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“Kaveri”の実力は? 「A10-7850K」を速攻でチェック!!

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APU始まって以来の大幅改良が「Kaveri」

og_kaveri_review_001.jpgAMD A10-7850K with Radeon R7 Graphics

 Kaveriは、TrinityからRichlandへ移行した時のような小さな変更ではない。もちろんhUMAによりCPUとGPUが同じメモリ空間を扱えるという「HSA」が目玉であるが、そのほか、CPUもGPUもそして周辺回路も、各所にかなり手を加えた新APUだ。

 まず、Kaveriではその製造にGlobal Founderiesの28ナノメートルSHP(Super High Performance)プロセスを採用している。Richlandまでは32ナノメートルプロセスが利用されていたため、ハーフノードぶん微細化されたことになる。結果、ダイサイズは245平方ミリとほぼ変わらず、トランジスタ数は24.1億へと増加した。

 KaveriのCPUコア・アーキテクチャは改良版Piledriverである「Steamroller」だ。すでに「Kabini」でSteamrollerが採用済みだが、これがメインストリームAPUでも採用されたことになる。SteamrollerコアではIPCをさらに改善したとされ、AMDの資料によれば最大20%、平均10%向上しているとのことだ。

 A10-7850Kでは、4コアのSteamrollerコアを搭載し、動作クロックは定格3.7GHz、ターボクロックで最大4GHz駆動となる。なお、A10-6800Kは4.1/4.4GHzだったため、単純にクロックという点では抑えられている。

 Kaveriの統合GPUは、Radeon R7シリーズ。シェーダ数はA10-7850Kで512基となり、384基だったA10-6800KのRadeon HD 8670Dから1.5倍に増えている。また、GPUコア・アーキテクチャはVLIW4ではなくGCN、つまりMantleも利用可能な最新アーキテクチャへと進化した。

 一方GPUクロックは最大720MHzで、A10-6800KのRadeon HD 8670Dが844MHzだったことからすると控えめだ。このあたりはTDPとの兼ね合いだろうか。統合GPUとディスクリートGPUとの組み合わせでパフォーマンスを向上させるDual Graphicsでは、Radeon R7 240搭載グラフィックスカードが組み合わせ可能な選択肢とされている。R7 240は320シェーダーなので、A10-7850KのRadeon R7のほうが多い計算だが、メモリ帯域ではR7 240のほうが広いため、バランス的にはちょうどよいのだろう。

og_kaveri_review_002.jpgog_kaveri_review_003.jpgCPU-ZでみたA10-7850K。A10-6800Kと比べてTDPが100ワットから95ワットに、製造プロセスが32ナノメートルから28ナノメートルへと変わった。また、コア電圧が1.044ボルトとやや高い。キャッシュ構造や命令セットなどは変更なし(画面=左)。GPU-ZはまだKaveriに非対応の様子。Catalyst Control Centerによると、GPU名はRadeon R7シリーズ。これで正式名称のようである(画面=右)

製品名A10-7850KA10-6800K
コードネームKaveriRichland
コア数44
スレッド数44
定格クロック(GHz)3.74.1
ターボ時クロック(GHz)44.4
製造プロセス28nmSHP32nm
TDP(W)95100
DDR3メモリ24002133
チャネル数20
グラフィックスRadeon Radeon HD 8670D
GPUコア数512384
GPUコア周波数(MHz)-844
GPUコア最大周波数(MHz)720-
H/WデコーダーUVD 4.0UVD 3.0
ソケットFM2+FM2

 ビデオ関連では、UVDがバージョン3からバージョン4へと進化している点も新しい。とはいえ、サポートされるフォーマットは変更なく、基本的にはエラー訂正機能を強化しているようだ。ほか、Radeon R7 260Xや290Xでも搭載された「TrueAudio」も搭載する。

 また、APUと言えば、これまでもアグレッシブにOCメモリをサポートしてきたが、A10-7850Kでは、DDR3-2400がサポートされた。現在主流のDDR3-1600から800MHzも高いことになる。当然、メモリモジュールの価格も高いわけだが、統合GPUの性能を引き出すためには、こうしたOCメモリも視野に入れていきたい。

 外観での大きな変更はソケットだ。Kaveriでは、Socket FM2+が採用されている。従来までのSocket FM2から2ピン増えており、Socket FM2マザーボードでKaveriを利用することはできない。

 ただし、Socket FM2+マザーボードなら、Socket FM2のAPUも利用できる。Socket FM2+マザーボードは、AMD A88Xチップセット搭載製品などですでに流通しており、一足速くSocket FM2+マザーボードを導入していた方なら、BIOSアップデートとAPU交換で対応可能だ。あるいは今後、APUの導入を検討するなら、マザーボードだけはFM2+にしておき、APUは低コストなFM2を、将来的にKaveriラインアップがそろってきたところでFM2+をといった段階的な移行プランも考えられる。

og_kaveri_review_000a.jpgog_kaveri_review_000b.jpgog_kaveri_review_000c.jpg写真は左から、FM2+ APUのピン配列、FM2 APUのピン配列、FM2+ソケット側。中央周辺のピンの空いたスペースが、FM2より2ブロックほど減っており、これによりソケットFM2+にはFM2 APUを挿せてもソケットFM2にFM2+ APUを挿せない仕組みになっている

 Socket FM2+のもう1つのメリットがPCI Express 3.0のサポートだ。もちろん、これを利用するにはKaveriとの組み合わせが必須だ。Socket FM2+マザーボードにSocket FM2 APUを組み合わせた場合、従来同様、PCI Express 2.0動作となる。

 今回投入された「A10-7850K」と「A10-7700K」は、ともにTDPが95ワットとなる。A10-6800Kの100ワットと比べると5ワット低く設定されている。なお、KaveriではConfigurable TDP機能が追加され、45ワット、65ワットというTDPにも設定可能とされる。Configurable TDPを利用するには、対応するBIOSも必要とのこと。そして、Configurable TDPは、A10-7850Kとようなハイエンドでも利用できることに加え、A8-7600には「Optimized」という表記があり、特に最適化がなされているようだ。

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