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パスワードクライシス・後編 無理のないパスワード管理をどうするか

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前編はこちらから。中編はこちらからお読みいただけます。


パスワードをどう管理すべきか?

 パスワードの管理方法について誤解を恐れずに言えば、手書きでも表計算シートでも何でもよいのだが、まずは自分の登録しているパスワードを全て列挙してみることから始める。全体像を掌握しないと、お話にならないからだ。

 前回に触れたが、そこでは以下の2点を理解しておくことが必要になる。

1.インターネットだけがパスワードではない

 例えば、ドア認証におけるパスワード、自転車のチェーンロックの数字(5桁が主流)、スマートフォンのロック番号、金庫(ダイヤルロック式)の数字、ファイル暗号のパスワード、クレジットカードの暗証番号とセキュリティコード、キャッシュカードの暗証番号、PCの各種パスワード(ローカル上で使うものからインターネットで使うものまで。PCが複数台のケースも)などたくさんある。

2.普段から意識していないパスワードが多数存在する

 筆者の場合は6割が認識していなかったものだった。アングラツールや過去のメールを遡って確認してみるだけでもかなりの数がある。

 こういう観点で自身のパスワードを全て表に列挙したら、次にジャンル分けをしよう。それぞれのIDとパスワードを重要度ランクのA〜Eに分類して、記入する。

Aランク:金銭に直接関係する最重要なもの

 銀行などの金融機関のキャッシュカード、クレジットカードの暗証番号とセキュリティコード、ネットバンキングを実行する際の認証一式、証券会社での株売買の認証などが該当する。筆者のケースでも使っていない、失念したものでここに分類されるものが少なからずあった。

Bランク:業務に関連するもの

 会社だけで使うものを中心に、毎日使うOA端末のパスワード、権限が必要なシステムでの認証、組合で使う場合のパスワードなどだ。他ジャンルとは一線を画してパスワードを決定、管理する必要がある。また、損害の程度でランク付けはしない。「個人」でなく「業務」で使うもの全てがここに分類される。

Cランク:影響度「中」、個人的には「大」と思ってしまうもの

 通販サイトなどのパスワードで、他人に侵入された場合、ある程度の金銭被害につながるが、口座の資金移動や有価証券自体の操作が可能ではないもの。しかし、なりすましによる「悪さ」が可能で、金銭被害が及ぶものだ。

Dランク:影響度「小」、なりすましは可能だが、直接的な金銭被害にはなかなかつながりにくいもの

 FacebookやTwitterのIDとパスワード、有料サイトのIDとパスワードなどが該当する。ここでの被害は、信用をなくすツイートをされてしまったとか、個人情報を改ざんされたり、友だちの情報が盗まれたりということであり、直接的な金銭被害はあまりないと考えられる。個人的に「1億円盗まれるより被害が甚大だ」と判断して、Aランクに置くのならそれでも構わない。

Eランク:無料サイトのIDとパスワード

 例えば、会員限定の記事を読むためだけに登録したIDとパスワード、一回だけ無料登録して利用したが、それっきり使っていないものなどが該当する。

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