Mozillaと米Yahoo!は11月19日(現地時間)、5年間の戦略的提携を結んだと発表した。この提携により、米国でのFirefox(モバイル版を含む)のデフォルト検索エンジンが、12月からこれまでのGoogleからYahoo!に変わる他、将来的には製品統合などを検討していくという。
FirefoxでのYahoo!検索の結果ページも、Mozillaチームからのフィードバックを反映したものに刷新し、このデザイン変更を他のWebブラウザでも2015年から提供する。
Mozillaは2004年から10年間、米Googleと検索契約を締結しており、今年はその更新年だった。Mozillaのクリス・ベアードCEOは「この機会にわれわれの競合的適応戦略を再検討し、別の選択肢を探求することにした」と語った。
Google出身のYahoo!のマリッサ・メイヤーCEOは「Mozillaが長期検索契約の相手としてわれわれを選んでくれたことをとても誇らしく思う」と語った。
今後もGoogle検索は検索エンジンの選択肢として、BingやDuckDuckGoとともに表示される。また、セーフブラウジングと位置情報機能のFirefoxへの提供も継続する。
また、ロシア版Firefoxのデフォルト検索エンジンがロシアの検索市場トップの「Yandex Search」になる。中国では従来通り「Baidu(百度)」がデフォルトのまま。その他の日本を含む残りの国および地域では引き続きGoogleがデフォルト検索エンジンのままになる。
Mozillaは検索エンジン企業との提携の詳細を公開していないが、2011年のGoogleとの契約更新の際、Googleは年額約3億ドル、3年で約9億ドルをMozillaに支払うと報じられている。
ベアードCEOによると、Firefoxユーザーは年間1000億回以上検索を行っているという。
米分析会社Net Applicationsによると、10月の世界検索エンジン市場(デスクトップ)のトップはGoogleの58.01%、2位はBaidu(29.06%)、米MicrosoftのBingが3位(8.1%)、Yahoo!(日本を除く)は4位(4.01%)だ。今回の提携はYahoo!にとって、シェア拡大の機会になりそうだ。
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