既報の通り、オリンパスが新製品「OLYMPUS OM-D E-M1」を発表した。ミラーレスカメラの新製品というだけではなく、これまで一眼レフ「E-System」とミラーレス「PEN」「OM-D」と2つのレンズ交換式デジタルカメラを投入してきた同社にとって、その両者を「統合」(同社 代表取締役社長執行役員 笹宏行氏)する大きなマイルストーンとなる製品だ。
発表会の席にてオリンパスイメージング開発本部長の杉田幸彦氏は「レンズ交換式デジタルカメラの市場は一眼レフではなくミラーレスがリードしている」と市況データを示し、そのなかで同社一眼レフ用レンズ「ZUIKO」とミラーレス用レンズ「M.ZUIKO」の性能に自信を示しながらも、一眼レフ/ミラーレスを飛び越えてレンズ性能を100%引き出すボディが不在であることを課題と挙げた。
その解決策として同社が考案したのが、撮像面に搭載された像面位相差AF用センサーとコントラストAFを併用することでZUIKO/M.ZUIKOレンズの能力を最大限に引き出せる「DUAL FAST AF」システムであり、その搭載にふさわしいフラグシップ機の開発だった。
フラグシップにふさわしい画質を実現すべくセンサーと画像処理エンジンも新開発し、236万画素の大型高精細ファインダーまでも搭載した。さらにはWi-Fi機能と、OM-D E-M5で実現していた防じん防滴に加えて耐低温性能も盛り込み、そのフラグシップ機は「OLYMPUS OM-D E-M1」として登場することとなった。
また、同時に杉田氏からは「M.ZUIKO PRO」と名付けられた、高性能な新レンズシリーズの投入も発表された。第一弾はE-M1のキットレンズ設定もされている大口径標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」で、同じくF2.8通しの望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」が2014年に販売される。ロードマップには「広角ズーム」「超望遠レンズ」も登場しており、少なくとも4本の投入を計画している。
「統合」というキーワードを口にした笹社長は「一眼レフからの撤退とは考えていない」と延べ、「あくまでも統合であり、その意志を示す製品」とOM-D E-M1が同社レンズ交換式デジタルカメラの象徴的トップモデルであるとの位置づけを語る。開発本部長という要職にある杉田氏も、フォーサーズ規格のZUIKOレンズの生産販売は継続していくと述べた。
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