米VMwareは2013年5月、待望されていたクラウドサービスを正式発表した。これにより、VMwareは自社製品を利用するクラウドプロバイダー顧客の多くと直接の競合関係に入ったことになる。だが、この新しいハイブリッドクラウドサービスの登場が縄張り争いを引き起こすとしても、プロバイダー各社にはVMwareを責めるつもりはないようだ。
「内心は腹立たしく思う向きもいるだろう。だが実際のところ、どのプロバイダーもVMwareをサポートしないわけにはいかない。VMwareにも、米Terremarkや米Rackspaceなど各社のサービスを利用している既存の顧客を追い払う理由などない」と語るのは、米コンサルティング会社Frost & SullivanのStratecast部門でクラウドサービス関連の調査を担当するプログラムディレクターのリンダ・スタッドミュラー氏だ。「この市場では今後も、協業(cooperation)と競合(competition)が同時に発生する“コーペティション”(co-opetition)が当たり前になるということなのだろう」と同氏は続ける。
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