矢野経済研究所が12月9日に発表した2013年度の「オタク」市場に関する調査結果によると、アイドル市場やボーカロイド市場の成長が貢献し、市場全体は好調に推移した。関連して実施した消費者アンケートでは、オタクを自認している人は全体の23%で、うち67%が未婚者という結果が出た。
市場調査は、面談や電話によるヒアリングやネット調査などを通じて今年8〜10月に行った。消費者アンケートは9月、国内在住の15〜69歳の男女1万80人に対してネットで行った。
アイドル市場は「AKB48」や「ももいろクローバーZ」などの人気が貢献し、前年度比19.9%増の863億円。ボーカロイド市場は「初音ミク V3」の発売や2次創作の盛り上がりなどで同19.2%増の87億円に伸びた。トイガン(エアソフトガンとモデルガン)市場はサバイバルゲームの拡大などで同23.1%増の80億円に拡大した。
同人誌市場はダウンロード販売が好調で同2.2%増の732億円、プラモデル市場は同2.2%増の254億円、鉄道模型市場は同1.1%増の88億円、フィギュア市場は同0.2%減の311億円、コスプレ衣装市場は同1.0%増の423億円、恋愛ゲーム市場は10.2%増の130億円、アダルトゲーム市場は同5.1%減の188億円、ボーイズラブ市場は同0.5%減の214億円——などとなっている。
消費者アンケートで「自分を『オタク』だと思いますか、もしくは人から『オタク』と言われたことはありますか」と聞いたところ、「はい」と答えたのは23%。うち既婚者(過去に結婚経験有りを含む)層は33%だった、
オタクを自認する層について、分野別に1人あたりの年間の平均消費金額を算出したところ、最も高い消費金額となったのはアイドル市場の9万4738円、次いで鉄道模型の4万7330円、アダルトゲーム4万1877円だった。ボーカロイドは最も低く、5339円だった。
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