スマートフォンやタブレットは、その便利さゆえについつい長く使い続けてしまう。朝起きたらまずはメールやソーシャルメディアをチェックし、移動中はネットニュースを見たりゲームで遊んだり……。四六時中、使いまくっているという人も多いだろう。
しかし、である。夜が近づくにつれ、「あれ、家に帰るまでバッテリー持つかな?」という不安がわき上がる。特に、タブレットを仕事で使うようになると、この問題の影響は大きくなる。バッテリー切れで私的な連絡がとれなくなるのは仕方がない。しかし、「タブレットのバッテリーが切れてて仕事のメールの返信ができませんでした」「タブレットでするはずのプレゼンテーションができませんでした」ではすまされない。電源のある喫茶店を探す時間も、行く時間もなかったらどうする?
そんなときこそ「モバイルバッテリー」の出番だ。電源コンセントから事前に充電(蓄電)しておき、いつもはカバンに忍ばせておく。あとは好きなタイミングでタブレットに接続し、電力を供給するという、あのガジェットだ。
タブレットをモバイルバッテリーで充電するときのポイント3つ+α!
万一に備えて、タブレット充電用のモバイルバッテリーを買いたい——。そう思い立ってお店に行ったはいいが、種類の多さに目がくらんでしまった経験はないだろうか。今や大手家電メーカーから携帯電話専門のアクセサリーメーカーに至るまで、とにかくたくさんの企業からさまざまなデザインや仕様のモバイルバッテリーがリリースされている。
何の知識もなしにモバイルバッテリーを買いに行っても、迷ってしまって何を買っていいか分からずに帰ってくるのがオチ。もしくは「ええい、これでもういいや!」と買ってはみたものの、後からほかの商品と比べて「やっぱりもうちょっと高いやつを買った方がよかったのかな」とモヤモヤすることになりかねない。
そこで本連載の第1回では、モバイルバッテリーを選ぶ際のポイントをまとめてみた。まずは、特に重要な最初の3つのポイント+αをみていこう。
- バッテリー容量(最低でも5000mAhは必要?)
- 出力電流およびUSBポート数(2A以上あればだいたい安心)
- 重量とデザイン(大容量バッテリーモデルは当然重い)
- モバイルバッテリーの充電時間
- 製品寿命(500〜1000回充電が一般的)
- その他便利機能
- 付属品
「バッテリー容量」は、モバイルバッテリーを選ぶ上で重要なポイントだ。最近はスマホ選びの際にバッテリー容量を気にする機会も多くなった。ようはそれと同じ。モバイルバッテリーも、容量が大きければ大きいほど、1回で充電できる時間や回数が増える。
機種によっては「スマートフォンを○○回充電できる」などとアピールしていることもある。これは注意書きをよく見ると分かるが、だいたいの場合「モバイルバッテリー側の容量は1万mAh。容量1500mAhのスマホであれば○○回満充電できる」という意味。必ず注釈が書かれているはずなので、よく目をこらしてみよう。
さて、タブレットは、一般的に言ってスマートフォンよりもバッテリー容量が大きい。例えば、アップルのiPad(第3世代)は容量が1万mAhを超えている。iPad miniも4400mAh前後とされている。このため、スマートフォン用の低容量モバイルバッテリーだと、タブレットをフル充電できない場合がある。とはいえ、必ずしもフル充電する必要があるかはまた別の話。
「出力電流およびUSBポート数」も、タブレットを充電する場合には絶対に気にすべきポイント。パッケージなどでは「1.5A」とか「2A」という値で表記されている。そう、理科の授業で習ったアンペアのことである。
タブレットの機種によって、充電で必要とされるアンペアが変わってくる。例えば、iPadの充電がWindows PCのUSB 2.0ポートでできないのはこれが理由だ。USB 2.0ポートが出力できる電流は500mA(0.5A)までと定められている。iPadは、少なくとも1100mAの電流が充電に必要とされているため充電できないのだ。
Androidを含むタブレット全体の傾向として、おおむね2アンペアあれば、ほぼ間違いなく充電できる。1.5アンペアでも何とか大丈夫だろう。ただ、数年前に発売され、現在も店頭に並んでいるモバイルバッテリーでは0.5アンペア〜1アンペアにとどまっている場合がある。タブレットを充電したいなら、これらは絶対に候補から外そう。
なお、USBポートの数は、ほとんどのモデルが1ポートないし2ポートだ。アンペアの上限は、各ポートの出力合計値であることが大半だ。このため、2ポート仕様のモバイルバッテリーで、タブレットを2台同時に充電するのはほとんどムリだと思ってさしつかえない。
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