「iPhone 5s」と同時に発表されたもう1つの新モデル「iPhone 5c」は、iPhone 5の機能をベースに、カラフルな5色を採用しており、よりカジュアルにiPhoneを使える。なお、5cの「c」は文字どおり「colorful」を意味する。
外装のプラスチック素材にはポリカーボネートを用いており、この外装に、アンテナの役割も果たすというスチールの強化フレームをレーザーで溶接している。表面にはハードコーティングを施していることもあり、高い質感を得られる。また、iPhone 5cには塗装を施していない。つまりブルーのボディの場合、もともとブルーの素材を使っているので、端末を傷付けたりしても、塗装が剥げ落ちることもない。各カラーは背面から側面にかけて色が付いているが、パーツの切れ目が一切なく、シームレスなボディを形成していて美しい。iPhone 5sより価格が安いことや、ボディにプラスチックを用いていることから「廉価版」と評されることの多いiPhone 5cだが、デザインや質感からは「単なる廉価版とは違う」と感じた。
iPhone 5cでは側面の角が削がれているのも特徴だ。iPhone 5や5sの側面は角張っているので手に当たるのが気になるが、5cは手に優しい。一方で強化フレームやラウンドフォルムを用いたことが影響してか、本体の幅はiPhone 5/5sの58.6ミリから59.2ミリに、重さはiPhone 5/5sの112グラムから132グラムに増している。それでも幅50ミリ台なら十分細いだろうし、重さもiPhone 4S(140グラム)よりは軽くなっている。
Apple純正のケースには、シリコンで作られた6色を用意。カメラやスピーカー部分がくり貫かれているのはもちろん、背面にはデザイン上の措置で7×5個の穴を開けており、iPhone 5c本体とケースのカラーで計30パターンの組み合わせを楽しめる。本体を光沢、ケースをマットにすることで、質感のコントラストを楽しめることも狙ったという。ケースにはアップルロゴも刻印されていて美しいが、ケースを装着すると、5c本体の「iPhone」ロゴが隠れてしまい、「hon」しか表示されないのは少々残念。
A6チップ、4インチ(640×1136ピクセル)Retinaディスプレイ、5枚構成レンズの8メガピクセルカメラなど、ハードウェア性能はiPhone 5とほぼ同じ。ただしLTEネットワークはiPhone 5sと同様に、利用できるバンドがiPhone 5よりも拡大しており、KDDIがメインバンドとして使用している800MHz帯をサポートしている。5sのA7チップ、指紋センサー、True Toneフラッシュなどは搭載しない。
iPhone 5s | iPhone 5c | iPhone 5 | |
---|---|---|---|
サイズ | 58.6×123.8×7.6ミリ | 59.2×124.4×8.97ミリ | 58.6×123.8×7.6ミリ |
重さ | 112グラム | 132グラム | 112グラム |
容量 | 16、32、64Gバイト | 16、32Gバイト | 16、32、64Gバイト |
ボディカラー | シルバー、スペースグレイ、ゴールド | ホワイト、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン | ブラック、ホワイト |
チップ | 64ビットアーキテクチャ搭載A7チップ | A6チップ | A6チップ |
ディスプレイ | 4インチ、640×1136ピクセルRetinaディスプレイ | 4インチ、640×1136ピクセルRetinaディスプレイ | 4インチ、640×1136ピクセルRetinaディスプレイ |
Touch ID | ○ | − | − |
アウトカメラ | 8メガピクセル裏面照射型CMOSセンサー(1画素あたり1.5ミクロン) F2.2 True Toneフラッシュ バーストモード | 8メガピクセル裏面照射型CMOSセンサー F2.4 | 8メガピクセル裏面照射型CMOSセンサー F2.4 |
インカメラ | 1.2メガピクセル裏面照射型CMOSセンサー | 1.2メガピクセル裏面照射型CMOSセンサー | 1.2メガピクセル裏面照射型CMOSセンサー |
バッテリー駆動時間 | 3G通話時間:最大10時間 インターネット利用:LTE最大10時間、3G最大8時間、Wi-Fi最大10時間 連続待受時間:最大250時間 | 3G通話時間:最大10時間 インターネット利用:LTE最大10時間、3G最大8時間、Wi-Fi最大10時間 連続待受時間:最大250時間 | 3G通話時間:最大8時間 インターネット利用:LTE・3G最大8時間、Wi-Fi最大10時間 連続待受時間:最大225時間 |
関連記事
- 端末情報、キャリアの発表、iOS 7、周辺機器——iPhone 5s/5cの詳細まとめ
iPhoneの新モデル「iPhone 5s」「iPhone 5c」が発表された。端末の詳細、通信キャリアの発表、iOS 7、周辺機器など、iPhone 5s/5cの関連記事をまとめた。 - カラフルのCか、チープのCか:アップル、価格を抑えた新デザイン「iPhone 5c」発表
Appleが発表したiPhone 5cは、199ドルからという低価格とともに、多彩なカラーバリエーションとポリカーボネートパネルによる新しいデザインテイストが特徴だ。 - 写真で解説する「iPhone 5s」の外観と新機能
Appleが9月11日、日本のメディア向けに新型iPhoneを紹介するプレスイベントを開催。短時間ながらiPhone 5sの実機に触れてきたので、見どころをお伝えしよう。 - ドコモも販売:Apple、64bitプロセッサーと指紋センサー搭載の「iPhone 5s」を発表 9月20日発売
米Appleは9月10日(現地時間)、64bitプロセッサーと指紋センサーを搭載したiPhoneの新モデル「iPhone 5s」を発表した。国内ではドコモから発売されることも明らかになった。 - 使えるLTE周波数帯が決まりました:Apple、「iPhone 5s」「iPhone 5c」日本向けモデルを公表
Appleは、日本のキャリアに出荷するiPhone 5sとiPhone 5cのモデル名を明らかにした。NTTドコモもKDDIもソフトバンクモバイルも、すべて同じモデルを取り扱う。 - 13日16時受付開始:ドコモ、「iPhone 5c」の予約受付は9月13日16時から——店舗とWeb両方で
ドコモは、iPhone 5cの予約受付をドコモショップとWebで9月13日16時から開始する。Web予約は、ドコモプレミアクラブでプレミアステージ資格を持つ会員を優先する。 - 本体価格や料金プランは未定:KDDI、「iPhone 5s」「iPhone 5c」を9月20日に発売
KDDIは、「iPhone 5s」および「iPhone 5c」を9月20日に発売する。なお、iPhone 5cは9月13日の16時から事前予約を受け付ける。 - 純正カバーの扱いは未定:ソフトバンクモバイル、「iPhone 5s」「iPhone 5c」の出荷開始日を発表
ソフトバンクモバイルは「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を9月20日から出荷する。なお、iPhone 5cは9月13日の16時から予約受付を始める。 - 鮮やかな一日になりました:Apple、iPhone 5s/5c用純正ケースを発表
Appleは「iPhone 5s」用革ケースと「iPhone 5c」用シリコンケースを発表した。カラーバリエーションはどちらも6色。 - iPhone 4以降で使えます:iOS 7、9月18日に配布開始
Appleが9月10日(現地時間)に米国で開催中のイベント「Apple Special Event September 2013」で「iOS 7」の配信スケジュールを明らかにした。 - 製品解剖:「iPhone 5S」を解剖!? 気になる新機能と搭載部品を探る
米国時間の2013年9月10日に、Appleが新型iPhoneを発表するとうわさされている。今回の発表では、「iPhone 5S」と「iPhone 5C」の2モデルが発表されるともいわれる。その製品名称さえ臆測の域を越えないが、新しい端末がどのようなものになるか、さまざまな推測やリーク画像を基に検討していくことにする。
関連リンク
Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.