連載:「Surface Pro」の“ここ”が気になる
- 第1回 Surface RTとどこが違う?
- 第2回 筆圧ペンは使いやすい?
- 第3回 性能はUltrabook並だがスタミナに不安あり?
- 第4回 Windowsストアアプリって、本当はいくつある?
- 第5回 Surface Proで「艦これ」がはかどるぞ
Surface Proのメリットとデメリット
「Surface Pro」の特徴について一通り触れたところで、今回は本機の強みと弱みを整理してみよう。
Surface Proは日本マイクロソフトの樋口社長が「タブレットのようなPC」と表現する通り、Kickstandやオプションのキーボードカバーにより、“タブレットとしてもノートPCとしても使える”という特徴を持つ。そのため、本機はAtom搭載のWindows 8タブレットやモバイルノートPCそれぞれに対して有利な点と不利な点が出てくる。
以下に、それぞれの有利/不利なポイントをまとめてみた。もちろんここに挙げた特徴は一般的な傾向であって、当てはまらない機種もある。
Surface ProとAtom搭載Windows 8タブレットの比較 | |
---|---|
<ココが有利> | <ココが不利> |
高性能 | 重い |
キーボードカバーが使いやすい | バッテリーが短い |
スタンド内蔵 | 比較的高価 |
Surface ProとモバイルノートPCの比較 | |
---|---|
<ココが有利> | <ココが不利> |
(比較的)軽い | バッテリーが短い |
筆圧検知対応のペン入力 | ボディの発熱 |
タッチ操作がしやすい | インタフェースがやや少ない(特にUSBポート) |
Surface Proはx86/x64対応の一般的なWindows用ソフトウェアを難なく動かせるだけの性能(SSD搭載のUltrabook程度)を持つが、持ち運びやすい小型のボディ+タッチ操作というタブレット的性格も持つために、バッテリーやインタフェースといった面はモバイルノートPCよりも不利になる。ボディも発熱しやすい。
このように整理すると、Surface Proが向くユーザーが見えてくる。まず、
- OSがWindowsである必要があるか
- PC並みの性能が必要か
という2点が重要となる。メールチェックやWebブラウジング、アプリでゲームといった用途であれば、「iPad」や「Nexus 7」などのiOS/Androidタブレットで事足りる。Windowsで有利な点として挙げられるOfficeについても、閲覧を中心にちょっと編集するくらいならばAtom搭載Windows 8タブレットで十分だ。使いたいソフトがWindowsのみの対応で、長文を打つ作業や動画/写真など趣味的な作業も快適にこなしたいという場合にはSurface Proが向いている。
「それなら高性能なUltrabookを買えばいい」と思うシーンがあるのは確かだが、Surface Proはタブレットならではの強みもある。バッグから取り出しやすく、タッチ操作でWebブラウジングも快適だ。電車内で座って使うならばSurface Proの方が使いやすい。カジュアルなタブレットでは物足りないが、高性能なモバイルノートPCを持ち歩くほどではない——こういったユーザーは意外といるのではないか。
また、筆圧検知対応のペン入力もSurface Proを買う決め手になり得る。外出先で絵を描く、頭の中のイメージを手書きのメモで整理する、という用途にぴったりだ。デスクトップ画面の小さなメニューやボタンを押すのにも、細いペン先を使ったタッチ操作が役立つ。
ペン入力はビジネスにも向く。法人向けモデルの発表会では、ビジネスにおけるSurface Proのメリットとして「契約時のサインをタブレットで記入できる」というコメントもあった。OSに業務用途に適したWindows 8 Proを採用していることもあり、ビジネス用のモバイルノートPCとして旧機種から買い換えるのであれば、十分に活躍してくれるはずだ。
Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.