皆さんは普段どのような姿勢で仕事をしているだろうか。
「ワーカーの約7割が仕事中に身体的疲労や症状に悩まされている」——こう指摘するのはハーマンミラージャパンの福田怜美氏だ。
こんな職場の悩みに対する解決策を提示するのが、ハーマンミラーと日本マイクロソフトだ。家具やインテリアのメーカーであるハーマンミラーとPCのOS「Windows」などを開発する日本マイクロソフトは、一見関わりがないように見えるが、どちらも人間工学に基づくオフィス用品や仕事道具を開発している。
ハーマンミラーは体にかかる負担を軽減するワークチェアの「アーロンチェア」や「エンベロップデスク」を販売しており、マイクロソフトは手首に負担がかからないエルゴノミクスデザインのマウスやキーボードを古くから開発している。
ノートPCでの作業は体に負担がかかりやすい
マイクロソフトの調査では、デスクワーカーは1日にPCを約7時間使用しており、そのうち約6時間が仕事での利用だという。「長時間のPCワークで目、肩、腰などに疲れや痛みを感じる人が多いが、仕事でPCを使う6時間というのは、睡眠時間に匹敵する長さ。快適な睡眠環境は注目を浴びているのに、デスクワークの環境は気をつけていない人が多い。知らず知らずのうちに体に負担がかかっている」と福田氏は述べる。
どうすれば体の負担を減らせるか。福田氏は「定期的にリクライニングを活用すること」が重要だと述べる。座っている時は頭の重量を支えるために腰に負荷がかかる。特にPCのディスプレイに顔を近づけるなどして前傾姿勢になるときが、最も腰椎椎間板への負荷が高くなるという。
そのためノートPCでの作業は体に負荷がかかりやすい。画面が目の高さよりも下にあるため、ディスプレイを見下ろすような形で前傾姿勢になるためだ。また、ノートPCのキーボードは小さいため、縮こまった姿勢で作業をすることになる。すると「胸が閉まってしまい、十分な酸素が得られず、集中力が切れたり頭がぼんやりしてしまうことが多々ある」(福田氏)。
こうした症状を避けるには、まずディスプレイの位置を調整することが大切だ。ディスプレイは自分の目線と同程度の高さにするとよいという。ディスプレイアームなどを使用するのが有効だが、福田氏は「お金をかけずとも、ノートPCの下に厚い本を置くなどして調整する方法もある」と述べた。
ノートPCを机の手前ギリギリに置いて作業するのも危険だという。腕を浮かせた状態でキーボードを打つことになり、手首に大きな負担がかかり、腱鞘炎(けんしょうえん)になるリスクが高まるためだ。
日本マイクロソフトの北川美由紀氏も「デスクで作業するときは、ノートPCでも十分な大きさの外付けキーボードとマウスで操作してほしい」と助言するが、現状ではワーカーのうち13%程度しか外付けキーボードとマウスを導入する人はいないという。
マイクロソフトが勧めるエルゴノミクスデザインのマウス、キーボードは人間の手、指、手首の可動域を考慮して開発したもので、特にキーボードは手、指、手首に合わせた4種類のカーブを施している。慣れるまでに1週間程度かかるものの、慣れれば作業が快適になるという。「マウスやキーボードは現代の文具。少しでも気を遣って選べば生産性は大きく向上する」(北川氏)
セミナー会場にはハーマンミラーの「フローモニターアーム」「ラップトップマウント」「エンベロップデスク」の3点セットと、マイクロソフトのWindowsタブレット「Surface」を使用した作業用デスクを展示していた。筆者も実際に座って試してみたが、まるでお風呂で湯船に浸かっているかのような感覚でリラックスできた。2014年1月31日まで東京都内のアカデミーヒルズ各所に、タッチアンドトライコーナーが設置されるので、気になる人は試してみるといいだろう。
タッチアンドトライコーナー実施概要
2013年12月12日〜2014年1月5日
2014年1月6日〜2014年1月19日
2014年1月20日〜2014年1月31日
※いずれも会員制の施設(有料)だが、タッチアンドトライコーナー設置期間中に上記3つのライブラリーを利用できる1DAYトライアルチケットが抽選で30人にプレゼントされる(応募締め切り:2014年1月7日18時)。
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