ドイツ ベルリンで開催中の「IFA 2013」(2013年9月6〜11日)。ソニーモバイルの「Xperia Z1」やSamsung Electronics(サムスン)のスマートウォッチ「GALAXY Gear」、パナソニックの“4Kディスプレイ”搭載Windows 8.1タブレット「TOUGHPAD 4K」など世界最大級のコンシューマー・エレクトロニクスショーにふさわしく新製品の発表が相次いでいるが、電子ペーパー関連でも幾つか興味深い製品が登場している。
電子ペーパーと言えば、先日E Inkが電子ペーパーの弱点の1つとされてきた“リフレッシュ現象”をほぼ解消した「E Ink Carta」を発表。Amazon.comが今月から発売する第2世代「Kindle Paperwhite」に搭載されることが分かっている。
しかし、IFA 2013で披露された電子ペーパーベースの製品は、電子ペーパー端末ではなく、電子ペーパーを用いたスマートフォン向けカバーが話題を集めていたようだ。
その1つが、独PocketBook Internationalが披露していたGalaxy S 4用アクセサリー「Pocketbook Cover Reader」。同社は以前から電子ペーパー端末を複数リリースしており、最近ではカラー電子ペーパー「E Ink Triton 2」を搭載した専用端末「Pocketbook Color Lux」を、今回のIFAではタブレット「PocketBook SURFpad」も発表している。
Pocketbook Cover ReaderはGalaxy S 4向けのカバーアクセサリーで、内側には4.3インチの電子ペーパーが付属。本体から電源の供給を受け、サブディスプレイとして利用できるイメージだ。基本的には本体側のPocketBookアプリで表示しているものをこのディスプレイにも表示させるようだが、不在着信やSMS受信などの情報も表示できるという。
また、中国の大手電子機器メーカーTCL CommunicationsはAndroidスマートフォン「Alcatel One Touch Hero」を披露。こちらのオプションとして電子ペーパー付きのカバーが披露されている。
OnyxのようにE Inkディスプレイを搭載したAndroidスマートフォンをリリースしているところもあるが、昨今のトレンドは、液晶と電子ペーパーの二刀流のようだ。しばらく動向が注目される。
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