「将棋電王戦FINAL」の開催を記念し、羽生善治名人と伝説のチェスプレイヤーガルリ・カスパロフ氏によるチェス対局が28日の午前10時から行われる。
将棋界においてタイトル獲得数歴代1位を記録し、現在も四冠を保持している羽生名人。大人になってから始めたという趣味のチェスでも強さを発揮し、日本ランキング1位の実力を誇っている。
対するガルリ・カスパロフ氏は、1985年に史上最年少の22歳で世界チャンピオンとなり、以後15年間タイトルを保持した伝説のチェスプレイヤー。1997年にIBMが開発したチェスソフト「ディープブルー」と“人類代表”として対戦し、歴史的敗北を喫したことが大きな話題となった。
2人のレーティング差では通常行われないハンデなしの真剣勝負をエキシビションマッチとして開催し、ニコニコ生放送で中継する。カスパロフ氏は2005年に現役を引退後、現在はロシアで政治家として活動しており、クロックを使った正式な対局は「約5年ぶり」という。
カスパロフ氏は来春開催の「将棋電王戦FINAL」の振り駒も務め「将棋の歴史の中で重要な一戦の始まりを担う貴重な役に選んでもらえて光栄。今回の羽生名人との“異種対局”が日本におけるチェスの普及や認知、そして海外への将棋の魅力の発信両方につながれば」と話す。
「チェスの世界でコンピュータの実力がアマチュアレベルからトッププロを大きく超えていく20年を目撃した身として、コンピュータとの闘いは協力関係を築くための礎になったと言える。将棋はチェスと違ってまだ拮抗状態、人間がベストの実力を発揮した時にコンピュータを上回ると示せる意味で5局のうち1局でも勝てば大きな勝利だと思う。将棋とチェス、2つの偉大な頭脳スポーツのファンやプレイヤーが今後より増えていくことを期待したい」(カスパロフ氏)
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