北米で11月15日に発売され、24時間で販売100万台を突破した「プレイステーション 4」(PS4)。PS3から強化されたスペックなどに注目が集まる一方、実はユーザー向けマーケティングシステムも大幅に強化されている。システムを提供した米salesforce.comが「Dreamforce 2013」でその仕組みを紹介した。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がPS4の発売に当たって採用したのが、salesforce.comのオンラインマーケティングサービス「Salesforce ExactTarget Marketing Cloud」だ。このサービスは、メールやソーシャルメディア、Webサイトなど複数のチャネル上の顧客に関するデータを一元管理し、企業が顧客1人1人に合わせたマーケティング施策を行える機能を搭載。例えば、特定の商品やブランドに対して興味関心が強いユーザーを抽出し、気に入りそうなキャンペーン情報をメールやスマートフォンのプッシュ通知などで送ったりできる。
同サービスの技術・戦略担当社長を務めるスコット・マコーキ氏は、SCEはPS4のオンラインマーケティングにExactTarget Marketing Cloudを活用して「素晴らしい成果を上げている」と話す。
例えば、オンラインサービス「PSN」(PlayStation Network)などのデータに基づき、ユーザーがよくプレイしているゲームカテゴリを分析。レーシングゲームで多くのトロフィーを獲得しているユーザーに対し、感謝の言葉とともに未発売のレーシングゲームの事前予約クーポンメールを送ったりしているという。
また、スマートフォンの位置情報に基づくマーケティング施策も展開しているという。ある地域のヘビーユーザーが指定されたスポット(バス停など)に近づいた際に、プッシュ通知で「その近くにQRコードがあります」といったメッセージを配信。ユーザーはそのQRコードをスマホで読み取ることで、PS4に関するクーポンを受け取れる——といった具合だ。
「SCEはExactTarget Marketing Cloudを通じ、全国各地のユーザーがデジタルチャネルを通じて行っていることを全て把握できるようになった。これに基づき、適切なユーザーに対してメールやプッシュ通知、ソーシャルメディアなどさまざまな方法でアクションできる」とマコーキ氏は話す。
また、ビデオメッセージで登場したSCE欧州法人のダレン・カーター氏は「われわれの製品は世界中のユーザーとつながっているので、データソースがどこにあるかを考えなくてはならない。さまざまな情報がある中で、どうしたら顧客の体験をよりよいものにできるかずっと考えてきた。ExactTarget Marketing Cloudを使うことで、顧客にとって本当に意味がある形でデータを使えるようになった」と話している。
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