企業家に聞く:南場智子氏【後編】:「不格好経営」——DeNA南場智子氏、ゴールを追える人材こそがグローバル (1/4)
DeNAを創業し、現在は取締役としてその経営に携わる南場智子氏。近著『不格好経営—チームDeNAの挑戦』でも触れているグローバル展開について、そこに対する南場氏の思いや、求められるグローバル人材像について聞いた。
DeNAを創業し、現在は取締役としてその経営に携わる南場智子氏に引き続き話を聞く。
初の著書『不格好経営—チームDeNAの挑戦』(日本経済新聞出版社・刊)では、DeNAが現在の姿に至るまでの過程を多くの失敗談も交えながら赤裸々に紹介している。そして、今後の展望としてグローバル展開に向けての南場氏の決意も述べられているのも印象的だ。インタビュー後編では、そこに対する南場氏の思いや、求められるグローバル人材像について聞いた。
ベンチャーが生まれる環境とは?
まつもと ——前半でも述べられたように、DeNAでは会社が成長しても「永久ベンチャー」でありたいと考え、先般リリースしたスマートフォン向け無料通話アプリ「comm」(コム)など次々と新しい事業が立ち上がっています。その背景や前提についても伺いたいと思います。
南場 DeNAから少し拡がった話になりますが、ベンチャーというのは国の活力を示す証です。日本でも以前に比べ起業に掛かるコストはずいぶん下がり、ユニークなベンチャーも生まれています。ただその数がまだまだ少ないし、世界的に注目されている企業も限られていますね。
教育と社会の価値観、この2つが大きく作用していると思います。教育面では「間違えない達人」を量産することに主眼が置かれてしまっていること、そして「自分の感動や情熱、価値観を他人と共有することを奨励しない文化」になっているな、と感じます。その結果でもありますが、「安定=変ぼうしないこと」が尊ばれる、つまり「大企業が1番」という社会風土になっているかな、と。
まつもと どうすればそれは解決され、ベンチャー=活力が次々生まれる環境になるでしょうか?
南場 1つは教育を抜本的に見直すことですね。トライアルでも良いからやってみる。アメリカの教育もさまざまな問題を抱えていますが、教育熱心な学校では「世界のリーダー」を真面目に育てようとしている。そこでは低学年のころから、先ほど述べたような価値観が奨励され、Out of boxと呼ばれる「ゼロベースの解を自分で考える」訓練が行われています。問題に対する答えは1つ、ではなく問題そのものを疑うような思考が奨励されたりもするわけです。
でも、教育は時間がかかるし、教育者の資質にも依存します。子ども達を教育する人たちは旧来型の教育を受けた人が圧倒的に多いわけです。だから、そこにばかり頼るわけにはいかない。一種のショック療法が必要だと思います。
経済はもはや国内に閉じたものではありえません。また貧困やエネルギーといった課題も、国境を越えたものになっています。にもかかわらずグローバルな視点を持った人が少なすぎる。だから、「たくさん外に出す」そして「たくさん外から入れる」ことが必要になってきます。
まつもと 留学などでしょうか?
南場 それも1つですね。若いほうが良いという面はあるでしょう。ただ、労働力としての移民も大事なのですが、いわゆる知的生産者、クリエイター、グローバルリーダー達を大量に日本に連れて来て欲しいですね。税制優遇などの制度が必要でしょう。東京限定、とか京都限定とか地域を定めてということでも良いはずです。
まつもと DeNAもソーシャルゲームを中心にグローバル展開を強化していますね。
南場 社内についてはもう「ガンガンに」やってますね(笑)。どんどん人材を海外に出しています。国内にももう少し外から入れたいと思っていますが、まずは今は海外市場を攻めるフェーズです。
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