ヤフーは12月1日、専門家などが「Yahoo!ニュース」に直接記事を執筆する「Yahoo!ニュース個人」で、オーサー(書き手)の支援を強化すると発表した。ページビューに応じてオーサーに支払う報酬を1.7倍に増やすなど金銭面での支援を強化するほか、「Yahoo!ニュース」の各記事のコメント欄にオーサー専用のコメント枠を設けるなど活躍の場を広げる。
「Yahoo!ニュース個人」が2012年9月にスタートしてから2年。同日、オーサーを招いた初のイベント「オーサーカンファレンス2014」を開き、現状と今後について説明した。
オーサーの数は当初の55人から465人に拡大し、ユーザーは当初の約6倍に増加したという。投稿記事には、ユーザーによる議論を喚起し、シェアされやすい内容が多く、1記事当たりの流入数は「Yahoo!ニュース」全体平均の22倍に上るという。
ただ、執筆を中断してしまった書き手も多いなど「オーサーが継続的に活動したいと思えるような場になれていない」(ヤフーメディアサービスカンパニーニュース本部の片岡裕本部長)ことが課題。書き手の支援を強化し、継続して投稿してもらえるようにする。
記事のページビュー(PV)に応じて支払われるインセンティブ(報酬)の額は従来より70%増やすほか、投稿の頻度に応じて報酬が支払われる仕組みを追加。オーサーが自分のTwitterやFacebookなどを通じて記事をシェアし、新たな読者に届けた場合にもインセンティブを付与する。
また、同サービスの目標を「オーサーによる社会課題の発見と言論を通じてより多くの解決を促す」と設定。この目標を最もよく体現したオーサーを表彰し、賞金を贈る制度も導入する。賞金は月1回選ぶ「Most Valuable Article」が10万円、年1回の「年間オーサーアワード」が100万円。
オーサーの活動の場や、ユーザーの目に触れる機会を広げる施策も。「Yahoo!ニュース」の記事にオーサー専用コメント枠を新設。専門性に基づくコメントを投稿してもらい、読者の理解向上とオーサーの知名度向上につなげる。
社会的に注目度の高い課題については、編集部からオーサーに記事テーマを提案。書かれた記事を専用ページに集約して紹介するなど露出の機会を増やす。「Yahoo!みんなの政治」「THE PAGE」などヤフーグループの他サービスへの記事掲載も行う。
同社の宮坂学社長は「わたしも6年ほど前までYahoo!ニュースを担当していたが、当時から、21世紀を代表するようなニュース空間を作りたいと思っていた。日本で一番ニュースの書き手をサポートし、書き手が主役となってより良いニュース環境を作りたい。Yahoo!ニュース個人からピューリッツアー賞を受賞する記事が出るようなすばらしいい日を夢見て、今日を第1歩に頑張りたい」などと話した。
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