TD-LTEは2014年中に340都市へ、端末販売は1億台
中国工業信息部は、2013年12月4日に中国国内にある3つの通信事業者に4G免許を交付した。これを受けて中国最大の通信事業者、中国移動(China Mobile)は2013年12月18日からTD-LTE方式による4Gサービスを開始した。エリアは9月から商用テストサービスを実施していた広東省や四川省の一部都市が先行し、北京市、広州市、深セン市、成都市、杭州市、温州市、寧波市などを予定しており、2014年中には順次エリアを広げていく。
4Gサービスのブランド名は中国語で「和」、英語で「and」。この両文字と感嘆符を組み合わせた新しいロゴも制定している。「和」には調和、共生、調和、バランスといった意味がある。また、andには「a new dream」の頭文字という意味も持たせている。中国移動は、この中英文字を組み合わせた「and ! 和」をあらゆる4Gサービスの商品に使うほか、中国移動がこれまで使ってきたロゴとも併用することで、4Gを大きくアピールしていくという。
TD-LTEの周波数は、2600MHz帯に加えて2300MHz帯と1900MHz帯も使用していく。対応端末は現時点でまだ数が少なく、中国移動のホームページを見るとスマートフォンが4機種、データ端末が2機種となっている。だが、すでにサービスインした都市から対応機種が増えていて、北京では8機種を取り扱い開始、広東省では1月中にも20機種前後を販売する予定だという。
料金プランは公式には3プランのみで、138元/月(約2390円)で通話500分とデータ600Mバイト、238元/月(約4120円)で通話1000分とデータ1Gバイト、338元/月(約5890円)で通話2000分とデータ2Gバイトとなっている。この定額分にSMSとMMSは含まず、それぞれ従量課金で0.1元/通(約1.7円)、0.3元/通(約5.2円)かかる。
3Gの月額料金プランが50元以下から用意していることを考えるとかなり割高だが、中国移動は今後「音声通話」「データ通信」「SMS/MMS」の利用料を自由に組み合わせできるパッケージを提供する予定だ。なお、広東省では2013年末まで4Gに加入したユーザーを対象に「15Gバイトまで使い放題」を提供するキャンペーンを行っていたが、今後も地域ごとに4Gサービス開始に合わせて特典をつけたキャンペーン料金を提供するだろう。
中国移動 董事長(会長)の奚国華氏は、同社の2014年事業計画として4Gサービスの早期全国展開を打ち上げている。2014年の始めには100都市でサービスを開始し、2014年の末までには340以上の都市へ拡大する予定と述べている。基地局の数は中国全土で50万カ所以上になる見込みで、1年にして世界最大のTD-LTEネットワークを構築するという。2014年の年内には既存のTD-SCDMAサービスと加え中国のほぼ全土を高速な3G、または、4Gネットワークでカバーすることになる。
一方、端末は2014年中にTD-LTE、TD-SCDMA合わせて2億2000万台を販売する予定だという。2013年のTD-SCDMA端末の販売台数は約1億5500万台だったことから、2014年は3Gと4G合わせ前年比4割増しと強気の目標を設定している。このうち、TD-LTE端末は約半数の1億台を見込んでいるという。スマートフォンのモデル数は海外メーカーと国内メーカー合わせて200モデル前後になるとのこと。この中には、1000元台の低価格な「1000元4Gスマートフォン」も含んでいて、4Gサービスは所得の高い層だけではなく低所得者も含めた「中国全人民」をターゲットにしている。
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