IDC Japanは11月18日、世界のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)市場に関する予測を発表した。レポートではIoT市場を世界規模で分析し、IoTのデバイス接続数や収益機会に関する予測を技術分野別および地域別に予測している。
それによると、世界IoT市場は2013年の1兆3000億ドルから、2020年には3兆400億ドルに拡大するという。2013年〜2020年の年間平均成長率は13%になると予測している。さらに、2020年のIoT向けインテリジェントシステム/エッジデバイスの接続数は300億台となるとしている。
同社は、IoTを「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なインテリジェントシステム/エッジデバイスからなる、ネットワークを束ねるネットワーク」と定義する。
またIoT市場のエコシステムの構成要素には、インテリジェントシステム/エッジデバイス、コネクティビティ、プラットフォーム、アナリティクス、アプリケーションがあり、さらに、それらに付随する専門サービス、セキュリティサービスも含まれるとし、インテリジェントシステムは「高度なオペレーティングシステムを有し、自動的にインターネットに接続され、ネイティブアプリケーション/クラウドアプリケーションを実行し、センサーなどが収集した情報を分析する機能を持つ安全に管理された電子システム」としている。
IDCは、さまざまな事業者が数百億台の接続デバイスを通じて数兆ドルもの収益をもたらすと予測されるIoT市場に対し、取り組みを活発化していると分析。IoTは既に単なるバズワードではなく、ベンダーの将来的な成長を支える上での重要な実ビジネスになりつつとしている。
さらに地域別のIoT市場の傾向として、北米市場では法規制や技術標準化のギャップというような阻害要因の影響が少なかったことから、IoT市場の土台を早期に築くことに成功し、短期的には市場をけん引する立場にあると解説。一方、西欧とアジア太平洋地域では政府の指導や、よりオープンな環境を重視する思想が後押しすることにより、IoTデバイスの普及台数が2020年までに北米を上回ると予測している。
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