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タブレットはノートPCの代わりになる? ならない?

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ビジネスでも無視できない存在のタブレット

og_ipadir_001.jpgアップルの9.7型タブレット「iPad Air」。今日のタブレットブームは、iOS搭載のiPadファミリーから始まった。現在、国内では最もシェアが高いタブレットだ

 タブレットが急速に普及しつつある。2010年のiPad登場に端を発し、おもにコンシューマー用途を中心に広まってきたタブレットだが、昨今はアプリ、さらにはセキュリティ面などにおいて法人ユースにも耐えうる製品が増えつつある。Androidタブレットの成熟、Windows 8.1タブレットの登場といった動きもあり、法人におけるノートPCの代替として、本格的に注目を集めているというのが現在の流れだ。

 それゆえ、現在使用しているノートPCから、タブレットへのリプレースを検討している法人も少なくないと聞くが、タブレットがあらゆる面でノートPCより優れているかというと、決してそのようなことはない。ブームに乗って社内に導入してみたところ、思っていたような使い方ができず、ノートPCを利用していた頃に比べてむしろ効率を落としてしまったという例もあちこちで耳にする。きちんと理解して導入すれば便利さは折り紙つきだが、過剰な期待ゆえに短所が目立ってしまっているケースもあるようだ。

 今回は、SOHO/中小企業向けのタブレット導入指南の第1回として、ノートPCと比較した場合、タブレットの何が優れていて、一方で何が劣っているのか、まずはそのメリットとデメリットをじっくりと見ていくことにしよう。

 なお、ノートPCとしてもタブレットとしても利用可能な変形型の新しいPCとして「2in1デバイス」(別名:コンバーチブルPC/ハイブリッドPC)という製品群も出てきているが、ここでは話を単純化するため、業務向けに一般的な変形機構がないクラムシェル型ノートPCを中心に比較する。

メリット——可搬性、電池の持ち、即時起動、タッチ、価格など

tm_1304xptz2_01.jpgソニーの「Xperia Tablet Z」は、6.9〜7.2ミリ厚で約495グラムと薄型軽量の10.1型Androidタブレット。前述のiPad Airも重量は469グラム(Wi-Fiモデルの場合)と非常に軽い

 タブレットのメリットは数多く存在するが、まず挙げられるのは本体の軽さや薄さといった可搬性だ。

 画面サイズが同等の一般的なモバイルノートPCと比べておよそ半分ほどの重量であることは、外回りで多くの荷物を持ち歩く場合や、移動中に電車やバスの中で立って使いたい場合、大きな利点となりうる。今なら10型クラスで、およそ500〜600グラム前後が標準的だろうか。2013年10月に登場した「iPad Air」などは、500グラムを切っている(469グラム〜)といった状況である。

 特にノートPCでは、たとえ本体が軽量でも、ACアダプタを含めるとそこそこの重さになってしまうことも多い。その点タブレットであれば、たいていの場合はACアダプタが非常に小さく、多くの製品はUSBケーブル1本あれば充電できてしまうのも利点だ。また薄型であることも、バッグへの収まりを考慮した場合、強みとなる。

 そのバッテリーの持ちについては、製品によってばらつきはあるものの、一般的なノートPCをはるかに超える駆動時間を誇る製品は珍しくない。ノートPCの多くはACアダプタによる駆動を前提にしており、たとえモバイル向けのノートPCであっても、丸1日通して使える製品はまだ少ない。長時間駆動を目的に大容量のバッテリーをノートPCで利用すると、今度は重さや厚さが増してしまう。

 その点タブレットであれば、ほとんどの用途において、終日の利用にも問題なく対応する。またiPadのようにバッテリーの持ちがよい機種になると、バッグの中に数日程度入れっぱなしにしておいても、バッテリーの減りがほとんど見られない。こうした長寿命ぶりは、ノートPCの先を行っている。

 起動の速さも利点だ。正確には電源オフ状態からの起動ではなく、スリープからの復帰ということになるが、タブレットはボタンを押すと瞬時に復帰する。起動完了までに数十秒〜数分程度かかるのがざらのWindows 7以前のWindows OSと比べると、まさに雲泥の差と言っていい。

 Windows 8以降のPCは、起動が高速になり、タブレット並の高速復帰をうたう製品もあるが、低価格なHDD内蔵ノートPCまで対応できていないのが現状だ。思い立ったらすぐに使える機動力の高さは、ビジネスシーンでこそ重宝する。

og_ipadir_007.jpg指によるタッチと、それに最適化されたユーザーインタフェースにより、直感的に素早く操作できるのも特徴になる(写真はiPad Air)

 また、タッチパネルで直感的に操作できることも利点だ。Windows 8以降は、ノートPCにおいてもタッチ対応製品は増えつつあるが、タブレットであればそもそもがタッチ前提に設計されており、利用スタイルからして立ったままの姿勢でタッチ操作を行いやすいので、プレゼンテーションやデモなどで威力を発揮する。

 指でタッチしやすいように、画面上のボタンやアイコンなど1つ1つのサイズが大きく、相対的にフォントなどのサイズが大きくなっているため、視力が弱くても比較的画面が見やすいというのも副産物だろう。

 画面表示の向きを縦横自由に切り替えられるのも、使い方によってはメリットとなる。幅を最大化して文字などをなるべく大きく表示したければ横向き、縦に長いWebページなどで広い領域を表示したければ縦向きのまま使えばよい。プレゼンなどで威力を発揮することも多い。基本的に横向きで表示が固定されているノートPCでは、なかなかこうはいかない。

 最後に価格。コンシューマー用とビジネス用で価格帯は少々異なるが、多くの場合において10万円を超えない予算で(タブレットとして)ハイスペックな製品が入手できるのは、予算の範囲でまとまった台数の導入を考えている側からすると心強い。特に法人の場合は、10万円を超えると固定資産として扱われるケースが多いほか、購入時の決済においても10万円を基準に稟議のプロセスが変わってくるケースがあるので、こうした点からも扱いやすい品と言える。


 では、デメリットは何だろうか?

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