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とにかく小さく、軽く、そして速い一眼レフ――「EOS Kiss X7」

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 ミラーを搭載するデジタル一眼「レフ」カメラの弱点として、以前から「大きい」「重い」「難しい」の3つが挙げられていた。「難しい」については各社がフルオート機能の充実やユーザーインターフェースの改良で改善を進めたが、「大きい」「重い」はミラーを搭載するという機構的な問題があるので、ある程度以上は難しいと思われていた……のだが、やればできるじゃん!と思わせてくれたのがこの「EOS Kiss X7」。なにしろAPS-Cサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラとしては「世界最小最軽量」(同社)だ。

photo「EOS Kiss X7」

 スマートフォンとのサイズ比較などは既にフォトレビュー記事が掲載されているのでそちらを参照してもらいたいが、手にしてみるととにかくコロンとかわいらしく、軽く、小さい。マウント系自体が他社マウント比べて大きめで、小型化に不向きなEFマウントを採用しながらよくぞここまで小さくしたものだと感心してしまう。

 その本体サイズは約116.8(幅)×90.7(高さ)×69.4(奥行き)ミリ、約370グラム(本体のみ、バッテリー及びメモリカード装着時は約407グラム)。既存EOS Kissシリーズをミニチュアとしたようなフォルムであって、一見すると高倍率ズームレンズを搭載したレンズ一体型のブリッジカメラを見るような感覚に陥るかもしれない。

 同時発表されたEOS Kiss X7に比べると小型化のために、バリアングル液晶の非搭載、背面操作ボタンの簡略化などが行われており、撮影設定に関していえばメニュー画面に多くを頼るスタイルとなっている。ハードウェアとしてボタン類が用意されているのは、撮影モード、ISO感度、露出補正などだ。

photophoto正面(写真=左)と背面(写真=右)。背面十時キーにドライブなど特定の機能は割り振られていない

 とはいえ背面液晶はタッチパネルに対応しており、また「Q」(クイック)設定も既存モデルと同様に導入されているため、ホワイトバランスや測光、AFモード、ドライブなどはメニューの階層を降りることなく設定できる。ボタン類が増えるとどうしてもカメラボディのサイズが大きくなるので、どれを残すか検討を重ねた結果、この仕様に落ち着いたと思われる。

STMレンズでライブビューでも高速AF

 撮像素子はAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素CMOSセンサー。撮像面に位相差AFセンサーを搭載しており、位相差AFによっておおまかな測距を行い、その後にコントラストAFによって追い込むことでライブビュー/動画撮影時のAF速度向上を図る「ハイブリッドCMOS AF」を利用できる。

 このハイブリッドCMOS AFはEOS Kiss X6iから導入されているが、X7では撮像面AF可能エリアがライブビュー表示範囲の縦横80%まで拡大された「ハイブリッドCMOS AF II」となっている。また、キットレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」はステッピングモーターを搭載しており、組み合わせ時にはライブビューでも高速にAFが合焦する。

 さすがにソニー「NEX-5R」やオリンパス「OM-D E-M5」などAF速度の速さに定評あるミラーレス機に比べると、ライブビュー時のAF速度はやや遅い気もするが、十分に実用的な速度。それに背面液晶を使ってのタッチAFおよびタッチシャッターも利用できるので、ミラーレス機やスマートフォンのような操作感覚で写真を撮れる。

photo背面液晶を使ってのタッチAFも可能 タッチパネルの反応は機敏
photoライブビューならば、任意の画面端の被写体へピントを合わせることもできる
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