パナソニックのデジタルビデオカメラ「HC-W850M」は、サブカメラを搭載しており主画面の一部に小窓のようにサブ画面を表示させる「ワイプ撮り」(ピクチャーインピクチャー PinP)が楽しめるモデル。β機を入手したので、この「ワイプ撮り」がどのようなものか紹介したい。
HC-W850M本体はやや大柄といえるが、光学20倍ズームレンズを搭載したデジタルビデオカメラとしては標準的と言えるサイズ。サブカメラは液晶の先端に取りつけられており、回転させることで自動的にサブカメラが起動する(サブカメラのON/OFFは画面タッチでも行える)。
サブカメラが起動すると画面左下に子画面が表示され、この状態で録画を開始すると、そのまま1画面に映し出されている2つの映像が同時に記録される。サブカメラは35ミリ換算37.2ミリ相当の固定焦点レンズで、メインカメラのレンズ(29.5〜612ミリ相当)よりもやや広角側のセッティングとなっている。
サブカメラの記録サイズは大小2段階に切り替え可能で、ワイプの位置も変更できる(標準は左下)。メインとサブの映像はカメラ内で1本の映像として統合して記録されるため。いずれか片方だけの映像を編集するといったことはできない。
広角の固定焦点レンズと20倍ズームレンズでの同時撮りとなると、「風景を広角で、主被写体をズームで追う」といった使い方ができるほか、サブカメラのレンズは回転させることができるので、正面と横の風景を広角で撮影する、あるいは撮影者の自分撮りを同時に行うといった使い方もできる。
これが実に面白く、同じ被写体でもいろいろな撮り方にチャレンジしたくなる。今回はサブカメラを回転させてのメインカメラで被写体、サブカメラで自分撮りというパターンを何回か試したが、結構腕を前に突き出すようにしないと、サブカメラの画面が自分の顔で一杯になるということが分かった。サブカメラの最短撮影距離は30センチなので自分撮りに使えないわけではないが、主目的としては想定されてないようだ。ちなみにマイクは後方についてもかなり集音するので、意識してはっきり話せば、撮影者の声も充分に録音される。
通常、家庭用ビデオカメラでの撮影というと被写体に集中して撮影するために「被写体のみ」の映像となり、結果的に面白みに欠けるということが起こりやすい。理想をいえば2台以上のカメラで映像を撮って編集することなのだが、それでは家庭用という範囲を超えることになりかねない。
本製品ならば撮影しながらサブカメラを指でくるっと回すと画面が2画面となるので、映像に簡易的な編集を施したような変化を与えることができる。サブカメラの使用中にはタッチシャッターや自動追尾AFなど一部機能が利用できなくなるなど実装面での甘さは見受けられるが、サブカメラの搭載は“撮ることが面白い”と感じさせてくれるアイディア。次はよりカジュアルな(低価格な)製品へも搭載を進めて欲しいと感じた。アクションカム「HX-A100」のツインカメラ版とかどうですか? パナソニックさん。
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