ソニー「DSC-RX100 II」(マークツー)は、2012年に発売された「DSC-RX100」の上位に位置する製品。開放F値 F1.8からのカールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズに、1型 有効2020万画素“Exmor”CMOSセンサーといった特徴的な部分はそのままに、センサーを裏面照射型とすることで高感度撮影性能が向上している。
既にDSC-RX100との比較については前後編に渡って掲載されているので、本稿では外観上の大きな特徴である「チルト液晶」、F1.8からの「レンズ」、撮った画像のシェアに利用できる「Wi-FiとNFC」の3点を中心に取り上げてみたい。
チルト液晶で撮影自由度が高く
DSC-RX100/IIの比較で言えば、IIは本体上部に「マルチインタフェースシュー」を備えており、別売りのマイクやストロボを装着できるようになっているが、なんといっても大きな違いは、背面液晶が上方へ84度、下方へ45度動かせるチルトタイプとなっている点だ。
この背面液晶モニタが動かせることにより、ローアングル撮影などが非常に快適にできるのはうれしい。地面すれすれのローアングルの撮影は、広がりのあるダイナミックな風景やペット目線の写真が撮れるのだが、背面液晶やファインダーが固定されていると地面にはいつくばらないと対象が見えないのだからアングルを決めることさえままならない。上下方向に背面液晶が動くだけで、ローアングル、ハイアングルといった撮影がラクに楽しめる。
操作部分に関しては既存RX100とさほど大きな変更点はなく、各種機能を割り当てられる「コントロールリング」や「ファンクションボタン」、すばやい設定変更が可能な「コントロールホイール」などがそのまま受け継がれている。とくにレンズ根本部分にあるコントーロールリングは支えている左手で設定を変更できるので便利。露出補正、ISO感度、ホワイトバランス、クリエイティブスタイル、ピクチャーエフェクト、ズーム、シャッタースピード、絞り、といった項目を設定して、リングを回すことで設定変更が可能だ。
ただ、ちょっと気になったのは、三脚に取り付けるとコントロールリングが動かしづらいこと。コントロールリングの外縁がボディ底面までくるデザインなので、三脚の雲台と干渉してしまう。小型で雲台が小さい三脚なら問題なさそうだが、一眼も取り付けることが可能な製品だと雲台も大きめなので、スムーズに操作するにはカメラと雲台の間になにかスペーサー的なものを取り付ける必要がありそうだ。
F1.8のカールツァイスレンズがなめらかなボケを演出
画質に関しては、裏面照射型センサーを搭載したことにより高感度でもさらなる精細な表現を実現しているのは先の記事(「DSC-RX100 II」と「DSC-RX100」を見比べて、撮り比べる(後編))で紹介したとおりだ。
今回は絞りの設定をF1.8からF11まで変更して、写り具合がどう変化するのか試してみた。F1.8はピントが合っている画面中央下の花以外はやさしい感じのボケが出ており、なかなかよい感じだ。
採用されている7枚羽根円形絞りは、開放から約2段絞ったところまではほぼ円形になるように設計されているので、点光源などを入れた夜景撮影でも十分楽しめそうだ。F3.5まで絞ると、花の細かなディテールまで精細に表現されており、F8まで絞ると全体的にもシャープな感じが出ているあたり、なるほどさすがバリオ・ゾナーT*といった印象。低価格な製品とは一線を画す画質であることは間違いない。
このRX100 IIには「超解像ズーム」機能が搭載されている。光学ズームは3.6倍(35ミリ換算100ミリ相当)までだが、この機能を使えば7.2倍(約200ミリ)まで解像感を保ったままズームができる。
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