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カーナビからスマホの操作も可能――東芝情報システムが低遅延のMiracastソフト公開

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 東芝情報システムは2013年11月、スマートフォンの表示を、Wi-Fiを介してテレビやカーナビなどの大きな画面に映し出す「Miracast」(Wi-Fi Display)の機能を機器に組み込めるミドルウェア製品を発売し、「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展(ET2013)」(2013年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、同製品のデモを初公開した。少ない遅延時間で映像を表示できる他、カーナビなどスマホの映像を映し出している側の機器のUI(ユーザーインタフェース)を通じてスマホを操作できる「UIBC」に標準対応した。

 Miracastは、Wi-Fiアライアンスが策定した規格で、アクセスポイントを経由せずに無線LANを搭載しているデバイス同士で動画や写真などのコンテンツを再生できる。主に、画面の小さなスマホのコンテンツを、テレビやカーナビなどの大きな画面に映し出す(ミラーリング)用途で使用される。

tt131122TJS002.jpgET2013で公開した「NetNucleus WFD」の様子。スマホのコンテンツを映し出したカーナビを模した機器のタッチパネルからスマホが操作できる

 東芝情報システムが製品化したミドルウェア「NetNucleus WFD」は、このMiracastを各種組み込み機器で実現するための製品。Miracastのオプション機能であるUIBCを標準サポートした点が1つの特長となっている。

 UIBCは、スマホなどコンテンツを持つ機器(Source)側の映像を映し出す機器(Sink)側のイベントを、Source側に送ることができる機能だ。この機能により、スマホの画面を映し出しているカーナビのタッチパネルを操作することで、スマホ側の操作が行えるようになる。「テレビの場合は、手元のスマホで操作する従来のミラーリングでも十分だが、カーナビでは、小さなスマホの画面で操作するよりも、より大きなカーナビ側の画面で操作する方が自然であり、UIBC対応が標準的になるだろう」(同社)とし、UIBCを標準サポートした。

 多くのMiracast対応ミドルウェアが市場に存在する中で、東芝情報システムでは、「低遅延で映像表示できる点が特長」とする。同社は長くテレビの映像処理関連システムの開発を手掛けており、「H.264のデコードを高速に処理できる技術があり、一般的なMiracastでは、約500ms以上の伝送遅延が発生するが当社製品では約200msの低遅延が実現できる。UIBCでは、遅延が大きければ、操作に支障が生じるため、より低遅延な製品が選択されるだろう」としている。

 東芝情報システムでは、カーナビをはじめとした各種組み込み機器向けに拡販を実施し、NetNucleus WFD売上高として2014年度1億円、2015年度3億円を見込んでいる。


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