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第2回 望遠レンズならではの「圧縮効果」で構図を引き締める

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【スナップ】

「スナップ」とは何でしょうか。辞書には「スナップショットの略。手早く写真を撮ること。その写真」(岩波国語辞典)とあります。手早く撮るといっても、安易にシャッターを押すだけでは面白いスナップ写真は生まれません。何らかの工夫やこだわりを持って、自分自身が楽しみながら面白いスナップ写真を撮る。そのコツを探っていきましょう。


集合体をいっそう高密度にしてとらえる

 望遠レンズと聞くと、運動会やスポーツ、野鳥、飛行機といった被写体を連想する人は多いはず。こうした用途では望遠レンズが欠かせないし、こうしたユーザーによって望遠レンズの需要が成り立っているともいえる。だが、望遠レンズの使い道はそれだけではない。もっと身近なものをスナップするためにも役立つし、旅行に持って行っても楽しめる。今回はそんな望遠レンズの、筆者流の使い方を紹介しよう。

 まず大切なのは、遠くにあるものを大きく写すために望遠レンズを使う、という従来の一般的な考え方をいったん忘れること。1つのものを大写しにするのは、その対象物の説明写真にはなるが、写真として面白くなるとは限らない。その代わりに心がけたいポイントは、2つ以上の被写体を狙い、その複数の被写体の距離感を縮めるために望遠レンズを使う、という発想だ。それが今回のテーマである望遠レンズによる「圧縮効果」である。

 下の2枚の写真は、先日訪れたバンコクでの1コマ。カラフルな車体がいかにも南の国らしいが、その1台の車にクローズアップするのではなく、全体をとらえつつ、望遠レンズならではの圧縮効果によって車と車の間隔を詰め、鮮やかな色彩が凝縮された密度の濃い構図を狙ってみた。バンコク名物の渋滞は、被写体としては結構楽しめる。

photo焦点距離:210ミリ  絞り優先AE(F8 1/500秒) ISO400 WB:晴天  カメラ:NEX-7
photo焦点距離:175ミリ  絞り優先AE(F8 1/400秒) ISO200 WB:晴天 カメラ:OM-D E-M5

 別の被写体でも圧縮効果を検証してみよう。下の2枚は、標準ズームの18ミリ側と望遠ズームの200ミリ側を使って、ポピーの花畑を同じ位置から撮影したもの。18ミリの写真は花の数がややまばらな印象を受けるのに対して、200ミリの写真では花と花との間隔が圧縮され、より濃密なイメージになっている。

photo焦点距離18ミリで撮影
photo焦点距離200ミリで撮影

 ちなみに、18ミリで撮った写真の画面の上端のほう見ると、遠景では花が圧縮されて写っていることが分かる。200ミリの写真は、この部分を切り取って撮影していることに相当する。なので、単純に焦点距離が長くなれば、圧縮効果が高くなるわけではない。正しくは、焦点距離が長いほど圧縮効果を生かした構図で撮りやすいということ。

 こうした一面に広がる花畑は、広角レンズを使って広々とした構図で撮るも悪くないが、花の数が少なくてスカスカに感じる場合には、望遠レンズを使って一部分を切り取る感覚でフレーミングすると画面が引き締まる。

また花に限らず、LEDのイルミネーションをさらに豪華にしたり、観客席などの群衆をいっそうにぎやかに見せるといった応用も可能だ。身近なシーンの中で、集合体として絵になるものを探してみるといいだろう。

photo焦点距離:300ミリ  絞り優先AE(F7.1 1/400秒) ISO400 WB:晴天 カメラ:OM-D E-M5
photo焦点距離:60ミリ  絞り優先AE(F8 1/240秒) ISO200 WB:晴天 カメラ:X-E1
photo焦点距離:225ミリ  絞り優先AE(F8 1/500秒) ISO100 WB:晴天 カメラ:EOS Kiss X3

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撮影 | カメラ | 写真 | デジカメ | コツ


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