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第24回 写り込みなしに車内から撮るときのコツ

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 (企業にお勤めの多くの方の)夏休みが終わった週にこんな話をするのもアレですが、電車にのって行楽や帰省する途中、窓の外をふと撮りたくなることあるじゃない。富士山が見えたとか海が見えたとか景色ががらっと変わったとか。飛行機に乗ってたら眼下に富士山が見えた、でもいいや。

 で、撮るじゃない。

 そうするとこういうことになったりするわけだ。

photo蛍光灯がハッキリ写り込んでる

 えっと、説明しやすいように電車が停止した状態で撮ってるのでちょっと絵的にはアレですがご勘弁を。

 車両の上と画面の一番上あたりに、よけいなものが写り込んでる。車内の蛍光灯である。窓越しに撮るときはたいてい「室内の明かり」が写り込んで邪魔するのだ。

 なぜこんなことになるのか。窓ガラスに照明が反射するからですな。

 ざっくり書くとこんな感じ。

photo適当で申し訳ない。さっきiPadのAdobe Ideasでさくっと手書きした

 照明の光が窓に反射して、iPhoneのカメラに入っちゃうのだ。

 それを防ぐにはiPhoneをガラス面にぴたっとくっつけて反射光が入る隙間をなくせばいいんだけど、それだと撮影アングルに制限が出る。ではどうするか。要するに邪魔な光だけ入らないようにすればいいのだ。こんな風に。

photoこんな感じに何かで遮れば、写り込みはない

 すると同じ位置で同じように撮った写真がこうなる。

photo写り込みが消えた

 このときはちょうど手元にあったモバイルバッテリーでふさいだのだけど、まあ、その辺にある……そうだな、固くて四角いものならなんでもいい。手でふさいでもいいけど、手だと指先が画面の端に写り込んだりしやすいので、それよりはおかしの箱とかそんなちょっと固いものの方がお勧め。

 分かりやすいように単純化したけど、斜めの光だともっとややこしいし、さらに夕方のように外がちょっと暗くなって「室内との明るさの差がなくなってくる」とよけい写り込みやすくなる。

photo思いっきり写り込んでます

 こういうときはどの照明が写り込んでいるかを見て、その角度を考えてピンポイントで上手にふさぐといい。このときはたまたま雑誌が手元にあったので(というか読んでたんだけど)、それで隠してみた。

photophoto効果が分かりやすいよう、わざと写り込ませて……(写真=左) 光源を探してふさぐと写り込みが消える(写真=右)

 片手で反射を防ぎつつもう片手で撮るというアクロバティックなことになるので、そこはうまく工夫してやってください。

 車窓越しで撮るともうひとつ気になるのが色。車両によって使ってるガラスが違うのでなんともいけないけど、ちょっと青緑がかぶってもやっと写ることが多い。それはまあしょうがないので、(前回、前々回と紹介した)Snapseedなどレタッチアプリに放り込んでちょいと派手目に風景ぽくお化粧してあげましょう。

photophotoちょっと色がカブってもやっとしてる(写真=左)、アプリ「Snapseed」の自動補正機能+ドラマフィルタでちょっと派手に(写真=右)

 これでいいかなと思ったら……右端上から1/3くらいの位置から左上に向かって写り込みが! ああ、撮るとき気づかなかったよ。油断してた。そればっかはどうしようもない……が、実はそうじゃないのかもしれないのである。ここでもうひとつアプリの登場だ。

今週の大技:TouchRetouch

 「TouchRetouch」(AppStore)というアプリを使うのである。

 これは写真に写り込んでしまったモノを消してくれるというおそろしいアプリ。かなり優秀である。こいつを使ってみる。TouchRetouchを起動し、「邪魔者」を赤く塗ってやるのだ。

photo指を使ってブラシで邪魔者のあたりをざっくり指定する

 ブラシか投げ縄で消したいものを含むエリアをざっくりと指定し、指定しすぎたら消しゴムで消してやる。ひととおり指定したら「スタート」をタップすればOK。一気にやると失敗したときのやり直しがめんどくさいので、ちょっと指定しては「スタート」、ダメなら「取り消し」(ひとつ戻る)を繰り返すといい。

 で、結果がこちら。

photo見事、余計なものが消えてくれました

 もうひとつ、ちょっと複雑なもので挑戦してみよう。

photo山を撮ったら、いろいろと写り込んでしまいました。よく見ると車内がいろいろ写り込んでます
photophotoTouchRetouchで写り込んじゃったものを指定中。さてうまくいくか……。かなりうまくいきました。すげー!

 というわけで、かなり優秀なのだ。

 ついでに電線も消しちゃえ、ってことで消した結果がこちら。

photo

 お見事。

 ただし、消したいものが山の稜線などの境目にかぶってたり、邪魔者がでかすぎるとうまくいかないので注意。当たり前だけど、写ってるものを消す=ほんとは写ってなかったものが写ってたように見せる、わけだから、万能ではないということですな。

 あとは、適当なフォトレタッチアプリで色や明るさを修正して仕上げればOKだ。やってみるとなんとかなることもあるもんである。ちなみに今回の技は、ガラス越しに夜景を撮るときなどいろんなシチュエーションで使えるのでぜひお試しを。

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