ソニーとパナソニックが、昨年6月に発表した次世代有機ELパネルの共同開発に関する提携を更新せず、期限通りに解消することが分かった。
提携では、両社がそれぞれの技術を持ち寄り、50インチ以上の大型有機ELパネルに適した印刷方式の量産技術を2013年末までに確立することを目指した。印刷方式は、パネルの発光層(EL層)を形成する際、有機EL材料を印刷によって塗布する手法。生産工程がシンプルになり、大型化や量産コストの削減に大きく貢献するという。また今年1月の「International CES」では、パナソニックが独自の“RGBオール印刷方式”を使った56V型有機ELディスプレイを参考展示したが、これには提携の一環としてソニーから提供されたTFTが採用されていた。
「2013 International CES」でパナソニック(左)とソニー(右)が展示した4K有機ELディスプレイ。また、パナソニックは9月のIFAでマザーガラス方式で製造したという55V型4K有機ELディスプレイを展示した
ソニー広報では、提携の解消について「もともと年末が期限であり、更新せずに終了した。両社は1年半の成果を元に、それぞれ開発を続ける」とし、一部報道の「4K液晶テレビに集中」を否定した。また「可能性の話」と前置きした上で、「今後も商品化に向けた量産スキームなども含め、協力する機会があればやっていきたい」としている。ただし、提携の目的であった印刷方式の量産技術確立については、「詳細はいえない。いずれにしてもまだ課題はあり、今すぐ量産にかかるわけではない」と言葉を濁した。
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