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「きのこの山」VS.「たけのこの里」戦争に決着!? 購買データ分析で“大差”あり

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 そろそろバレンタインデーですね。バレンタインといえばチョコレート——ということで、全国民を巻き込みかねない「きのこの山」「たけのこの里」“どっち派”戦争について、無料家計簿アプリ「ReceReco」(レシレコ)の購買データ分析を通じて考察してみたいと思います。

「ReceReco」とは?

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スマートフォンでレシート写真を撮るだけで家計簿を作れる無料iPhone/Androidアプリ。ダウンロード数は115万、登録レシート枚数は2000万枚、登録された支出総額は450億円を超えている(2013年11月時点)。なお、登録されたレシートデータを個人が特定されない範囲で二次利用することは全ユーザーに事前許諾済み。

関連記事目指したのは「究極のシンプル」 レシート撮るだけ家計簿アプリ「ReceReco」の狙い


全体戦況は「ダブルスコア」で決着

 常に並び称され、ネット上でもよく比較される明治の2大ブランド「きのこの山」と「たけのこの里」ですが、今回の調査ではダブルスコアで「たけのこの里」が圧勝しています。

 地域別でもまんべんなく「たけのこの里」が優勢となっており、これは一般的なイメージ以上の差がついているといえるでしょう。

photo全体&地域別集計グラフ

さらに詳しく分析すると興味深いデータが

 その理由を探るべく、性別・年代を加えてクロス集計を行ってみると、さらに興味深いデータが見えてきました。

 性別で見ると、男女ともに大きな差異はありません。しかし年代別で見ると「きのこの山」が中高年層で盛り返し、40代以上ではほぼ互角の戦いを見せています。

photoクロス集計グラフ

 この理由としてぱっと思いつくのは、

  • 「たけのこの里」の方がどっしりとしたクッキー生地なので、食べごたえが若年層に受けている
  • 実は「きのこの山」の方が4年先行して発売(1975年)されたため、40代以降の支持が厚い

 といったところですが、果たして……?

今後の戦況のカギを握る? 新たな戦場「大人シリーズ」

 では最後に、甘さ控えめの“大人向けチョコ”として2013年に発売された新商品「大人のきのこの山」「大人のたけのこの里」の戦況も見てみましょう。ここでは購買者を30歳のラインで2つに分け、通常版と大人版それぞれの購買率の差を分析してみます。

 まずは、きのこの山とたけのこの里を合わせた全体の購買比率(図の上段)について見てみましょう。すると、通常版は20代以下と30代以上の購買率が拮抗しているのに対し、大人版は30代以上の支持が圧倒的に高いことが分かります。

photo「大人」シリーズ集計グラフ

 また「大人のきのこの山」と「大人のたけのこの里」の購買比率(図の下段)を見ると、通常版よりきのこ陣営が健闘していることが見てとれます。このあたりが、今後の「きのこの山」VS「たけのこの里」戦争の行く末を左右するポイントになりそうです。


 データから見る「きのこの山」VS.「たけのこの里」はいかがでしたか? 今後どちらを買うか迷った時は、食べる人の年齢層を考えると好感を持ってもらえるかもしれませんね。

 また、30年前から販売されているロングセラー商品でありながら「大人」シリーズ以外にも期間限定や地域限定といった新しい商品開発にも余念がないことが、両陣営の強さを支えていることも感じ取れました。

調査概要

  • 調査対象期間:2013年1月31日〜11月30日
  • 調査対象地域:全国
  • 調査対象:家計簿アプリReceReco(レシレコ)登録レシート
  • 調査対象レシート数:1万7368
  • データ分析:古谷野良太(データサイエンティスト)、原真一郎(データサイエンティスト)

筆者紹介

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平野健児

1980年京都府生まれ。神戸大学文学部卒業後、サイバーエージェントを経てWeb関連の新規事業支援で独立。WebサイトM&Aの「サイトストック」など多数の新規事業を立ち上げる。現在はブレインパッドにて無料家計簿アプリ「ReceReco」(レシレコ)の立ち上げ、運営を手掛ける。


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「JALマイレージバンク」に不正ログイン、マイル盗む 数字のみパスワードの強化策は「検討していない」

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画像JALマイレージバンクのWebサイト

 日本航空は2月3日、「JALマイレージバンク」のWebサイトに不正ログインがあり、一部ユーザーのマイレージが第三者によって引き落とされ、Amazonポイントに交換されていた可能性があると発表した。被害拡大を防ぐため、全ユーザー2700万人にパスワードの変更を呼びかけている。

 1月31日〜2月2日にかけ、計7人のユーザーから「自分のマイルが意図せず引き落とされている」という相談があり、調査したところ、不正ログインの可能性があることが発覚。2日午後4時以降、マイルをAmazonポイントに交換するサービスを停止した。

 ログを調査したところ、不正ログインを受けた可能性があるユーザーは60人。申告のあった7人の被害額は合計数十万円程度という。不正ログインの経緯は分かっていないが、現在のところ、同社サーバへの不正アクセスは確認していないという。

 同社はメールとWebサイトを通じ、全ユーザー2700万人にパスワードの変更を依頼。JALマイレージバンクのパスワードは数字6ケタだが、数字だけのパスワードが脆弱という認識は「ない」(同社広報部)としており、ケタ数を増やしたりアルファベットを加えるなどの強化策は「検討していない」という。

 全日本空輸(ANA)のマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ」も、数字4ケタのパスワードを採用している。

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「FMV LIFEBOOK TH90/P(WT1/P)」の新しい変形機構を速攻チェック

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新設計の“Shift hinge”で4つのスタイルに変形

tm_1402th_r_01.jpg富士通の新しい13.3型2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」シリーズ。発売日はカタログモデル「TH90/P」が2月22日、カスタムメイドモデル「WT1/P」が2月下旬以降(2月4日より注文受付)の予定だ

 既報の通り、富士通は新デザインの2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH」シリーズを発表した。店頭販売向けのカタログモデル「TH90/P」と、購入時に仕様を選べる「富士通 WEB MART」直販のカスタムメイドモデル「WT1/P」が用意されている。今回は発売に先駆け、試作機を入手したので変形機構を中心に見ていこう。

 最大の特徴は、同社が“Shift hinge”と呼ぶ独自のヒンジ機構だ。液晶ディスプレイの中央下部に小さなヒンジを1つ備えており、通常のチルト(傾き)調整に加えて、左右180度ずつのスイベル(回転)調整に対応している。小さなヒンジは一見、頼りなく思えるかもしれないが、剛性は十分。チルトやスイベルの調整は任意の位置でピタリと固定でき、スイベルの角度が0度もしくは180度の際にはカチャッと音がして止まるので、画面の回転や反転は快適に行える。

 TH90/P(WT1/P)はこのShift hingeにより、以下の4つのスタイルに変形できる。

(1)ノートPCスタイル

 従来同様、おなじみのクラムシェルノートPCスタイル。液晶ディスプレイを閉じた状態では画面とキーボード面を保護したまま持ち運ぶことができ、開けばキーボードとタッチパッドを使って文書作成などの作業を効率的に行える。

tm_1402th_r_02.jpgtm_1402th_r_03.jpg「ノートPCスタイル」の見た目は、通常の変形しないUltrabookとほとんど変わらない。当然、慣れ親しんだクラムシェルノートPCと同じ使い勝手を提供する。パームレスト面はアルミニウムの削り出し、天面と底面はマグネシウム合金のボディだ。パームレスト面と底面を箱のようにかみ合わせて堅牢性を高める「超圧縮ソリッドコア」構造を同社Ultrabook「FMV LIFEBOOK UH」シリーズから継承している

(2)バリアスタイル

 変形機構を備えた2in1デバイスが増えつつある中、このヒンジ機構だから実現できるスタイルが、この「バリアスタイル」だ。画面が水平方向に回転できるため、ノートPCの本体を動かすことなく、隣の人や向かい合った人に、画面をサッとスイベルさせて見せることができる。左右に180度ずつスイベルするので、画面を見せたい相手が自分の周囲のどの角度にいても、素早く画面を向けることが可能だ。画面を見せ終わったら、直ちにノートPCスタイルへ戻れる。

tm_1402th_r_04.jpgtm_1402th_r_05.jpg左右にスイベルするヒンジだからこそ可能な「バリアスタイル」。液晶ディスプレイのチルトとスイベルはスムーズに行える

(3)シアタースタイル

 ノートPCスタイルから画面を右か左に180度回転(反転)させて固定し、画面側から見ると「シアタースタイル」となる。スタンドに立てかけたタブレットのような見え方になり、名前の通り動画や写真の閲覧に最適だ。もちろん、この状態で画面のチルト調整やタッチ操作が行える。

 ノートPCスタイルと比較した場合、映像コンテンツの視聴で不要なキーボードが奥に隠れ、画面が手前に近づくことで、表示内容への没入感が高まる効果がある。また、ノートPCスタイルで画面をチルトさせて使うより、占有スペースが狭くて済むので、カフェの小さいテーブルや航空機、新幹線の中などでも活用したい。

tm_1402th_r_06.jpgtm_1402th_r_07.jpg液晶ディスプレイを反転させた「シアタースタイル」は、映像コンテンツの視聴に向いている。このスタイルでは、PC本体側の右下に音量ボタンが現れ、手軽に音量を調整できるようになる(タブレットスタイルでも同様)

(4)タブレットスタイル

 シアタースタイルの状態でそのまま画面を閉じると、液晶ディスプレイ部とPC本体部がぴったり重なり、1枚板のようなタブレットスタイルになる。画面サイズと重量の関係から、手で持って使うのは短時間に限られるが、タッチ操作や筆圧対応デジタイザスタイラスを使った手書き入力がしやすい。少人数のプレゼンでスマートに資料を見せながら、強調したい部分にペンで書き込むといったことも容易だ。

tm_1402th_r_08.jpgtm_1402th_r_09.jpg画面を反転させて上向きに閉じた「タブレットスタイル」。1枚板のような一体感があり、13.3型ワイドの大画面タブレットとして利用できる




 この手のスイベル型ヒンジは、Windows 7以前のコンバーチブル型ノートPCでよく見られた機構だが、厚くなり、かさばる傾向にあった。今回のTH90/P(WT1/P)は、ヒンジの剛性を保ちながら、小型化を果たしており、ノートPCスタイルでもタブレットスタイルでも一体感のあるフラットで薄いボディを実現しているのが大きな特徴だ。

 また、2in1 Ultrabookには画面がチルトしたまま360度回転するタイプが多いが、こうした製品ではタブレットスタイル時にキーボードが底面に来てしまう。通常タブレットスタイルでは、指でキーを押しても誤動作しないよう、キーボードがオフになるが、指がキーの凹凸に触れるのが気になるユーザーは少なくないだろう。その点、TH90/P(WT1/P)の変形機構ならば、ノートPCスタイルとタブレットスタイルで底面が変わらず、キーボードは内側を向くので、単体のタブレットとしても扱いやすい。

 本体サイズは320.8(幅)×235(奥行き)×17.1〜19.3(高さ)ミリ、重量は約1.59キロ(実測値で1.557キロ)。13型クラスのモバイルノートPCとしては重いほうだが、約200kgf(重量キログラム)の天板全面加圧試験、約35kgfの天板一点加圧試験にクリアした剛性あるボディに、変形機構とデジタイザスタイラスへの対応、高精細表示の液晶ディスプレイ、豊富なインタフェースなどを考慮すると、許容できる重さではないだろうか。

 Ultrabookなど最近の薄型ノートPCは、バッテリーの着脱に対応しない製品がほとんどだが、TH90/P(WT1/P)は工具いらずで底面のカバーを外し、バッテリーの交換が行えるのも見逃せない。採用するリチウムポリマーバッテリーの容量は45ワットアワーで、駆動時間は約12.5時間としている。

tm_1402th_r_10.jpgtm_1402th_r_11.jpgノートPCスタイルで液晶ディスプレイを限界まで開いた様子(写真=左)。スイベルするヒンジ機構を感じさせない薄さだ。バッテリーを手軽に着脱できる構造は、長期利用でありがたいポイント(写真=右)。オプションで交換用のバッテリーも用意されている。スティック型のACアダプタは、実測でのサイズが32(幅)×135(奥行き)×29(高さ)ミリ、重量が188グラム(ケーブル込みの総重量で239グラム)と、持ち運びが苦にならない大きさだ

富士通
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“かわいい”がつなぐ日本と世界 2000万ユーザー突破、世界を席巻する着せ替えアプリ「CocoPPa」

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 総ダウンロード数2000万突破、ユーザーの8割以上は海外から、米国App Storeが選ぶ年間ベストアプリの1つに選出——そんな派手な成果で世界をまたにかけて大躍進を続けるスマホアプリ「CocoPPa」……だが、この名前を初めて聞いたという読者も多いかもしれない。

 それもそのはず、CocoPPaはユーザーのほとんどを10代と20代の女性が占める、イラストを中心とした投稿素材が世界中から集まる着せ替えアプリだ。日本発・世界を席巻する「かわいいの楽園」の中で今何が起こっているのか、プロデューサーの梶原彩菜さんと人気クリエイターのほしのまあさんに聞いた。

photoCocoPPaで着せ替えしたスマホのホーム画面

 ユナイテッドの運営するCocoPPaは「ホーム画面を世界一カワイク」をコンセプトとしたスマートフォン向けの着せ替えコミュニティアプリ。オリジナルデザインのアイコンにメールやカメラ、アプリなどを立ち上げるショートカットを設定し、壁紙と共にカスタマイズすることで、ホーム画面を自分の好みに“デコれる”仕組みだ。

 アイコンや壁紙を素材として投稿・共有できるのが人気の秘密。投稿するユーザーのほとんどは趣味で絵を描いており、中高生をはじめ学生も多く、手描き調のイラストが並ぶ。100万人以上のフォロワーを抱えるクリエイターの素材には各国語でズラリとコメントが付く。2000万ユーザーのうち84%が海外からだが、人気ユーザーのほとんどは日本人で「日本の“かわいい”が世界から注目されてることを感じます」(梶原さん)。

「何が起きてるのかよくわからない」まま海外で人気に

photo月別ダウンロード数推移

 同アプリがリリースされたのは2012年の7月。イラストを中心としたコミュニティーとしてコアなユーザーが集まり、アクティブ率は高かったが大多数は日本人ユーザーだった。風向きが一気に変わったのはリリースから約半年経った翌1月のこと。マレーシアのApp Storeのライフスタイルカテゴリで1位になり、ダウンロード数が急増。連鎖的に東南アジア一帯で高順位を記録したという。

 「たまたま海外で流行ることもあるんだ」と楽観的に構えていたところ、年明けにはフィンランドやノルウェーに飛び火。ヨーロッパ圏でも人気を集め、13年2月上旬には人気の波はアメリカに達した。前年12月時点で80万だったダウンロード数は、2013年2月には607万と7.5倍に急成長。ユーザーレビューや問い合わせが読めない言葉で寄せられ、「何がなんだかわからないまま、すごいことになっている実感もなく日々対応に追われていた」とプロデューサーの梶原彩菜さんは振り返る。

photoInstagramで「#CocoPPa」タグの付いた写真は約10万件。カラフルでビビッドな壁紙が目につく

 イラスト中心で言語の壁が比較的低いため、リリース当初から英語、中国語(繁体字)、韓国語に対応していたが、具体的なプロモーション施策は全くなし。海外の感度の高いブロガーが「最近お気に入りのアプリ」として紹介するなどして、口コミでじわじわと広がったという。「時間をかけて一生懸命作ったかわいいホーム画面は自慢したくなる」(梶原さん)のがポイントで、カスタマイズしたホーム画面の画像をSNSに投稿する人も多く「それ、どうやるの?」の連鎖で人気が集まったのでは——と分析している。InstagramやPinterestでも、「#CocoPPa」のタグをのぞくと世界中の女の子のエネルギーのこもった力作が続々と投稿されている。

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「15インチMacBook Pro Retina」――美しいディスプレイを搭載したHaswell世代の15.4型ノートPC

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ココが「○」
・Haswell世代のCPUを搭載
・PCIe接続のSSDを採用
・2880×1800ドットの超高解像度ディスプレイ
ココが「×」
・2012年モデルに比べて価格が高い
・下位モデルはCPU内蔵グラフィックス
・15.4型クラスで光学ドライブは非搭載

はじめに:美しい超高解像度ディスプレイを備えたHaswell世代の15.4型ノートPC

og_mbpr_001.jpg15インチMacBook Pro(ME293J/A)

 アップルの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」は、Retinaの名が示す通り、液晶の画素密度が220ppiという、2880×1800ドット表示の超高解像度液晶ディスプレイを搭載する15.4型ノートPCだ。

 15型クラスでありながら厚さを18ミリまで絞った、薄く、美しいアルミユニボディは、2012年モデルから引き継ぎつつ、Haswell世代のアーキテクチャに移行し、内部システムを刷新している。

 今回取り挙げる15インチMacBook Pro Retinaの下位モデル「ME293J/A」は、CPUにCore i7-4750HQ(2GHz/最大3.2GHz)を採用し、グラフィックス機能はディスクリートGPUではなく、CPU内蔵のIris Pro Graphics 5200を利用する仕様だ。「Pro」の名前を冠した15インチモデルでありながら、13インチモデルと同じ内蔵グラフィックスとなっているが、上位グレードの「GT3e」(Crystalwell)であるIris Proの実力がどの程度か気になるところだろう。

 また、今回特に目を引くのは、PCI Express接続SSDの採用だ。同社によると、旧MacBook Proと比較して、データの読み書き速度は最大60%向上しているという。このほか、1300Mbps転送を実現するIEEE802.11ac対応無線LANモジュールの内蔵や20Gb/秒の帯域幅を持つThunderbolt 2ポートの搭載もトピックだ。それでは、実際のパフォーマンスや定評のある液晶ディスプレイの品質をチェックしていこう。

og_mbpr_002.jpgog_mbpr_003.jpgCPU-Zの画面。CPUにCore i7-4750HQ(2GHz/最大3.2GHz)を採用。内蔵GPUは「Iris Pro Graphics 5200」。128MバイトのeDRAMを搭載した「GT3e」(Crystalwell)だ

ボディと製品概要:厚さ18ミリ、アルミ削りだしの薄型ユニボディ

og_mbpr_004.jpgog_mbpr_005.jpg2880×1800ドット(220ppi)という超高精細な表示を可能にするIPS方式の広視野角パネルを採用。ぱっと見た印象でも写真などが非常に美しいと感じる。キーボードは余裕のある19ミリピッチ。キートップの質感はさらさらとしている。環境光に応じて点灯するキーボードバックライトを内蔵する

og_mbpr_006.jpgog_mbpr_007.jpg本体前面と背面。インタフェースは左右に振り分けられており、シンプルな外観。前面は液晶ディスプレイを開くときに指をかける部分がくぼんでいる。35.89(幅)×24.71(奥行き)×18(高さ)ミリ、重量は約2.02キロ。15.4型ノートPCとしては非常に薄い

og_mbpr_008.jpgog_mbpr_009.jpg本体左側面と右側面(ディスプレイを最大まで開いた状態)。左側面は、前方からヘッドフォン、USB 3.0、Thunderbolt 2×2、MagSafe 2コネクタが並ぶ。ヘッドフォンの手前にデュアルマイクロフォンの穴がある。右側面は手前からSDメモリーカードスロット(SDXC対応)、HDMI出力、USB 3.0を搭載する。Thunderbolt 2を2基搭載するぶん、USB 3.0は2基とこのクラスのノートにしては、USBのポートが少ない

og_mbpr_010.jpgog_mbpr_011.jpg本体底面のカバー内。内部のレイアウトも美しい。2基のファンで背面側から吸気し、左右側面奥にあいたスリットから排気するエアフローになっている。ちなみに評価機に搭載されていたPCIe接続のSSDはSAMSUNG製でコントローラーは「S4LN053X01-8030」。このSSDはMacBook AirやMac Proでも採用されている

液晶ディスプレイ:sRGB相当の色域をほぼカバーする高品質パネル

og_mbpr_012.jpgi1Proを用いて測定したガンマカーブ。暗部から明部まで、レッド、グリーン、ブルーがきれいに重なっている。優秀な結果だ

 ここではMacBook Pro Retinaディスプレイモデルのガンマカーブと色再現性を検証する。評価にはエックスライトの「i1Pro」を用いた。

 下のグラフを見れば分かるように、ガンマカーブはRGBの3本がほぼリニアに、暗部から明部まで美しい線を描いている。あくまで評価機での結果にはなるが、キャリブレーションをせずとも、階調性は整っているといえる。ちなみに色温度は6800KでsRGB標準の6500Kよりもやや高い。実際はやや青味が強いが、目には白がすっきりとして見え、こちらを好む向きも多いと思われる。

 色再現性の検証では、先に作成したICCプロファイルを、Mac OS XのColorSyncユーティリティでそれぞれsRGB、Adobe RGBのプロファイルと比較した図になる(薄いグレーの部分がそれぞれsRGBとAdobe RGBの色域)。

 この結果を見ると、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルの液晶ディスプレイは、sRGB相当の色域を持つことが分かる。Webデザイナーなど、扱う色域が基本的にsRGBであればプロ用途としても十分だろう。

og_mbpr_013.jpgog_mbpr_014.jpg作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示したグラフ。sRGB(画面=左)とAdobe RGB(画面=右)と比較している(ともに薄いグレーの部分)。sRGBの色域をほぼカバーしているのが分かる

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JALマイレージバンクの不正ログイン、セキュリティと便利性のバランスが問題に?

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JAL「JALマイレージバンク」のログイン画面

 日本航空の「JALマイレージバンク」で不正ログインが発覚したことについて、ネット上ではユーザー認証に「数字のみのパスワード」が使われていたことを問題視する意見が目立つ。これに対して日本航空は、「大半の会員が携帯電話やスマートフォンを利用しており、入力時に負担をかけないよう配慮していたため」(広報部)と説明している。

 JALマイレージバンクの会員ログインでは7桁もしくは9桁の「お得意様番号」と、6桁の数字によるパスワードを採用している。不正ログインの原因は取材時点でも調査中のため、実際に6桁の数字によるパスワードが原因となったのかは判明していない。

 不正ログインなどのためにパスワードを突破する方法としては、文字の組み合わせを総当たりで試す「ブルートフォース攻撃」や、頻繁に使われる文字列等のデータベースを使う「辞書攻撃」が有名だ。また、昨年からオンラインサービスなどで横行している不正ログイン事件では、ほかのWebサイトから流出したとみられるパスワードを用いる「パスワードリスト攻撃」も出現した。

 パスワード認証では数字やアルファベットを組み合わせるのが一般的だが、上述のような攻撃手法が使われた場合に、JALマイレージバンクの採用している「6桁の数字」では容易に突破されかねないという指摘が目立っている。

 日本航空も以前にパスワードが突破される可能性を考慮して、当初は4桁の数字だったJALマイレージバンクのパスワードを2004年10月17日に6桁の数字に変更している。ただ、空港でのチェックインなどを始めモバイル環境で利用する会員が非常に多いことから、携帯電話の10キーでスムーズに入力できることにも配慮し、「数字のみ」という点は変更しなかったようだ。

 なお、同社は先の取材で「強化策の検討はしていない」とコメントしたが、改めての取材で「原因の特定を急ぐとともに、パスワードの方法を含めて今後の対応を検討していきたい」(同)と話している。

jmb02.jpgWebサイトでは質問の多い内容と説明を掲載している

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写真で知る「LIFEBOOK TH」と「GRANNOTE」のこだわり

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新機種を2つに絞り込んだFMV春モデル

 富士通は2月4日、FMVの2014年春モデルを発表した。既報の通り、13.3型2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH90/P」と、シニア向けの15.6型ノートPC「GRANNOTE(FMV LIFEBOOK AH90/P)」を2014年2月13日から順次発売する予定だ。新機種はこの2製品で、残りのラインアップは2013年秋冬モデルを継続販売する。

tm_1402fmv_01.jpgtm_1402fmv_02.jpg13.3型2in1 Ultrabook「FMV LIFEBOOK TH90/P」は2月21日の発売予定で、実売価格21万円強の見込み(写真=左)。15.6型ノートPC「GRANNOTE(FMV LIFEBOOK AH90/P)」は2月13日の発売予定で、実売価格22万円前後の見込み(写真=右)

 かつて国内大手PCメーカーは、春(1月ごろ)、夏(4月下旬〜5月ごろ)、秋冬(9〜10月ごろ)と、年に3回の大きなモデルチェンジを行うのが常だったが、PC市場の成熟を背景に、昨今はこのペースが崩れつつある状況だ。富士通も今年の春商戦はラインアップの多くを継続販売とした。

 同社ユビキタスビジネス戦略本部 パーソナルプロダクト統括部 統括部長の永田泰三氏は、「昔のようにCPUクロックの向上などでPCの新しい使い方を提案できるわけではなく、頻繁なモデルチェンジが必須ではなくなった。そこで今回は既存ラインアップの更新を見送り、富士通ならではの優位性が発揮できる新機種を絞り込んで投入する。今後もこの方針で製品展開を行う」と語る。

 確かに今回登場した2機種は、厳選されただけあって目を引く特徴がある。ここでは製品内覧会から興味深い展示を写真でお届けしよう。

 製品の概要は以下の記事を参照していただきたい。

懐かしくて新しいヒンジ機構を備えた「FMV LIFEBOOK TH90/P」

tm_1402fmv_03.jpgtm_1402fmv_04.jpg富士通が20年以上に渡り手がけてきたタブレットとコンバーチブルPCの歴史(写真=左)。同社が2005年に発売した片側回転のコンバーチブル型ノートPC(奥)とFMV LIFEBOOK TH90/P(手前)の比較(写真=右)。同じようなヒンジ機構だが、より薄くスタイリッシュに進化しているのが分かる
tm_1402fmv_05.jpgtm_1402fmv_06.jpg同社の歴代コンバーチブル型ノートPCが搭載していたヒンジ機構(写真=左)。奥から手前に向かって世代が新しくなり、薄型化が進んでいるのが分かる。1番手前がTH90/Pの新しい省スペースヒンジだ。TH90/Pのヒンジ裏面(写真=右)。従来モデルのヒンジは上下からスプリングで押さえつけてトルク調整を行う仕組みで、摩擦力を利用するため、ヒンジの首の径を太くする必要があった。TH90/Pのヒンジは、左右からスプリングで押さえつけて横方向の力によりトルク調整を行う構造に変更し、ヒンジの首の径を細くできている。これにより、スイベルするヒンジと薄型ボディを両立した
tm_1402fmv_07.jpgtm_1402fmv_08.jpgパームレスト面はアルミニウムの削り出し、タッチパッドはガラスを採用している(写真=左)。左のアルミニウム板を削り出して作られるパームレスト面(写真=右)。削り出す厚さを部分的に変えることで、薄さと頑丈さを両立している
tm_1402fmv_09.jpgtm_1402fmv_10.jpgTH90/Pが採用するヒンジと、剛性を確保するためのボディの構造(写真=左)。富士通 WEB MARTの直販限定カスタマイズモデルでは、店頭向けカタログモデルにない4Gバイトメモリ、128G/256GバイトSSD、Officeなしといった構成が選べる(写真=左)。法人向けモデルでは、Windows 8.1 ProやWindows 7、暗号機能付きSSD、Xi対応のLTE、スマートカードスロットなどのオプションも用意している(写真=右)。なお、Windows 8.1のInstantGo機能には対応しない
tm_1402fmv_11.jpgtm_1402fmv_12.jpg本体の右側面にはペンホルダーがあり、付属のデジタイザスタイラスを完全に収納できる。デジタイザスタイラスはワコム製で電磁誘導式を採用し、1024レベルの筆圧検知が行える

富士通

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シャープ、通期営業益を1000億円に上方修正 太陽電池好調、液晶パネル回復

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 シャープは2月4日、2014年3月期の連結営業利益が前回予想から200億円増の1000億円になる見通しだと発表した。太陽電池、液晶パネルが伸び、売上高も同2000億円増の2兆9000億円を見込む。最終益予想は据え置くが、50億円の黒字を確保する見通し。

 売上高を太陽電池が1200億円増の4300億円、液晶パネルが300億円増の1兆円へと上方修正する。太陽電池は国内ではメガソーラー向け、海外ではデベロッパー事業が売り上げ増に寄与。液晶はスマートフォン向けが好調という。

 13年4〜12月期(第3四半期)は177億円の最終黒字となり、同期としては3年ぶりに黒字転換した。

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Microsoftの新CEOはサトヤ・ナデラ氏 ゲイツ会長は退任してCEOのサポート役に

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 米Microsoftは2月4日(現地時間)、サトヤ・ナデラ氏(46)を新CEOに指名したと発表した。また、ビル・ゲイツ氏は会長を退任し、ナデラ氏をサポートする「テクノロジーアドバイザー」になる。ゲイツ氏の後任は取締役で元Symantec会長のジョン・トンプソン氏。

 satya 1 Microsoftの公式サイトには新CEOページが設けられた

 ナデラ氏は即日CEOに就任した。Microsoftにとって、ビル・ゲイツ氏、スティーブ・バルマー氏に次ぐ3人目のCEOになる。同氏は取締役にも就任した。

 satya 2 Microsoftが用意したナデラ氏の画像

 ナデラ氏は1992年に米Sun MicrosystemsからMicrosoft入りし、サーバ部門、ビジネスソリューション部門などを経て、2008年2月にオンラインサービス部門の上級副社長としてBingの立ち上げや米Yahoo!との提携を手掛けた後、2011年にサーバ&ツール部門社長に就任。昨年7月の「One Microsoft」を掲げた大組織再編でクラウド&エンタープライズエンジニアリング部門の上級副社長に就任した。

 ナデラ氏は公開書簡で「CEO就任に当たり、ビル(ゲイツ氏)にこれまでよりも多くの時間を会社のために提供して欲しいと頼んだ」と語った。ゲイツ氏は会長は退任するが、テクノロジーアドバイザーとして、ナデラ氏がMicrosoftのテクノロジーと製品の方向性を形成することをサポートしていく。

 ゲイツ氏は発表文で「変革期にあるMicrosoftにとって、サトヤ・ナデラ以上にリーダーにふさわしい人物はいない。同氏は筋金入りのエンジニアリング技能を持ち、ビジネスビジョンも人をまとめる力も兼ね備える実績のあるリーダーだ」と語った。

 昨年8月にバルマー氏がCEO退任を発表して以来、同社はトンプソン氏を委員長とする特別委員会を設置して内外から次期CEOを探してきた。候補としては、ナデラ氏の他、Nokiaのスティーブン・エロップCEO(当時)や米Fordのアラン・ムラーリーCEOの名も挙がっていた。

 前CEOのバルマー氏は、少なくとも次の株主総会までは同社の取締役にとどまる。同氏はMicrosoftの株式の約4%を保有している。

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「紙より夢中になれる学習体験を」――進研ゼミでタブレット学習を本格導入

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photoベネッセは2014年4月から、進研ゼミでタブレットを本格的に導入することを発表した。左からベネッセホールディングス代表取締役社長 福島保氏、ベネッセコーポレーション代表取締役社長 明田英治氏、同家庭学習事業本部長 成島由美氏

 スマートフォンやタブレットが爆発的に普及するなか、教育にもIT化の波が押し寄せている。最近では、小学校や中学校の教育現場でタブレットを利用する例も出てきた(参考記事:児童ひとり1台のWindows 8タブレットを──「21世紀型スキル育成授業」、MSとレノボが共同で支援)。

 ベネッセコーポレーションは2月4日、子ども向け通信講座「進研ゼミ」で、オリジナルの学習用タブレット端末(Android)を2014年4月に導入すると発表した。対象となるのは小学校の1〜5年生、中学校の1〜3年生、および高校1年生の計9学年だ(小学6年生については2015年4月に開講予定)。

デジタル時代の“赤ペン先生”

 進研ゼミでは2013年4月から中学1年生向けの講座でタブレットを導入しており、受講生の6割にあたる約16万人がタブレットを利用。4月の学習取り組み率が3割近く向上したという。小学校から高校まで9学年への拡大導入は、この1年間で得た知見を生かした取り組み。タブレットは教材を一定期間(小学生は6カ月、中学生は12カ月、高校生は21カ月)一括で申し込むと希望者に提供される。小学生の場合はタブレットを使うコース(チャレンジタッチ)とタブレットを使わないコースの両方を用意する。

photo2013年4月から16万人の中学1年生が専用タブレットを学習に導入。会員からのフィードバックはおおむね良好だった

 記者発表会では、ベネッセホールディングス代表取締役社長の福島保氏が「タブレットの導入という部分に注目する人も多いと思うが、本質はそこではない。デジタルツールの利用はあくまで新しい手段の1つだ。逆にデジタルだからこそ、人との関わりや子ども同士のつながりを実現できる」とアピールした。

 これまでも、進研ゼミではニンテンドーDS用のゲームソフトを開発したり、PCを使った学習講座、iOS向けアプリといった“学習のデジタル化”に取り組んできた。しかしその一方で「赤ペン先生のように生徒と密にコミュニケーションを取る機能が失われていた」(福島氏)という。今回、タブレットを活用した学習を提案するにあたり、福島氏は「今まで“デジタル”をコンテンツを提供する手段として捉えていたが、子どもとのコミュニケーションをサポートをする方法としても利用できると分かった」と述べる。

photo進研ゼミが導入する専用タブレット
photophoto小学生向けのタブレット(左)と中学生向けのタブレット(右)。文字などが書きやすいよう、小学生向けタブレットの画面サイズは9.7インチと大きく、中学生向けは7インチと小型だ
photo高校生向けのタブレットは細いペン先で文字が書ける、デジタイザー式のペンを用意。英語のスペルなどを書きやすいのがメリットだ
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セール中はセキュリティ対策を後回し 小売業界の危ない慣習とは

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 米小売大手のTargetは2013年12月、大規模な情報流出が発生し、買い物客のクレジットカードとデビットカード約4000万枚の情報が被害に遭ったことを明らかにした。この事件は、小売業のセキュリティ対策の重要性を浮き彫りにした。だが専門家によると、小売業者の多くは、総力を挙げた年末商戦期間中、情報セキュリティ対策をないがしろにしたり、無視したりすることさえあるという。

 全米小売連盟によると、小売業者の中には年末商戦の売り上げが年間売り上げの20〜40%を占めるところもある。この商機を捉えるためにはITシステムを円滑に運用しなければならない。

システムへの変更が一切許されない「ホリデーITロックダウン」

iPadと学校用SNSが導く“生徒主導の学び”――奈良女子大学附属中等教育学校

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教育IT | iPad | SNS | 教育 | タブレット


 国立の6年制中等教育学校である奈良女子大学附属中等教育学校(奈良県奈良市)。文部科学省の理数系教育に関する研究開発事業「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定校でもある同校は、米Appleのタブレット「iPad」を80台超導入し、全教室にWi-Fi環境を配備するなど、国公立学校の中でも比較的充実したIT環境を有する。さらなる取り組みとして、教育機関での導入がにわかに進む、学校用SNSの活用を2013年末ごろから模索し始めているという。

 筆者は幸いなことに、同校の授業で講師をする機会を得た。その授業の様子と併せて、同校が学校用SNSをどう生かしているのかをリポートする。

「スマホの9割はiPhone」「有料スタンプは買わない」――女子高生起業家に聞くスマホ事情

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 電車に乗ると、フィーチャーフォン(従来のケータイ)を使っている人を見かける方が珍しくなってきたといえるほど、スマートフォンの普及が進んでいる。電車中で見かけるスマホユーザーは、高校生から大学生、社会人、シニアの方々までさまざまで、属性によって使い方や、スマホへの趣味嗜好も変わってくる。筆者(男)はこういった仕事をしているので、スマートフォンはそれなりに活用しているが、スマホ使いの中でも特に自分と縁遠い存在が“女子高生”だと思っている。

 今どきの女子高生は、スマホをどのように活用しているのだろうか? 今回、現役女子高生にして起業家でもある椎木里佳さんに話を聞いてみたので、ちょっとだけ彼女たちのスマホ事情をのぞいてみたい。なお、今回聞いた話は椎木さんとその周囲の場合であり、女子高生全般に当てはまるものとは限らないことをご理解いただきたい。

photo椎木里佳さん。使用しているスマートフォンは「iPhone 5」

 椎木さんは、1997年11月生まれで都内の私立高校(女子高)に通う1年生。中学3年生のときに株式会社AMFを創業し、“かわいいを社会に発信を”をテーマに活動している。女子高生を中心とした10代向けスマホブログ「Candy」では編集長を務め、その関連で「JKめざまし」アプリをプロデュースしたこともある。

ガラケーを使っているのは50人中2人くらい

 椎木さんの友だちは、ほぼ100%がスマホユーザーで、「ガラケー(フィーチャーフォン)は50人中2人くらいしかいない」そうだ。特に、2012〜2013年にかけて、友だちがスマートフォンに替え始めたそうだ。

 女子高生はスマホをどう活用しているのか。「スマホには引力があるんだと思います」という言葉が印象的だったが、「暇つぶしというか、何かをするためでなく、ただ日常的にスマホに触れている人が多い」(椎木さん)という。このあたりの感覚は筆者も分かるが、例えば「ドラクエをする」「電子書籍を読む」といった明確な目的を持ってスマホに触れている人は、女子高生には少ないのかもしれない。「触らなくてもいいけど、触らないとソワソワする。依存というほどでもないけど……。私もそんな感じです(笑)」(椎木さん)

 男子高校生は、「パズドラ(パズル&ドラゴンズ)」をはじめとするゲームに夢中になっている人が多いそうだが、「私たちはあまり……」と椎木さん。「パズドラは、やり方があまり分からなくて。男子はすごいやっていますよ。中学のときは、後ろの席の男子はみんなやっていました。授業中に『やったー!』とか叫んで先生に怒られたりしていました(笑)」

キャリアメールを使ったことがない人もいる

 椎木さんも含め、周りで最も使われているスマートフォンのアプリは、やはりというか何というか「LINE」で、友人たちとの連絡手段にはもっぱら使われている。一昔前までは「キャリアメール」が連絡手段の主流だったが、椎木さん世代の10代は「キャリアメールを使ったことのない人が多い」そうだ。椎木さんも仕事ではキャリアメールを使うが、「仕事をしていなかったら使っていないでしょうね」と話す。

 「グループチャットは普通に使っている」そうで、椎木さんはなんと54個ものグループに属している。54個も? と驚いたところ、さらっと「普通ですよ」との反応。「学校の中でも、例えばクラスで違うグループに分かれていたり、中学が同じクラスの人だったり、『いつメン(いつものメンバー:いつも一緒にいる友人たち)』だったり……」とさまざまだ。

 椎木さんはLINEでは309人とつながっていて、やり取りするメッセージは1日15通ほどだそう。「そりゃ女子高生起業家だったら、たくさんの人とつながっているでしょう」と思ったが、仕事関係でつながっている人はLINEにほとんどおらず、小中高で一緒だった友だちが多いそうだ。309人も大した数だが、「これでも絞った方です」だそうで。

LINEを使う一番の理由は「既読」機能

 LINEが人気なのは、フキダシ型で会話の流れが見やすいこと、画像をスムーズに送れること、リアルタイムでメッセージをやり取りできることなど。これだけならキャリアメールと大差はないが、椎木さんがLINEを使う理由で「一番大きい」と言うのが「既読」機能だ。LINEでは、送信したメッセージを相手が開くと、メッセージのフキダシの横に「既読」という文字が付き、相手が自分のメッセージを読んだかどうかが一目で分かる。やはり「相手が読んだか」はとても気になるようで、「LINEに既読機能がなかったら、それほど使っていないと思います」(椎木さん)と言うほどだ。

 便利な既読機能だが、新たに「既読スルー」という問題も生んだ。既読スルーとは、相手がメッセージを読んだのにもかかわらず、返信が来ないことを指すもので、「KS」などとも呼ばれる(厳密に言えば「KT」だろうが……)。この既読スルーが原因でLINE仲間とトラブルになるといった話もちらほら聞く。ただ椎木さんの周りでは、既読スルーで仲が悪くなるほどの事態になったことはないようだ。

 「質問に無視されたら『あれ?』と思いますけど、『うん』という軽い返事やスタンプだけのメッセージなら、『これは返さなくていいだろう』という感じになります。話の流れによりますね」(椎木さん)

 一方で、この「あれ?」というわずかな出来事が積み重なると、ドロドロした人間関係になってしまう危険性はありそうだ。

有料スタンプよりも食事や洋服が大事

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 LINEといえばスタンプのイメージが強いが、椎木さんの周りでは、意外にも有料スタンプを購入している人はあまりいないそうだ。社会人ともなると、懐かしのキャラクターや好きなマンガのキャラクターがスタンプで配信されていると、ノリで買ってしまうこともあるだろうが、自由に使えるお金が少ない高校生は、事情が違うようだ。また、アプリも基本的にすべて無料のものを使っている。

 「例えば、洋服や食べ物に400円出すのと、アプリやスタンプに400円出すのでは価値が違うと思っている人が多い」と椎木さんは話す。多くの女子高生にとっては、スタンプやアプリよりも、洋服や食べ物の方が価値が高いようだ。「スタンプは90円くらいでも悩みますし、周りではそういう人がほとんどです。1つや2つ、気に入ったスタンプを買うことはありますけど、『スタンプを買いすぎちゃった』と言っている人はいないですね」

 キャリアの音声回線を用いる電話は、椎木さんの場合、父親や母親とすることは多いが、友だちとはLINEで通話をしているそうだ。「(LINEの通話は)外出先だと途切れてしまうことが多いですが、通話料がかかるよりはマシかな」と割り切っている。

Facebookは冷めてしまった

 Facebookは「1〜2年前の中学時代の方が盛り上がっていましたけど、今は冷めちゃいました」と椎木さん。その理由は「あの子、写真アップしすぎじゃない?」「リア充自慢ウザい」など、陰口をたたかれるのに嫌気がさしてしまったからだそうだ。

 Twitterはコミュニケーションというよりは、情報収集で活用している人が多い。学校のリア友(リアルの友だち)用のアカウントとは別に、好きな芸能人だけをフォローする趣味用のアカウントを活用して、同じ趣味仲間と情報交換をする人もいるそうだ。

 ちなみにmixiについては「かけ離れている世代」と言い、椎木さんは一度も使ったことがないそうだ。

 「カメラロールに6000〜7000枚くらい写真があるのは当たり前」と椎木さんが話すように、「カメラ」も使用頻度の高い機能だ。画像加工系のアプリも人気を集めており、椎木さんは「DECOPIC」「LINEカメラ」「プリ画像」を活用している。

断トツでiPhoneユーザーが多い

 使用しているスマートフォンは、「断トツでiPhoneが多いです」と椎木さんは言い切る。2013年第4四半期の日本におけるスマートフォンのシェアはiOSが68.7%となるなど、日本でもiPhoneの比率は高いが、椎木さんの周りでは、iPhoneとその他(Android)の比率は9:1ほどまで広がっているそうだ。「Xperia」や「GALAXY S」といったAndroidの有名ブランド名を出しても「知らない人が多い」というほどAndroidは認知されていない。

 iPhoneがここまで人気を得ているのは「なんか格好いいから」(椎木さん)というほかに、「カバーが豊富なのが一番大きいかもしれません」と話す。椎木さんの周りでiPhoneを裸で使っている人はいないそうで、皆、個性を出すべくカバーを装着しているという。ケータイ時代は、ストラップを付けたり、端末にシールやプリクラを貼ったりする若者が多かったが、スマホ時代では、それがケースに取って代わったのだろう。

 人気のカバーは「自分が好きなキャラクターや、デザインがいいもの、落としたくないからブックスタイルのものにしている人もいる」などさまざま。1つのカバーを長く使うよりも、「3カ月に1回変えている」という人が多いそうだ。椎木さんも「今は半年に1回くらいのペースに落ち着いていますけど、1日おきにカバーを変えていたこともありました」と話す。

photophoto椎木さんが使用しているiPhoneケース

 「2000円くらいが多い」(椎木さん)というカバーの価格も、高校生にとってはそれなりの額だが、彼女たちにとっては、アプリやスタンプよりも、オシャレを演出できるカバーの方が、お金を出す価値があるのだろう。


 使用機種はiPhoneで、ケースは欠かせない。連絡手段はもっぱらLINE。よく使う機能はカメラで、撮った写真は無料アプリでデコっている。有料アプリやスタンプは滅多に買わない——。椎木さんの取材からは、そんな女子高生のスマホユーザー像が浮かんできたが、コミュニケーションとファッションの重要なアイテムになるという本質的なところは、ケータイもスマホもそれほど変わらないのかもしれない。

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第18回 思わず笑いがこみ上げる「超軽」ボディ、第2世代「LaVie Z」の魅力を再確認

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持った瞬間、笑いがこみあげる「スペシャルな軽さ」

photo導入した「LaVie GタイプZ(IGZOモデル)」。直販サイト「NEC Direct」価格は13万4820円からと、店頭モデルより低価格。さらにOSのエディション(8.1 Pro)、CPU(Core i5/Core i7)、SSD容量(最大256Gバイト)、Microsoft Officeの有無とエディションが選べる構成カスタマイズにも対応する。例えば筆者は上位構成としながらOfficeはパッケージ版を所持しているので不要とすることで、同構成の店頭モデルより少し安い価格帯で導入できた

 うーん。改めてほれぼれする軽さである。

 NECパーソナルコンピュータ「LaVie Z(Webモデル:LaVie G タイプZ)」の魅力は何よりその超軽量ボディが最大の魅力。モバイル機器を選ぶポイントに「(仕事に使える仕様で)可能な限り軽量に」を求める人にジャストフィットする仕様のマシンだ。

 2年前に同じテーマで導入した約1.3キロの旧マシンを思い出しつつ、Webカスタマイズモデル「LaVie G タイプZ(IGZOモデル)」で何が変わるか、どこが便利になるか、どこが決め手になったかをチェックしていこう。

 LaVie Z/LaVie GタイプZシリーズ(第1世代)がデビューしたのは2012年7月。13.3型サイズでは当時最軽量だった875グラムという軽量さが、大いに話題を呼んだのは記憶に新しい。当時、筆者は他のモバイルノートPCを購入したばかりで、あと半年待てば……と悔しい思いをしたものだ。

 そんなことを経て待望の第2世代である。第2世代のLaVie Zは従来モデルより“さらに軽量”となった795グラムのボディと、“2560×1440ドット”表示対応の高精細液晶ディスプレイを備えて第2世代に生まれ変わった。

 なにより795グラムのその軽さにシビれる。そもそも当時極限まで軽量化を図った第1世代より80グラムも軽くなったが、これはもはやノートPCでなく、タブレットと比較したほうがよさそうなほどだ。もちろん13.3型サイズのモバイルノートPCでは世界最軽量(2013年10月時点、NEC調べ)である。ちなみにタッチ対応ディスプレイ+長時間バッテリーを内蔵する追加モデル「LaVie Z(LZ650/NS)、およびLaVie GタイプZ(タッチモデル)」も約964グラムと、タッチ対応13.3型サイズのUltrabookとしてこちらも世界最軽量をうたう。今回の紹介では省略するが、タッチパネル+より長時間動作を望むならこのタッチモデルを選択肢の1つに加えてほしい。

 ともあれ、実際に手にするとこれまでのPCとのあまりの違いに……思わず笑いがこみ上げる。中身が空っぽなのでは疑いたくなるほどの軽さで、この心地よい感覚は導入後約1カ月が経過した現在もほとんど衰えない。手にするたびに「うん。いいね」とニンマリできるスペシャル感が得られるだけでもウン万円の価値がある。実際、バッグへ入れて持ち出しても「疲労感」が大きく軽減され、肩こりもいくらかマシになった気がする。いや、肩こりは別の要因もあるだろうが、そう思えることこそがナントカシーボ効果で実際に気にならなくなったりするものだ。

 軽さを表現するため、機器の端を持って手にするという撮影を行う機会がよくある。ただ、数百グラム単位の物体となると、多くの場合そのように持てるのはほんの数十秒ほどだ。それ以降はガマンの領域に入り、よほど屈強な人でない限りどうしても手がプルプル震えてきてしまう(近くに適当なノートPCがある人は試しに持ってみてほしい)。ところがこの新LaVie Z(IGZOモデル)はどうだ。手にした感覚は10型クラスのタブレットと同様で、少し無理すれば指2本でもひょいと持ち上げることができてしまう。

photophotoこのようにひょいと持てる。やろうと思えば1、2分ほどはキープできる。これまでの13.3型クラスのノートPCでは難しい持ち方である(写真=左) 厚さも14.9ミリでフラット。比べてみたらちょうどフリクションボールペン(クリップ部含む)と同じくらいだった。フラットでスリム、過度な凹凸や装飾もないので、スリムなビジネスバッグにもスッと入れやすい

 LaVie Zは(流行している変形/分離して、タブレットとしても使える2in1スタイルではない)一般的なクラムシェルスタイルのノートPC。かつ突出したポイントを追求する半面、一部に割り切った機能も存在する、どちらかというとストイックな仕様のPCだ。ただ、「軽量」のポイントはハイクラス層はもちろん、ビジネス層、はたまたそれ以外──一般層や女性層にもグッと響く、極めて万能に訴求できる特長と改めて思える。

ビジネスにもプライベートにも──つや消しブラックの「シンプルデザイン」

photo第2世代LaVie Zで採用された新色の「ストームブラック」。プレーン/ソリッドな印象で、ビジネスシーンに違和感なく導入できる。皮脂や指紋の付着が目立たないマット塗装であるのも良好ポイントだ

 NECはこの「究極の軽さ」を実現するため、新素材“マグネシウムリチウム合金”の採用、内部レイアウト、パーツ選定、構造、ネジ類に至るまで、さまざまな工夫を盛りこんだ。匠のワザの結晶と感じられる部分もよいが、実際、ユーザーとして実際に手にしてみて感心したこと、それは驚くほど軽いのに「まったく貧弱に見えない」ことだ。

 こちらは、物理的にボディがしっかり/カッチリで、不安なく使えるよう強度が確保されているのはもちろんだが、見た目からもしっかりとして見える。例えば第2世代で追加された新色「ストームブラック」のつや消しブラックを施したカラーリングとボディデザインは、余計な装飾がなく、上面/下面ともにフラットな面で構成されている。安っぽさや弱々しさがない、ビシッと金属の板のような印象となるよう工夫した、ソリッドでシンプルながらも、とてもよく考えられたデザインだ。

 こちらは、ふかんして見た“しっかり感”を与えているからこそ、手にして「うぉ、こんなに軽いのか?」と、驚きがより増す効果があるようだ。特にわずかにざらりとした触感が筆者のお気に入り。指紋や皮脂が付着しにくいだけでなく、ほどよいグリップ感があり、かつ固く、高級そうに見えるのがいい。

NEC Direct(NECダイレクト)
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中国国産OS「COS」、マイクロソフトとグーグルに打撃か

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 中国科学院ソフトウェア研究所と上海のLiantong Network Communications Technologyは2014年1月、共同で国産OS「COS(China Operating System)」を開発したことを発表した。スマートフォンやタブレット端末、テレビ向けセットトップボックス、PCなどに向けるという。このCOSは、世界に大きな影響を与える可能性がある。

 どの機器メーカーや通信事業者がこのCOSをサポートする予定なのかについては、さまざまな臆測が飛び交っている。一部のアナリストからは、有力な候補として、HuaweiやHTC、MediaTek、Lenovo、ZTEなどの名前が挙がっている。かつてMIPS Technologies(Imagination Technologiesが2012年に買収)の経営幹部を務め、現在は米国ワシントン州シアトルで独立コンサルタントを営むRobert Bismuth氏は、「2013年春に開催されたCOSアーキテクチャ関連のミーティングにおいて、約30社のメーカーがCOS導入に意欲を見せていた」と述べている。

 さらに同氏は、「中国政府の国内に対する影響力は強大なため、携帯電話通信事業者は好意的な反応を示さざるを得ないだろう。中国政府としては、同国の宇宙開発計画と同様に、今回の中国産OSによって国家としてのアイデンティティを確立していきたい考えだ。中国国民にとっては、COSを使わない理由がない」と述べる。

既にCOSを採用しているスマホ機種も

mm140205_cos_1.jpgCOSの採用を正式に発表した携帯電話通信事業者や機器メーカーは、現時点ではないようだ

 今のところ、COSの採用を正式に発表した携帯電話通信事業者や機器メーカーは1社もないようだ。しかし、The New York Timesが掲載した記事によると、Liantong Network CommunicationsのChen Feili氏が、「既に4機種のスマートフォンでCOSが採用されている」と発表しているという。Bismuth氏は、「中国の通信事業者にとっては、COSを採用する他に選択の余地はない」と指摘する。

 米国の市場調査会社であるTirias Researchで主席アナリストを務めるJim McGregor氏は、「どのメーカーが最初にCOSを導入するのかを判断することは難しい。しかしあえて言うなら、比較的規模の大きいスマートフォンメーカーではないだろうか。自社の製品ラインの中の1つでCOSを採用してみてから、投資する価値があるかどうかを判断できると考えられるためだ」と述べている。

 HuaweiやMediaTekなどの他のメーカーは、コメントを避けている。ARMの関係者は、「現時点ではまだコメントできない」としている他、Imagination Technologiesの関係者は、「当社にとって中国は、膨大な数の消費者が存在する市場だ。COSの動向については、当然高い関心を持っている」と述べるにとどまっている。またHTCは、発表した声明の中で、「既存のOSパートナー企業との協業関係を維持することに注力していきたい。その他のOSに関する臆測についてコメントすることはできない」と述べている。

 McGregor氏によると、「HTCに対する臆測は、『Butterfly』プラットフォームに関する情報が流れ出たことと、COSのユーザーインタフェースがHTCのものとよく似ていることが根拠になっている。しかし、正式にCOSのサポートを表明した機器メーカーはまだ1社もない。実際にCOSを搭載する製品を投入できる段階になってから、COSへの対応を発表するのだろう」と述べている。

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過半数の半導体企業は「窮地に陥るリスクを抱えている」

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 ビジネス・アドバイザリー企業のアリックスパートナーズは2014年2月4日、世界の半導体業界の2014年見通しに関する調査結果を発表した。調査結果によると、上場している半導体チップおよび半導体関連企業191社のうち、半数以上(53%)が財務面で窮地に陥るリスクを抱えている、との見方を示した。また、半導体業界はインテルやクアルコム、TSMCなど半導体売上高の「上位5社」と「それ以外」に2極化しているが、研究開発費の増大などから企業の収益力は低下しており、「大手5社といえども安泰ではない」と同社は警鐘を鳴らす。

業績は「上位5社」と「その他」に2極化

 アリックスパートナーズは、ファブレスを含む半導体チップ企業、ファウンダリ企業、製造装置企業、パッケージ組み立て・検査企業、半導体材料/電子部品企業など、半導体産業に関連する上場企業191社を対象に、2012年10月〜2013年9月まで12カ月間の業績を調査した。対象企業の中には太陽光発電用のデバイスや材料、製造装置企業は含まれているものの、サムスン電子や東芝、富士通、パナソニックなどの総合電機メーカー、およびキヤノン、ニコンといった企業の半導体関連部門の数値は含まれていない、という。

 調査によると、期間中の191社の総売上高は4070億米ドルとなり、前年同期に比べ0.7%の増加となった。EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息および減価償却費を加算した値)は960億米ドルで、同8.9%の増加である。こうした中で、売り上げ上位5社(インテル、クアルコム、TSMC、テキサス・インスツルメンツおよびSKハイニックス)を合計した売上高は、191社総計の約3割を占めることが分かった。また、上位5社のEBITDAは500億米ドルで、総計の半分以上(52%)となる。さらに、上位5社の平均売上高EBITDA比率は41%で、それ以外の186社平均(16%)に比べて約2.5倍と高い。つまり、半導体業界も「上位5社」と「その他」の企業に2極化が進んだ、という。

「大手5社といえども安泰ではない」

tm_140204alix01.jpgアリックスパートナーズでディレクタ・エグゼクティブアドバイザを務める小野寺寛氏

 しかし、アリックスパートナーズでディレクタ・エグゼクティブアドバイザを務める小野寺寛氏は、「大手5社といえども安泰ではない」と指摘する。その理由として、販売費/一般管理費(SG&A)や研究開発費(R&A)といったオーバーヘッドコストの上昇を挙げた。調査によれば、2010年から2013年9月までの間に、SG&AとR&Aの合計支出が平均で34.8%増加している。逆にROCE(投下資本利益率)の平均値は、同じ期間に26%から17%へ9ポイントも低下している。「ムーアの法則が成立しなくなりつつあり、研究開発の不確実性が高まっている」からだ。

 その他186社の中で、売上高EBITDA比率が10%以下の企業が81社あることが分かった。これらの企業は「今後、キャッシュフロー問題を引き起こすことが予想される状況にある」(小野寺氏)と話す。特に、業界内の約53%の企業が財務的に困難な状況に陥るリスクを抱え、さらに、32%の企業は「高いリスク」に直面している、という。

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「Venue 11 Pro」――Core i5搭載でSurface Pro 2より安いWindowsタブレットを試す

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ココが「○」
・AtomからCore i5まで選べるCPU
・バッテリー交換可能な保守性の高さ
・別売のキーボードやペン入力に対応
ココが「×」
・タブレットとしては比較的厚くて重い
・Core i搭載機なので冷却ファン内蔵
・Core i搭載機では抑えめの性能

はじめに:守備範囲の広い10.8型Windowsタブレット

tm_1402_venue11_01.jpgデルの10.8型Windowsタブレット「Venue 11 Pro」

 デルの「Venue 11 Pro」は、10.8型フルHD液晶ディスプレイを搭載したWindows 8.1タブレットだ。幅広いCPUの選択肢を用意しているのが特徴で、厚さ10.2ミリのAtom Z(開発コード名:Bay Trail-T)搭載モデル、厚さ15.4ミリの第4世代Core i3/i5(開発コード名:Haswell)搭載モデルから選択できる。

 今回は国内販売モデルの最上位に近いハードウェア構成の米国版を入手した。基本スペックは、CPUがCore i5-4300Y(1.6GHz/最大2.3GHz)、メモリが4Gバイト(DDR3 1600MHz/デュアルチャンネル)、ストレージが128GバイトSSD(Serial ATA)で、タブレットとしてはハイパフォーマンス志向の内容だ。フルサイズのUSB 3.0ポートを搭載し、交換可能なバッテリーを採用するなど、法人ユースでの拡張性と保守性にも注力している。一方、10〜11型クラスのタブレットとしては、ボディが比較的厚くて重い。

 液晶ディスプレイの画面サイズは10.8型ワイドで、フルHD(1920×1080ドット)表示に対応し、画素密度は約204ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)だ。最近の製品では特筆するほどの画素密度ではないが、それでもWindowsタブレットとしては高精細な部類に入る。実際、Windows 8.1の表示は精細に感じられる。

 専用アクセサリが充実している点も大きな特徴だ。キーボードは、本体と合体してクラムシェルノートPCのように使えるバッテリー内蔵の「キーボード−モバイル」、画面カバーを兼ねる薄型軽量の「キーボード−スリム」と2種類を用意しており、好みにあった使い方ができる。さらにUSB 3.0やDisplayPort、有線LANなど充実した端子類を備える「ドッキングステーション」、筆圧対応ペンの「アクティブスタイラス」(シナプティクス製)、Micro SIMスロット(3G/HSPA+対応SIMロックフリー)のオプションも提供する。

 これらを使うことで、Ultrabook(ノートPC)やデスクトップPCのように使えることから、同社では1台3役の“3in1”タブレットとしてアピールしている。特に、従来型PCとの高い互換性が魅力のWindows 8.1タブレットとして、キーボードは必須アイテムといえるだけに、タイプの異なる2種類の専用オプションは大きなアドバンテージだ。

ボディと製品概要:工具なしでバッテリー、SSD、無線LANにアクセス可能

tm_1402_venue11_02.jpgtm_1402_venue11_03.jpgエッジに丸みをもたせたタブレットとしてオーソドックスなフォルムだ。画面サイズは10.8型ワイドで、フルHD(1920×1080ドット)表示に対応する(写真=左)。明るく視野角が広いため、見た目の印象は良好だ。10点対応のタッチパネルを搭載するほか、別売のアクティブスタイラスによるペン入力にも対応する。中央に「DELL」のロゴを据えたシンプルな背面カバー(写真=右)。ラバー風のしっとりとした塗装がされている。背面の左上にはNFCを内蔵。カメラは2基を搭載し、インカメラが約200万画素、アウトカメラが約800万画素だ
tm_1402_venue11_04.jpgtm_1402_venue11_05.jpg上面には放熱用の通風口を備えているが、すぐにはそれと分からないようデザインが工夫されている(写真=左)。下面にはキーボードやドッキングステーションなどと接続するための端子、およびガイドがある(写真=右)
tm_1402_venue11_06.jpgtm_1402_venue11_07.jpg左側面には、ヘッドフォン/マイク兼用端子、音量調整ボタン、左スピーカー、フルサイズのUSB 3.0がある(写真=左)。右側面は、電源ボタン、右スピーカー、盗難防止ロック用ポート(Noble Seculity用)、SDXC対応microSDメモリーカードスロット、Micro USB(充電専用/ACアダプタを接続)、Mini HDMI出力が並ぶ(写真=右)。音質面では音響技術ソフトウェア「WAVE Maxx Audio 3」を導入している。クリアで悪くない音だが、標準の設定では低音などが弱めで、あくまでもタブレットなりという感想だ
tm_1402_venue11_08.jpgtm_1402_venue11_09.jpg背面のカバーはツメで固定されており、全体が外れる仕組み(写真=左)。カートリッジタイプのバッテリーは簡単に交換できる。バッテリー容量は36ワットアワーで、約10時間駆動をうたう。ACアダプタはプラグ一体型で55(幅)×79(奥行き)×28(高さ)ミリと薄型のコンパクトサイズで、プラグを収納できる。重さは89グラム、本体に接続するUSBケーブル込みで114グラムだ(いずれも実測値)。背面カバーを外すと、ユーザーによる交換はメーカー保証対象外となるが、SSDや無線LANモジュールにもアクセスできる(写真=右)。評価機が搭載する128GバイトSSDはSanDisk「SD6SP1M128G1012」、IEEE802.11a/b/g/nの無線LANモジュールはIntel「DualBand Wireless-N 7260」だった(いずれもM.2タイプ)。Bluetooth 4.0+HSも搭載する

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Google「おみせフォト」はフツーの一眼レフで撮っている

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 Googleが提供している、レストランなどの店内を360度見渡すように確認できる「おみせフォト」。アイティメディア社内も一部が公開されています(ねとらぼ編集部のオフィスがGoogleストリートビューに登場 360度ぐるっと公開中です!)

 おみせフォトのサービスは2010年5月に開始され、当初はGoogleのスタッフが撮影をしていましたが、2012年5月からは撮影を行う「認定パートナー」の募集を開始し、掲載件数の増加スピードを速めています。今回はレストランでのおみせフォト撮影にお邪魔し、どんな機材でどのように撮影しているのかを見てきました。

photo広尾のピッツェリア「Sole & Luna」

 おみせフォトの撮影にお邪魔したのは、広尾のピッツェリア「Sole & Luna」。“野菜を食べる”ピッツアが人気のお店です。収容人数は30人ほどと大規模なお店ではありませんが、テラス席もあり、開放的な雰囲気が特徴です。

 おみせフォトの撮影は、Googleストリートビューの撮影を行ういわゆる“Googleカー”のような特殊な機材を用いず、一般的な一眼レフで行います。今回はキヤノン「EOS Kiss X5」とシグマ「8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYE」の組み合わせでした。特殊な機材ではなく一般的な機材を使う理由は入手性。おみせフォトは全世界で展開するサービスなので、撮影機材の入手性を重視した結果だそうです。

photophotoキヤノン「EOS Kiss X5」とシグマ「8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYE」の組み合わせ 撮影には三脚とレリーズ(リモコン)が欠かせない

 アイティメディア社内を撮影したカメラマンさんは「EOS 7D」をボディとして利用していました。機材については“これだけ”と限定されているわけではなく、Googleが用意する「利用可能機材リスト」から選択すればよいとのことでした。

 この魚眼レンズ装着カメラを三脚に固定、1カ所につきカメラの向きを回転させながら360度をカバーするために4カット撮影します。撮影自体は特殊なことはなく、強いていえば必ずレリーズを使うこと、縦位置で撮影することぐらいでしょうか。お店フォト撮影用の細かな設定などは教えて頂けませんでしたが、シャッター音からすると、ブラケット(露出ブラケット)撮影をしているようでした。

photophoto

 撮影を担当したアリスキャリアサービスの中島さんによれば、5〜6歩に1ポイントの割合で撮影していくとのことで、通常は1時間ほどの作業時間を確保するそうです。ただ、美容院など大きな鏡のあるお店、個室居酒屋のように間仕切りの多いお店、入り組んだ間取りになっているお店では撮影に時間がかかることもあるそうです。今回のお店は店内のスペースがほぼ真四角でしたので、拍子抜けするほどの早さで撮影は終了しました。

photophoto

 お店フォトはGoogleが提供する他サービスとの連携が図られているのも特徴で、今回の例でいえば「Sole & Luna」とGoogleで検索すると、検索画面右から「おみせフォト」へのリンクをたどれるほか、Googleマップでは店の前に来たときに現れる「>>」をクリックすれば店内の様子を確認できるようになっています。

photoGoogleで「Sole & Luna」を検索した結果

 おみせフォトは実際の撮影を担当する認定パートナーの存在もあり、現在世界で10万件以上、国内でもすでに数万件が公開されており、その数は増え続けています。今回の撮影を担当したアリスキャリアサービスの河原塚氏(おみせフォト事業部 営業担当マネージャー)は「月100件」を目標にしているといいます。

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ソニー、国内ファンドにPC事業売却の一部報道にコメント

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 ソニーは2月5日、VAIOブランドで展開する国内PC事業について、投資ファンドの日本産業パートナーズと新会社設立の方向で交渉中、事実上の売却とする2月4日〜5日の一部報道にコメントした。

 この件に対してソニーは「当社の発表によるものではありません。これまでお知らせしている通り、当社はPC事業についてさまざまな選択肢を検討していますが、これ以上のコメントは差し控えます」と発表している。2月1日にソニーは、PCの海外事業でLenovoと合弁会社を設立する交渉に入ったとする一部報道を否定していた。

 日本産業パートナーズは、NECが1月30日に子会社のNECビッグローブを売却したと発表した国内投資ファンド。みずほ証券などが事業再生を目的に設立した。

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DeNAの今期、営業益3割減に Mobageの内製・協業タイトル低迷

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 ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月5日、2014年3月期通期の業績(IFRS)は、営業利益が前期比31.0%減の530億円となる見通しだと発表した。国内「Mobage」でのソーシャルゲーム利用が、利益率の高い内製・協業タイトルを中心に低迷したことが主因。

 売上高は前期比9.8%減の1826億円、最終利益は30.9%減の315億円と予想。年間配当予想は1株当たり37円(前期実績は50円)。

 同日発表した4〜12月期連結決算は、売上高が前年同期比5.8%減の1415億円、営業利益が25.8%減の435億円、最終利益が21.2%減の270億円。

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