カナダBlackBerryは8月12日(現地時間)、合併事業、提携、身売りを含む戦略代替案を検討するための特別委員会を設置したと発表した。
特別委員会の委員長は、同社取締役で米投資ファンドTPG Capitalのパートナーであるティモシー・ダッテルズ氏が務める。委員会には、CEOのソーステン・ハインズ氏も加わる。
ダッテルズ氏は発表文で「この1年間、われわれはBlackBerry 10およびBES(BlackBerry Enterprise Solution) 10の立ち上げ、財務状況の強化、顧客および株主への長期的価値提供の最善な方法の検討に集中してきた。われわれの技術の重要性と強さ、そして市場における競争について考慮し、今こそが戦略代替案を検討すべき時であると確信する」と語った。
BlackBerryは、1984年、Research In Motion(RIM)という社名で起業した。1998年にカナダの株式市場で株式公開し、1999年にメールも受信できるポケベル「BlackBerry 850」を発売。2000年には初のスマートフォン「BlackBerry 957」を発売し、企業向け端末として一世を風靡した。
2006年にはコンシューマー向けの「BlackBerry Pearl」を発表し、同年の世界PDA出荷台数のメーカー別シェアで首位を獲得している。
だが、2007年に発売された米AppleのiPhone、2008年の「G1」を皮切りに市場に投入された米GoogleのAndroid搭載端末などに押され、シェアを下げていった。
2012年には売り上げ不振の中、創業者の共同CEO、マイク・ラザリディス氏とジム・バルシリー氏が辞任し、当時COO(最高執行責任者)のハインズ氏がCEOに就任。翌年1月に新OS「BlackBerry 10」のリリースに合わせ、社名をBlackBerryに変更した。
2013年4〜6月期のOS別世界スマートフォン出荷ランキングでは、米MicrosoftのWindows Phoneに抜かれ、4位(シェアは2.9%)だった。6月に発表した第1四半期(3〜5月)の業績では、8400万ドルの赤字だった。
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