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スマートフォンのカギになる「デザイン」「色」 それが意味するもの

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REUTERS

 明るい色、珍しい質感、パーソナライゼーションなどの特徴を備えたスマートフォンが広がりを見せつつある。スマートフォン市場が混戦模様となり、メーカー各社がデザイン性に頼り始めたことの表れだ。

 デザイン性で得点を稼ごうとしている企業には、米AppleやGoogle傘下のMotorolaも含まれる。その背景には、成熟期に入ったスマートフォン市場においては、形勢を一変させるような技術革新を達成するのがますます難しくなっているという事情がある。

 タッチスクリーン搭載の初のスマートフォンとしてiPhoneが2007年に発売されて以来、ソフトウェアの機能性は簡単に複製できるようになり、今では速度や重量、画面サイズ、解像度などで改善を図るのが当たり前になってきている。右にならえの製品が爆発的に増加したことで、利益幅が縮小し、Appleや韓国Samsung Electronicの市場シェアも徐々にかじり取られつつある。

 そんな今こそが絵筆を取り出すタイミングだ。

 Appleは9月10日に開催する発表会への招待状を報道関係者らに送っているが、このイベントで発表されるとみられる新型「iPhone」は、恐らくゴールドも含め、これまでよりも多くのカラーバリエーションが提供されると噂されている。

 かつての市場リーダーであり、現在はGoogleの傘下にあるMotorolaは、「Moto X」でユーザーの奪還を狙っている。Moto Xは本体カラーをカスタマイズできるほか、近いうちに刻印によるカスタマイズも提供され、背面カバーには木製などの珍しいテクスチャ素材が用意される。

 デザインコンサルタント会社Ammunitionの創業者であり、かつてAppleのインダストリアルデザイン部門の責任者を務めていたロバート・ブラナー氏によれば、「パーソナライゼーションは製品の独自性が薄れてきたときに採用されるお決まりの戦略」という。

 「製品がライフスタイルに組み込まれ、日用品化が始まった時点で、企業は差別化のため、あるいは少なくともより多くのユーザーにリーチを広げるために、より表面的なデザイン要素に目を向けるようになる」と同氏は語る。同氏のこれまでの顧客には、Amazon.com、Dell、Nikeなどが含まれる。

 「色を取り入れるのが常套手段だ。色のバリエーションを適切なタイミングで上手に用意すれば、例外なく売り上げの大幅増につなげられる」とブラナー氏は指摘する。

 今回、新型iPhoneをめぐる憶測の大半が色と素材に集中しているのは、2012年に画期的な新機能に対する期待が高まったのとは極めて対照的だ。

パーソナライゼーションが鍵に

 家電業界は技術革新が激しく、外見の美しさに頼るのはせいぜい、指紋による本人確認やホログラフィック、フレキシブルディスプレイなど、しばしば話題に上がる新技術が現実になるまでの応急措置だ。

 調査会社IDCによると、世界のスマートフォン出荷台数は2013年4〜6月期に前年同期比で52%増加したという。だが仏Alcatel Lucentから中国Huaweiに至る各社がGoogleのAndroid OSを搭載する似たような端末を数多く開発する中、市場は飽和状態に近づきつつある。

 調査会社Gartnerのアナリスト、カロリーナ・ミラネージ氏は次のように語る。「ユーザーの目の前には、どれもこれも同じようなソフトウェアと機能を備えた、黒や白の長方形の端末が溢れている。ここで人々の注目を集めるためには、瞬時に目を引く要素が必要だ。その役割を果たすのがデザインとスタイルだ」

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