ソフトバンクグループのWCP(Wireless City Planning)は7月26日、同日に開催された第995回電波監理審議会における、「広帯域移動無線アクセスシステムの高度化のための特定基地局の開設計画の認定」の答申を受けて、総務大臣、電波監理審議会会長、総務省総合通信基盤局長あてに「不服申し入れ及び情報公開請求書」を提出した。答申では、UQコミュニケーションズに2.5GHz帯の追加割り当てを行うことを認定した。
WCPは「本答申の審査結果は当社が申請した内容が専門的見地に基づき、客観性、公平性の観点で適切に評価されていない。電波監理審議会審議前であるにも関わらず、認定事業者が事実上決定されたと報道され、プロセスにおいても重大な疑義があり、審議会の形骸化を懸念する」とコメント。同社は、電波監理審議会前日の25日に、一部報道機関がUQコミュニケーションズに追加周波数を割り当てると報じたことを受け、同日に、2.5GHz帯BWA追加周波数割り当ての決定プロセスに対する要望書を総務省に提出していた。
情報公開請求書では「広帯域移動無線アクセスシステムの高度化のための特定基地局の開設計画の認定の延期」「電波監理審議会による再審議」「総務省担当官数名による主観的な評価資料に基づく間接的な審議ではなく、申請者からの公開ヒアリングを含めた直接的な審議」の3点を申し入れる。
あわせて、総務省で今回の認定に直接及び間接に関わった担当者、総務省OB(いわゆる天下りを含む)を含めた全関係者の携帯電話通話記録、面談の記録・資料、PCと携帯メールの通信記録、申請・審査にかかる一切の書類についての情報公開も請求する。
これらの申し入れが受け入れられなかった場合、WCPは、行政不服審査法と行政事件訴訟法に基づく対応も辞さない構えを見せている。
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