「コレがバカスカ売れたら、この業界大丈夫! ……なんですけどね」
先週の新製品で最も目立っていたのは、ASUSTeKのX79マザーボード「RAMPAGE IV BLACK EDITION」だ。同社のゲーミング&オーバークロックブランド「R.O.G.」の中でも最上位にあるモデルで、基板がほぼ黒一色で統一されてる。価格は5万7000円弱から6万円強の間で、アキバ全体で品薄になっている。
RAMPAGE IV BLACK EDITIONは、独自の電源安定化回路「Extreme Engine Digi+ III」をCPU用8+VCCSA用3+メモリ用4フェーズ搭載し、OC操作向けコントローラ「OC Panel」を付属するなど、Ivy Bridge-Eのオーバークロックに最適なデザインとなっている。液体窒素による冷却にも対応し、ゲーム向けのオーディオ機能「SupremeFX Black」を備えるなど、付加機能も多彩。そのほか、最大40レーンで使える4基のPCI Express x16スロットや、DDR3-2800まで対応する8基のDDR3スロットを用意する。フォームファクタはE-ATXだ。
ハイエンド志向のX79マザーの中でも最強クラスの仕様で、週末に売り切れるショップが複数出るなど、売れ行きもまずまず順調な様子。TSUKUMO eX.は「R.O.G.のBLACK EDITIONは2年半前の『RAMPAGE III BLACK EDITION』以来なので、そこから買い換えるという人がいらっしゃいます」と話していた。
ただし、少し冷めた目で語るショップも少なくない。某ショップは「売り切れといっても入荷数が少ないという側面が強いですから。要は関心を寄せる人が減っているんですよ。オーバークロック自体のニーズが減衰していて、むしろ最近はクロックダウンやマシン自体のダウンサイジングを求める人のほうが目立っています」と語る。何やるにしてもオーバースペック気味に感じている人が増えているといった声は最近よく耳にする。
それでも、こうした尖った製品にかける期待は残っている。BUY MORE秋葉原本店は「11月は1年のなかでも一番お金がない時期なので、常連さんから『欲しいけど買えない』という声をチラホラ聞きます。そういう時期でもコレがバカスカ売れたら、この業界大丈夫って感じになるんですけど。世界的に好景気の波がちょっとずつ起きているのは感じまし、これからいい風が吹けばいいですね」と笑っていた。
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