グローバルで評価が高いリーディングモードとオフラインモード
Mozillaは、Webブラウザ「Firefox」のAndroid版を2012年6月に“リニューアル”し、内部の構造を大幅に変更してARM搭載のAndroidデバイスでも高速化を実現した。その後もFirefox for Androidはバージョンアップを重ね、2013年7月には最新のFirefox for Android 23をリリースしている。
Android対応Webブラウザとしても定着しつつあるFirefox for Androidの開発チームリーダーを務めるカレン・ルドニンスキー氏が、ユーザーのフィードバックと今後の“方向性”について語った。
Firefox for Androidは、2012年6月にリリースした“14”で、内部構造を新規に開発するなど、大規模な改装を施している。それまで問題だった応答性の改善を目的とした新しいバージョン以降は、ユーザーからの評判も高くダウンロード数も伸びている。ユーザーが特に評価しているのは、プライベートブラウジング機能とリーディングモードの導入、そして、オフライン機能だという。もちろん、カスタマイズと機能拡張性も依然として評価が高い。
定額制のデータ通信プランが当たり前の日本ユーザーとしては、オフライン対応の評価を意外と思うかもしれない。しかし、ルドニンスキー氏によると、グローバル市場ではその必要性を感じるユーザーが依然として多いという。特に、通勤電車で通信が利用できないケースや、飛行機で移動する機会が多いユーザーから、オフラインで読めるモードは高い評価を得ている。
リーディングモードでは、広告などを表示せずテキストだけに集中して読みやすくするレイアウトに変換する。ただし、その一方でマルチカラムは利用できず、ページに配置した画像の一部も表示されない場合がある。現時点でマルチカラム対応のリーディングモードを用意する予定はないが、その理由について、この機能の目的がWebページを快適に読む環境の実現にあるためと説明している。
アドオンをもっと使いやすく
Mozillaでは、ユーザーのフィードバックで要望の多い信頼性の向上、拡張性のアップ、対応端末の拡大は、今後も重要な課題として反映していく。なお、機能拡張性の具体的な内容としては、ブックマーク、リーティングリスト、プロファイルのバックアップ機能を予定しているという。
ルドニンスキー氏によると、日本は技術的に洗練した市場で、新しい機能を積極的に取り入れ、かつ、モバイルデバイスを利用するユーザーが多く、Firefox for Androidの開発でもそのことを考慮しているという。日本では、パーソナライズ、カスタマイズして利用するユーザーが多いので、そのために利用してもらう機能もアドオンで用意して、これまでできなかったカスタマイズを可能する予定だ。その楽しめる機能の1つとして「効果音」の導入を現在試験的に行っている。
このように、ユーザーの利便が向上するアドオンを多数用意しているFirefoxだが、一方で、初めて使うユーザーにとっては、アドオンの選択と組み込みがハードルとなる面もある。この解決のために、Mozillaでは、アドオンのチュートリアル機能を用意して、初心者でも自分が使いたいアドオンを探して導入できるように検討している。ただし、運用開始の時期については、まだ先になる見込みだ。
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