ソフトバンク傘下のイー・アクセスとウィルコムは12月3日、両社の合併を発表した。イー・アクセスが存続会社としてウィルコムを吸収合併し、新会社として2014年4月にスタートする。
新会社はイー・アクセスの無線通信事業と固定通信事業、ウィルコムのPHS事業を引き継ぎ、市場拡大が見込まれるスマートフォン市場に注力する。9月末時点の契約者数はイー・アクセスが約440万人件、ウィルコムが約570万件で、合併後のユーザー規模は約1000万件になる。
社名やブランド名の存続については未定で、“イー・アクセス”や“イー・モバイル”、“ウィルコム”といった名前が消える可能性もある。新会社の社長には現イー・アクセス代表取締役社長のエリック・ガン氏が、また副社長には現ウィルコム執行役員で営業統括マーケティング本部長の寺尾洋幸氏が就任する予定。そのほかの経営体制についても未定となっている。
ウィルコムは2010年2月に会社更生法の適用を申請して事実上の経営破綻に陥り、同年8月にソフトバンクの支援を受けて再建を開始。ソフトバンクがウィルコムの全株式を取得した後、2013年7月の再建完了後に完全子会社に移行した。
またイー・アクセスは、2012年10月に株式交換でソフトバンクの完全子会社になると同時に、ソフトバンクモバイルとの業務提携を発表。その後、ソフトバンクがイー・アクセス株を他社に譲渡するなどして持分法適用会社となっていた。
2社は2013年1月からキャリアショップの「イー・モバイルショップ」「ウィルコムプラザ」で相互の製品・サービスの販売を行なっており、経営資源のさらなる活用を目指して合併する。両社は12月3日、合併に関する基本合意書を締結。今後は2014年1月をめどに合併契約を結び、2月に行なわれる両社の臨時株主総会を経て2014年4月に正式に合併する予定。
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