ソニーが開発中と報じられた電子ペーパー製スマートウォッチは、「FES Watch」として現在クラウドファンディング中であると米Wall Street Journalが11月28日(現地時間)に報じた。
FES Watchのクラウドファンディングは2014年9月8日〜9月26日にサイバーエージェントのMakuakeで実施して目標調達額を達成済みだが、好評につき現在追加受付中だ。1万9800円で製品を購入できる支援コースのみ提供している。出荷は2015年5月以降の予定。
FES WatchはFashion Entertainments(FES)という“スタートアップ”のプロジェクトとなっており、ソニーとのかかわりはこれまで表面化していなかった。
このプロジェクトのある関係者はWall Street Journalに対し、「ソニーの名前を隠したのは、純粋にわれわれのコンセプトに需要があるのかどうか、この製品の真価を見極めたかったからだ」と語った。
このプロジェクトは、2013年創業で東京都世田谷区に拠点を置くデザイン企業、TAKT PROJECTとの共同プロジェクトとなっている。同社の4人の共同創業者は全員デザインオフィスnendoの出身で、そのうちの1人、宮崎毅氏は2013年までソニーのクリエイティブセンターに在籍していた。
TAKT PROJECTの活動は2011年から始動しており、ソニーの平井一夫社長兼CEOが立ち上げた新規事業創出部の取り組みの一環としてスピンアウトしたようだ。
このスマートウォッチは、ソニーの「SmartWatch」のように多機能ではなく、柄(スキン)のデザインの変化を楽しむファッションウォッチになっている。通常は無地の状態で、時計を見る動作をするとスキンが表示される。スキンは24パターン用意されており、リューズ部分を操作することで変えられる。
現在のプロトタイプの仕様は、文字盤のケースサイズが直径46ミリ、厚さ7ミリで全体の重さは50.6グラム。表面素材はPET(ポリエチレンテレフタラート)、裏面素材はウレタンゴムとなっている。電子ペーパーの種類については明記されていない(がソニーの「デジタルペーパー」と思われる)。電源はボタン電池で電池寿命は60日以上(改善を検討中)。
FES Watchは、電子ペーパーで新しい製品を創造するプロジェクトの第一弾という位置付け。現在蝶ネクタイやクラッチバッグのコンセプトモデルを開発中だ。
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