米配車サービスUberの幹部が同社に批判的なジャーナリストの行動を暴露することは簡単だなどと発言したという報道を受け、米上院議員のアル・フランケン氏(ミネソタ州選出・民主党)は11月19日(現地時間)、Uberのトラビス・カラニックCEOに公開質問状を送った。
フランケン議員は上院商業委員会プライバシー、テクノロジー、法律小委員会の委員長を務め、プライバシー擁護派として知られる。
フランケン氏が問題にしているのは、米BuzzFeedによる、Uberの事業担当上級副社長であるエミル・マイケル氏が14日、同社に批判的な記者の行動を調査し暴露するための調査チームを結成すべきかもしれないと発言したという報道や、Uber社内には「God View(神の視野)」と呼ばれる顧客の個人情報を追跡できるツールがあるという報道。記事によると、God ViewはUberの従業員の多くが利用できているという。
質問状は、マイケル氏の処分や「God View」の詳細、Uberのプライバシーポリシーの不透明な部分についてなど、10項目の質問から成り、12月15日までの回答を求めている。
Reutersによると、マイケル氏が名指しで槍玉に挙げた記者やプライバシーを公開された他のジャーナリストがUberを提訴することはないという。だが、プライバシー問題が大きくなれば、米連邦取引委員会(FTC)がかつての米Googleや米Facebookに対してと同様の調査に乗り出す可能性は高い。
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