多くのジャーナリストが新聞業界でGoogleが果たしている役割について強調してきた。同社はコンテンツ制作者を犠牲にして数十億ドルもの広告収入を得ている。新聞業界はここ10年で数十億ドルもの売り上げを失い、その額はGoogleが獲得した急激な成長と直接的に釣り合っている。Googleは新聞業界に対してより多くをなすべきだろうか。
2011年、Googleは379億ドルを売り上げ、うち96%は広告収入だった。2012年から2013年までの毎四半期にGoogleは平均140億ドルを稼ぎ出し、その売り上げを同社の核となる広告市場から上げている。「われわれの広告主の上位25社は年間に1億5000万ドルを費やします」とGoogleの検索広告・ディスプレイ広告・YouTubeなどの広告ビジネスについて、同社のスポークスマンは語った。eMarketerによると、現在Googleは米国の電子広告総収入の41%を占めるという。
Googleが検索連動型広告「Google AdWords」を2000年に導入した当時、米国の新聞社は直接広告により480億ドルという売り上げを誇っていた。これが2012年までに189億ドルに減少する。ほとんどの広告主が紙の新聞ではなくインターネット上の広告からより大きな価値を得ていることは痛いほどに明らかだ。
ここ数カ月でイノベーターをリードする多くのテック企業がジャーナリズムを新たな高みに引き上げようとしており、日刊紙を優先している。Amazonのジェフ・ベゾスCEOはWashington Postを2億5000万ドルで買収し、eBayの創業者、ピエール・オミディア氏はFirst Look Mediaという名の新興メディア企業に同様の金額を投資するとしている。Googleは今のところ業界へ何も返そうとしていない。
欧州の多くの国々はGoogleの広告市場シェアをそのままにはしておかないだろう。同社はフランスで推定15億ユーロ(20億ドル)を売り上げている。フランス政府はGoogleが同国でほとんど納税しない代わりに、ベルギーとアイルランドで納税していることに憤っている。中小企業・革新・デジタル経済担当相のフルール・ペルラン氏は「欧州は幾つかのインターネット巨大企業の租税回避地ではないことを確実にするために働きかけていきたい」と述べた。
Googleの広告に対する闘争が欧州の法廷に持ち込まれて数年が経過しており、ベルギー・イタリア・フランスの出版社はサーチ結果とGoogle Newsのようなアグリゲーションサービスに自分たちのコンテンツの一部が表示/アグリゲーションされていることに対して著作権侵害を申し立てている。基本的にGoogleは新聞記事を利用し、マネタイズし、出版社は金銭的補償を受けていない。
Google Newsを形成し広告を掲載するローカルニュースに対してGoogleに課税する包括的新法をフランスがEUを何とか説得し通過させる前に、Googleはフランスの状況をガス抜きしようとしている。フランス政府とGoogleは6000万ユーロの電子イノベーションファンドを組成し、ローカル紙が電子的なマネタイズを開始するのを援助しようとしている。商業的契約によりメディア企業はGoogleの携帯電話向けAdSenseとAdMobを含む広告プラットフォームから利益を受け取ることができる。Googleは世界中の新聞社に60億クリックを献上しており、それに伴う広告を販売し新規読者を引き込むことで大きなビジネスの潜在的可能性を示している。
多くの業界専門家は地域情報コミュニティサービスとして知られるCraigslistが新聞社の売り上げの一角を占めるローカル案内広告の凋落につながることに同意している。Googleは広告の一貫した衰退に明白な影響を持つ。簡単に言うと、Googleは新聞業界を十分に援助していない。同社がオリジナルコンテンツ制作者の費用で収益を得続けるならば、より多くの新聞社が倒産し、制作されるコンテンツは減少するだろう。
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