「PCみたいなタブレット」と「タブレットみたいなPC」
既報の通り、日本マイクロソフトは5月29日、Windows 8 Pro搭載タブレット「Surface Pro」を2013年6月7日に国内発売すると発表した。128GバイトSSDまたは256GバイトSSDを搭載する2種類を用意し、想定実売価格はそれぞれ9万9800円と11万9800円となる。
製品発表会ではSurface Proの製品説明やプロモーションのほか、Surface RTの反響やWindows 8の販売状況などを説明した。
発表会で最初に登壇した日本マイクロソフト 代表取締役社長の樋口泰行氏は、まず2013年3月に発売した「Surface RT」に売り上げについて「Surface RTの販売実績は順調に推移している。発売直後は30代や40代の男性を中心に売れていたが、最近では20代、30代の女性など幅広い層が売り場に来ている」と好調ぶりをアピールした。
同社がTwitterで製品に関するつぶやきを分析したところ、競合のタブレット端末に比べて製品を評価するポジティブな内容や、購入意向を示す内容が多いというデータを得たという。「特にキーボード付きカバーやOfficeに対して好意的な意見が多い。タブレットでありながら、PCのように使える部分に評価が集まっている」(樋口氏)
樋口氏はSurface ProとSurface RTの違いを「PCのように使えるタブレットがSurface RTだとすれば、Windows 8 Proやフル版のOfficeを搭載するSurface Proは“タブレットのように使えるPC”という位置付けだ」と表現した。この2台はデザインが共通するものの、そのコンセプトは真逆とも言える。質疑応答で「どちらがより売れると思っているか」と問われた樋口氏は「Proがこれから出るものなので想像はつかない。ただ、戦いたい敵に勝つことを考えるとSurface RTが売れてほしいところ」と述べた。
諸外国より発売時期が3〜4カ月遅れたことについては、夏商戦に合わせたことや製品の供給体制を固めるために時間をかけたことが理由だとした。「広告も過去最大級の投資を行う。Surfaceで新たな市場を切り開き、成長させることでPC、タブレット市場全体の盛り上げに寄与できればと思っている」(樋口氏)
待っていてくれたユーザーへの“サプライズ”
Surface ProとSurface RTは、OSのほか扱えるアプリケーションの数(Surface Proは通常のWindowsアプリケーションを利用できる)やディスプレイの解像度、インタフェースの種類などが異なるが、Surface Proは電磁誘導式のスタイラスペンによるペン入力(筆圧検知対応)ができることも大きな特長だ。
同社執行役 コンシューマ&パートナーグループ リテールビジネス統括本部長 兼 コミュニケーションズパートナー統括本部長の横井伸好氏は「従来のデスクトップアプリケーションは、ボタンやアイコンが小さかったりとタッチ操作に最適化されていないものが多い。そういうときにペン操作は便利だ。まるで紙に書いているかのような感覚で書ける」とペン入力機能をアピール。解像度は600dpiで、線を拡大しても滑らかな表示になるという。
また横井氏は、日本向けモデルの特徴であるOffice Home and Business 2013のプリインストールと256Gバイトモデルの投入について「Surface Proの投入を長く待っていただいた皆さまへの“サプライズ”」と説明し「メインPCとしても問題のないスペックで、ビジネスにおいてもフルスペックのWindows PCとしてお使いいただけるマシンだ」とアピールした。
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