欧州連合(EU)の独占禁止法監督機関は、米Appleと通信事業者間のiPhone販売契約が、競合するスマートフォンメーカーの締め出しを狙っているかどうかを調査している。この調査の結果によっては、Appleに対する正式調査が実施される可能性がある。
EUの執行機関である欧州委員会は、Reutersが入手した通信事業者宛の5月24日付の9ページにわたる質問状で、こうした行為はEUの独禁法に抵触する可能性があるとしている。
この質問状は、複数の通信事業者が昨年末に申し立てたAppleに関する非公式の苦情に続くもの。この件に詳しい情報筋によると、通信事業者らは、Appleのスマートフォンやタブレットの販促のための補助金やマーケティングについて苦情を申し立てたという。
こうした調査は独禁法違反問題において、欧州委が企業に対して訴訟を起こすか、申し立てを却下するかを決定するために行う典型的な手順だ。
質問状には、「欧州委は、Appleと通信事業者の販売契約が、他のスマートフォンメーカーに不利益をもたらす可能性があることを示す情報を入手した」と書かれている。
通信事業者への質問は、Appleが一定台数のiPhoneの買い取りを義務付けたかどうか、iPhoneのマーケティングのための優遇措置を求めたか、補助金の一定のレベルを設定させられたか、競合と同等もしくはより良い条件を求められたか、などだ。
欧州委はまた、通信事業者がLTEネットワークにiPhone 5を対応させる際にAppleが制限を設けたかどうかについても質問している。この質問状の返答期限は6月17日だ。
欧州および米国の通信事業者らは一般に、Appleを含むスマートフォンメーカーに対し、高額な補助金を支払っている。消費者はスマートフォン購入時に2年契約に署名することで割引してもらえる。この2年契約は、通信事業者にとっての貴重な収入源になっている。
米調査会社Gartnerによると、2013年第1四半期(1〜3月)に世界で販売された携帯電話のうち、49.3%がスマートフォンだった。韓国Samsung Electronicsが、世界で最も使われているスマートフォンのメーカーだ。
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