米調査会社IDCが11月25日(現地時間)に発表した予測によると、世界におけるタブレット出荷は2014年に大きく減速し、2014年の出荷台数は前年比7.2%増の2億3570万台になるという。2013年は前年比52.5%増だった。
出荷台数鈍化は、米AppleのiPadの通年出荷台数が、同端末発売以来初めて前年を下回る(前年比12.7%減)ことが大きく影響するという。
IDCはその原因の1つを、タブレットの購入サイクルがスマートフォンよりもPCに近い3〜4年サイクルであることと指摘する。特にiPadは古いモデルでもソフトウェアアップデートに対応することが大きいという。
今回の予測では2018年までの出荷台数推移を発表しているが、IDCは未知の要因として、米MicrosoftのSurfaceシリーズのようにキーボードを装着してノートPCのようにも使える「2イン1」モデルの可能性を挙げた。こうしたタブレットの出荷台数は2014年は総出荷台数のわずか4%(870万台)にすぎないが、来年リリース予定の「Windows 10」のタブレット対応が使いやすければ伸びる可能性があるとIDCはみている。この他の要因としては、米GoogleがAndroidとChrome OSを今後どう扱っていくのか、Appleが製造ラインを拡大するかどうかなどを挙げた。
OS別のシェアでは、2014年はAndroidがトップで67.7%、iOSが2位で27.5%、Windowsが大きく離された3位でシェアは4.6%だが、前年比では67.3%と大きく伸びた。この順位は少なくとも2018年まで変わらないとIDCはみている。
順位 | OS名 | 2014年出荷台数 | 2014年市場シェア(%) | 増加率(%) | 2018年出荷台数 | 2018年市場シェア(%) | 増加率(%) | 2014〜2018年の成長率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Android | 159.5 | 67.7 | 16.0 | 183.1 | 64.0 | 2.2 | 5.9 |
2 | iOS | 64.9 | 27.5 | -12.7 | 70.1 | 24.5 | 2.2 | -1.1 |
3 | Windows | 10.9 | 4.6 | 67.3 | 32.6 | 11.4 | 17.9 | 38.1 |
その他 | 0.5 | 0.2 | -70.6 | 0.1 | 0.0 | -11.3 | -43.0 | |
合計 | 235.7 | 100.0 | 7.2 | 285.9 | 100.0 | 3.8 | 5.4 | |
(資料:IDC) |
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