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Windows XP搭載PCの買い替えで考慮すべき問題――ノートPC化から消費税まで

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←・SOHO/中小企業に効く「ビジネスPC」の選び方(2):Windows XPから乗り換えるべきは“7”か“8.1”か

ひとくちにWindows XP搭載PCといっても世代はさまざま

 Windows XPから乗り替える先のOSがWindows 7であれ、Window 8.1であれ、ハードウェアの入れ替えを同時に行うのが理想であることは前回も述べた。

tm_1312_xp3_01.jpgWindows XP Professinalアップグレード版。社内で利用頻度が低いが、特定の用途でたまに使うようなPCでは、ひょっとしたらWindows XPより前の世代からアップグレードした長寿の製品まで残っているかもしれない

 Windows XPは2002年に発売されて以来、12年あまりも使われてきたOSで、それゆえ「XP搭載のPC」とひとくくりにされる中には、Windows XPの発売直後に導入したプリインストールモデルもあれば、導入からまだ2〜3年しか経過していないモデルまで、さまざまな“世代”が存在するのが普通だ。中にはWindows 98や2000からアップグレードした、XPそのものよりも長寿のモデルまであるかもしれない。

 社内のPCでこうした“世代の差”が存在すると、あるPCでは利用できた業務ソフトウェアや周辺機器が、別のPCでは動作しないというトラブルや、動作速度の大きな差となって現れる。今はなんとかやりくりできていても、ハードウェアはそのままにOSだけをアップグレードした場合、こうした差はいっそう顕著に現れることになる。

 また一般的に、新しいPCのほうが、消費電力が相対的に低い傾向にある。これは2001年に施行されたグリーン購入法がこの十年あまりで浸透してきた影響や、ここ数年におけるピークシフトなど節電意識の高まり、そしてPCパーツの電力効率重視の流れが大きいわけだが、ハードウェアを一括で入れ替えることで、管理コストを下げられるだけでなく、節電効果も期待できるのは、法人ユースでは見逃せないメリットだ。

「デスクトップからノートに移行」を同時に行う

 デスクトップPCからノートPCへのリプレースを行えることも、ハードウェアとの同時入れ替えがおすすめである要因の1つだ。Windows XPの導入が始まった頃はまだデスクトップPCのシェアが高く、現在OSのアップグレードを必要としているPCのうちかなりの割合は、デスクトップPCが占めていると考えられる。

 しかしご存じの通り、ここ10年あまりでノートPCは高性能化と価格下落が一気に進み、今やPCにおけるシェアはノートPCが過半数をはるかに超えている。また、ノートPCはバッテリーを搭載していることから、災害など不意の停電への備えにもなる。先に述べた節電効果も高いほか、省スペースであることも現在のオフィス環境にはマッチしている。

 また、昨今普及しつつあるフリーアドレスのオフィスは、可搬性の高いノートPCあってこそのものであり、将来的にそうしたオフィス環境の導入を視野に入れるのであれば、デスクトップPCをこの機会に思い切って減らしてみてはいかがだろうか。

 むしろ社内に対しては、「デスクトップPCをノートPCにリプレースする過程で、最新のOSにアップデートする」といった告知の仕方のほうがよい場合もある。Windows XPに愛着があり、アップグレードに拒否反応を示す人に対しては、こうしたプロセスを踏んで入れ替えを実施したほうが、納得してもらいやすいだろう。

Webブラウザ(IE)利用時の消費電力
OSWindows XPWindows VistaWindows 7
PCタイプデスクトップ(スリムタワー型)ノートデスクトップ(スリムタワー型)ノートデスクトップ(液晶一体型)ノート
発売年2006年モデル2008年モデル2010年モデル
CPUCeleron D 346(3.06GHz)Celeron M 380(1.6GHz)Core 2 Duo E4500(2.2GHz)Core 2 Duo T7250(2.0GHz)Celeron T3100(1.9GHz)Pentium P6000(1.86GHz)
メモリ512Mバイト768Mバイト2Gバイト2Gバイト4Gバイト2Gバイト
HDD250GバイトHDD100GバイトHDD320Gバイト160Gバイト500Gバイト320Gバイト
液晶ディスプレイ17型スクエア15型ワイド19型スクエア15.4型ワイド20型ワイド15.6型ワイド
消費電力(平均 ワット)1088253373016
消費電力(最大 ワット)15410967535333
消費電力(最小 ワット)1007650342513
※日本マイクロソフトが2011年5月に発表した「Windows PC 消費電力検証結果レポート」より
tm_1312_xp3_00.jpg上のリポート結果のグラフ。Windows XP世代のデスクトップPCやノートPCと比較して、Windows 7世代のノートPCは消費電力が大幅に下がっている

XPのサポート終了とほぼ同じタイミングで訪れる消費税増税

 さて、こうした「ハードウェアごと買い替えるべし」という論調が強いのは、Windows XPのサポート終了を好機として、PCの販売を伸ばしたいメーカーや販売店の思惑もある程度は含まれていることは否定できない。先に述べたような同時入れ替えのメリットは間違いなく存在するものの、Windows XPを搭載しているとはいえ、導入からまだ2〜3年程度しかたっていないPCであれば、ハードウェアを買い替えなくても、OSのアップグレードだけで十分というケースもあるはずだ。

消費税の増税時期
消費税
2013年(平成25年)1月〜12月5%
2014年(平成26年)1月〜3月
4月〜12月8%
2015年(平成27年)1月〜9月
10月〜12月10%
2016年(平成28年)1月〜12月

 ただ、今回に限ってはそうした事情とは別に、同時入れ替えを検討すべき事情がある。それは消費税の増税だ。Windows XPのサポート終了とほぼ同じタイミングである2014年4月1日に、消費税(地方消費税含む)が5%から8%へと引き上げられる。それゆえ、このタイミングを逃してしまうと、次に購入する際は、増税分がそのまま負担となる。

 わずか3%とはいえ、PCという単価が高い製品では、1台につき数千円が加算されるので、これが何十台も積み重なると、かなりの総額になる。まったく同じ製品でありながらプラスアルファのコストがかかる道を選択するのは得策ではない。時間がたって価格が下がれば結果的に増税額と相殺される可能性もあるが、少しでも延命することを狙って社内のPCの“世代”をいたずらに増やすよりは、2014年4月1日以前のタイミングで入れ替えを図ったほうが、手間の面からも望ましいだろう。

 この場合、決済の関係で支払いだけが増税後になってしまわないよう、あらかじめ留意しておきたい。また、後から周辺機器を追加購入しなくてはいけないことが判明したが、ほんの1〜2カ月の差で高い税率で買う羽目になった、という事態もなるべくは避けたいところ。Windows XPのサポート終了と消費税の増税、時期が一致したのは単なる偶然だろうが、意外と見逃せないポイントだ。

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