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「制度を堂々と活用する」──DeNA創業者・南場智子さんが若手女性社員に伝える「3つのポイント」

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photo南場智子さん

 ディー・エヌ・エー(DeNA)が11月22日、若手女性社員向けのキャリアプランについて考えるイベント「DeNA Women’s Night」を開催した。同社創業者の南場智子取締役が自身の経験を踏まえ、「会社はみなさんの選択肢を狭めないためのサポートに全力で取り組む」と女性たちにエールを送った。

 昨年11月に発足した「DeNA Women’s Council」の活動の一環として開催されたワークショップ。10月時点で同社の女性社員の平均年齢は31.6歳と、出産をきっかけに働き方の変化を迫られる社員が増えており、制度だけでないサポートの必要を感じたためというという。

 現在産休・育休中の社員は現在18人、育児理由による時短勤務社員は19人で、来年には30人以上に増える見通しだ。「全女性社員の2割近くが何らかの制度を利用している現状。いざ自分の番、となる前の段階から不安や疑問を解消できればと思った」(ヒューマンリソース本部グローバルHR室 渡辺真理さん)

photo軽食やお菓子を食べながら和気あいあいとした雰囲気。南場さん(中央手前右)も“子育てママ社員”の話に耳を傾けた

 金曜夜の開催だったが、参加した女性社員は66人。南場さんの講演や、人事制度の説明、育休や産休を実際に経験した先輩社員によるパネルディスカッションなど、活発に意見交換が交わされた。

 南場さんは「もしかしてうちの会社、働きにくいって思われてる? どういうところが?」と参加者に軽快に声をかけながら、自身の経験を踏まえて女性のキャリア形成や仕事と家庭の両立について話した。

3つのポイント

 女性を優遇したり組織の中での女性率を定めるのではなく「完全なる平等主義」であるために、実力を発揮するための制度と、制度を使いやすい環境を整えていくとした。「ユーザーにサービスを提供する企業である以上、あらゆる点で多様性を追求していくべきで、男女という軸はあくまでその1つ。そういう意味で女性社員率16%はまだ少ない」(南場さん)

 「私はとにかく立派なビジネスパーソンになりたくてがむしゃらに働いて努力した“ガルル型”。逆に、出産を考えることには真正面から取り組まなかったので、子どものいない人生を歩むことになったし、それで得たものも失ったものもあると思う。会社はみなさんの選択肢を狭めないためのサポートに全力で取り組むので、それぞれの人生を切り開いてほしい」と前置きしながら、若手女性社員に伝えたいこととして3つのポイントをあげた。

  • 仕事がうまくいかない時、理由を「女だから」に求めない──まずは自分のやり方や考え方など自力で変えられる部分を見直してみること。男女問わず尊敬できるビジネスパーソンに多く会ってきたが、その姿勢に性差はなかった。
  • 制度を堂々と活用する──仕事に穴をあけてしまう不安があるのは、優秀なみなさんだからこそ。萎縮せずに正当な権利として堂々と活用しつつ、少なからず周りにストレスをかけていることは意識して感謝する気持ちを忘れずにいてほしい。復帰後は経験をもとに、後輩が同じ立場になった時にお返しとして積極的にサポートしてくれればうれしい。
  • 人や自分よりも、コトに向かう──前線に立つことだけが正解ではないし、人に仕事を任せられるのも大事な能力。自分の立場や成長だけを考えすぎずに、チームとして一番いい結果が出すことを考えるきっかけになるはず。少し引いた立場から自分の向上心をあえて抑えて、チームを俯瞰する経験をしてもらいたい。

 創業以来、結婚や出産が理由で退職した社員は「1人もいない」という同社。南場さんは「社員の家族の話を聞いて愛おしさに涙が出そうになった。出産や育児に限らず、病気や介護など何らかの事情を抱えている人は少なくないと思う。大事な何かを家庭に置きつつ、一生懸命に働いてくれている社員に改めて感謝したい。今日の話、あとで守安(社長)にも聞かせなくちゃ」と話した。

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