“宇宙最強”のモバイルゲーミングギア登場
ALIENWAREといえば、PCゲーマーから熱狂的な支持を集めるトップブランドの1つだ。負荷の高い最新3Dゲームを快適に楽しむための性能はもちろんのこと、一目で“特別”であることが分かるユニークなデザインを特徴としている。PCゲームに特化したいわゆるゲーミングPCは各メーカーもラインアップしているが、イルミネーションキーボードに代表される「ど派手」なスタイルは、このALIENWAREが切り拓いてきたと言っても過言ではない。
その新モデルが6月開催の世界的ゲームショウ「E3」(Electronic Entertainment Expo)で披露された。CPUがHaswell世代の第4世代Coreに、グラフィックスがNVIDIAの最新モバイル向けGPUであるGeForce GTX 700Mシリーズに切り替わり、ボディデザインも刷新。約2年半ぶりのフルモデルチェンジとなる。
ノートPCとしてラインアップされている14型の「ALIENWARE 14」、17型の「ALIENWARE 17」、18型の「ALIENWARE 18」から、ここでは最も小型のALIENWARE 14を紹介する。そのコンセプトは「宇宙最強のモバイルゲーミングギア」だ。
まずは外観デザインを見ていこう。ボディはマグネシウム合金製フレームとアルミニウムの外装で構成された非常に重厚な作り。直線基調のフォルムはステルス戦闘機をイメージしたといい、金属的な質感を残したブラックボディを、天板や側面に埋め込まれたLEDが際立たせる近未来なデザインだ。一方、パームレストや液晶ディスプレイの枠はラバー仕上げにし、ボディのエッジが手にあたっても痛くないよう配慮している。
本体サイズは334.98(幅)×258.35(奥行き)×40.12〜41.70(高さ)ミリと、14型ノートとしては大柄だ。特に厚みは最薄部でも40ミリを超えており、薄型デザインが主流になっている昨今のノートPCの中ではかなり異質な印象を受ける。また、ボディに金属を多用しているほか、発熱の大きい高性能なシステムを冷却する大きな銅製ヒートシンクを詰め込んでいるために重量も約2.77キロと重い。さらにACアダプタのサイズは74(幅)×156(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量は約650グラム(いずれも実測値)と、こちらも大きめの部類だ。“モバイル”をうたいながら合計で3キロを余裕で超えるところはいかにも米国発のノートといったところで、どこでも使えるモバイルPCというよりは、持ち運んで移動も可能な高性能ノートと考えるほうがしっくりくる。
なお、ALIENWAREの特徴の1つでもあるボディ各部に埋め込まれたLEDは、おなじみの専用ユーティリティ「ALIENWARE FX」によってカスタマイズできる。4つに区切られたキーボード面のほか、タッチパッドや電源ボタン、液晶下部のALIENWAREロゴ、天板のトレードマークなど、10個のエリアを20色のパレットで自分好みの色に変更できるため、世界で1つしかない自分だけのカラーリングも実現できる。ちなみにメールを受信したり、ALIENWARE FXに対応したゲームのアクション(ライフが減るなど)に応じて色を変える設定も可能だ。
広視野角、ノングレアのフルHD液晶を搭載
14型ワイドサイズの液晶ディスプレイは、映り込みを抑えたノングレアパネルを採用している。ノートPCの多くは店頭展示や写真などを表示した際に見栄えのいいグレアパネルを搭載することが多いが、ゲーミングPCである本機は、外光反射でゲームをじゃましたり、長時間のプレイでも目が疲れにくい非光沢仕様になっているのがうれしい。解像度は1920×1080ドットのフルHDに対応。パネルの駆動方式はIPSで視野角が広く、目視の印象では明るさも十分だ。なお、輝度は8段階で設定できる。
キーボードは19ミリピッチを確保した余裕のあるサイズだ。評価機に搭載されていたのは英語キーボードだったが、日本語/英語のどちらでもオプション費用なしで選択できる。主要キーのサイズは約19ミリ正方で、キートップを凸型の形状にすることでタイプミスをしづらくしているほか、カーソルキーのみ一段下げる工夫も目を引く。ちなみにホームポジション以外に、FPSゲームなどで方向キーの中心になる「S」キーにも指で触れて分かる小さな突起がある。ゲーミングPCらしい配慮だ。
タッチパッドの入力領域は実測値で101(横)×57(縦)ミリと広い。ボタンは標準的な2ボタン式で、パームレスト同様、ラバー風の仕上げになっている。ボタンの押し心地は柔らかめだが、ストロークが深く、クリック感は十分だ。ちなみに、タッチパッドの感度やスクロール設定などは、専用ユーティリティの「Alien Touch」でカスタマイズできる。
インタフェースは、左側面に音声関連端子、USB 3.0×2、HDMI出力、Mini DisplayPortを並べ、右側面に9-in-1メモリーカードスロットとUSB 3.0×1、光学ドライブ、ギガビットLANを搭載する。有線LANにネットワーク遅延を抑えるKiller NICを採用しているのがポイントだ。このほか、液晶上部に200万画素Webカメラを内蔵。ワイヤレス機能として802.11ac対応無線LANとBluetooth 4.0も備える。各種ポートの種類、数ともに、メインマシンとしても不満のない構成といえるだろう。
なお、本機の冷却機構は、メッシュカバーをはめ込んだ底面から空気を取り込み、背面に向かって排気する構造になっている。底面の突起で吸気するための空間を作るようになっているため、ベッドの上やひざなど吸気口をふさいでしまう環境で利用するのは避けたほうがよさそうだ。また、3Dゲームの実行中はファンが勢いよく回る。高い負荷をかけ続けると風切り音はかなり大きくなるので、深夜など静かな環境でゲームに没頭したいならヘッドフォンの着用をオススメしたい。
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