃除機だ。その名の通り、四角い“スクエアデザイン”を採用し、丸いロボット掃除機が大勢を占める中、一線を画した存在といえる。ただ、2013年に登場した後発の商品であり、その存在すらまだ知らない人も多いことだろう。今回はLGエレクトロニクスの商品開発担当者にスクエア型のメリットとその戦略を聞いた。
——まずはロボット掃除機「ホームボット」の歴史について教えてください
ユン氏: 韓国国内では2003年に初代モデルが発売され、すでに約10年が経過しています。その間、スリム化、障害物センサーの進化、マッピング技術の進化、“デュアルアイ”の搭載といった進化を遂げ、2012年の時点でサムスン電子のロボット掃除機と並び、シェア50%を獲得しています。ただ、2012年9月に『ホームボット スクエア』を発売すると、その評価が一気に変わり、シェアを67%まで延ばしました。ホームボットシリーズの中でも7割以上をスクエアモデルが占めています。
——丸から四角への形状変化が、韓国国内市場で広く受け入れられた要因というわけですね。しかし、なぜロボット掃除機を四角くしようと考えたのでしょう
ユン氏: 世界9カ国でユーザー調査を行ったところ、「ロボット掃除機で一番大事なことは?」という質問に対し、“クリーニングパフォーマンス”が91%で1位、そして“コーナークリーニング”が87%で2位という結果でした。とくにスペイン、フランス、ロシアなどは、ロボット掃除機のコーナークリーニング性能への不満が高かったのです。
これがスクエアの開発に踏み切った理由といっても過言ではありません。実際、われわれの居住空間はほとんどが四角形であり、掃除機が丸いままではミスマッチですよね。先に登場したルンバが丸いというだけで他社も同様の製品を出していますが、これはユーザーに関係のない話でしょう。われわれは、ユーザーの満足度を高めるため、コーナーのゴミもしっかりと取れる四角いロボット掃除機を作りました。
プレミアム路線を続ける理由
ロボット掃除機はすでに市場に認知され、黎明(れいめい)期を過ぎて成長期へと突入した。参入メーカーも増え、既に低価格化へシフトを始めている。ルンバ「600シリーズ」が4万円台で購入できるようになったことも1つの要因で、その動きはさらに加速しそうだ。しかし、LGの「ホームボット スクエア」は、あくまでプレミアム路線を変えないという。
——プレミアム路線を続ける理由は?
ユン氏: ロボット掃除機は今後も成長し続けるものであり、これまで掃除できなかったところをできるようになったり、効率よく動けるようになっていくはずです。弊社でもほかの家電と同様、ロボット掃除機はスマート家電という位置付けており、新しいファームウェアをスマートフォンでダウンロードしてアップデートする機能を持っています。“売ったら売りっぱなし”という製品ではなく、ユーザーが常に最高の状態で使えるようにメーカーとして責任を持つ。ユーザーの満足度を常に最高の状態にするため、現状はあえてプレミアム路線を取り続ける方針です。
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