MicrosoftのOfficeといえば、これまでWindowsのキラーアプリケーションの代名詞とも言われていた。しかし、サブスクリプションモデルのOffice 365が普及するにつれて少し状況が変わってきた。その変化の1つが、Office自体をスマートフォンやタブレットなどで動作させるようにするというものだ。今回はOfficeのマルチプラットフォーム化について解説する。
従来方針を一新
Microsoftは、これまでOfficeのマルチプラットフォーム化に関して積極的とは言えなかった。実際、Officeとしてリリースされている製品は、Windows版やMac版など有償のソフトウェアが中心だった。これ以外に、Web版のOfficeといえる「Office Online」(旧Office Web Apps)が個人向けには無償提供されている(ビジネス利用にはOffice 365のライセンスが必要)。また、スマートフォン向けには「Office Mobile」という名称のアプリが提供されていた。
ちなみに、Office OnlineではOutlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、OneDriveなどが提供されているが、Office for iPadにはOutlookが含まれない。企業向けのOffice 365ライセンスではiPadからLync、OWA for iPad(Webブラウザ版のOutlook)、SharePoint Newsfeed、OneDrive for Business、Yammerなどのアプリが利用できる。
リリース当時のOffice Onlineや2013年までのOffice Mobileは、Windows版のOfficeに比べると操作性やドキュメントの互換性などに難点があり、はっきり言って積極的に採用しようというユーザーは一握りだった。Office Mobileに関しては、ドキュメントを閲覧できても、編集できなかったり、スマートフォンのタッチ操作性を生かせなかったりと、ユーザーの評判が良いとは言えなかった。
しかし、2014年3月末にOffice for iPadを発表したことで、大きな方向転換が起きた(日本では2014年11月からAppStoreでの日本語版提供が始まっている)。
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