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東芝がテレビ・PC事業の構造改革を発表、新興国/BtoB市場へのシフト加速

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 東芝は2013年7月26日、テレビ、PCなどを展開するデジタルプロダクツ事業で、同事業の国内従業員の約2割に相当する400人を2013年中に社会インフラ事業などに配置転換するなどし、2014年度の固定費を2012年度比200億円削減する構造改革策を発表した。同事業として2013年度下期の黒字化を目指す。

 東芝は2012年に、テレビ事業、PC事業で設計開発機能を青梅事業所へ集約するなどの構造改革を実施してきた。しかし、「国内市場での地上デジタル放送移行完了後の市場縮小の継続、欧州経済の低迷などに起因したテレビの需要減少、価格低下、さらに円安などの要因も重なり、テレビ事業は2期連続の赤字を計上している。スマートフォンやタブレット端末との競合によるPC需要の減少など、PC事業を取り巻く環境も今後一層の厳しさが予想される。そこで2013年度に、テレビ事業、PC事業双方において、さらなる構造改革を推進することで、デジタルプロダクツ事業の2013年度下期の黒字化を目指す」(東芝)として構造改革の実施を決めた。

テレビ機種数を、2012年度115種から2013年度67種に削減

tt130726TOSHIBA02.jpg東芝の4K対応液晶テレビ「レグザ Z8X」

 テレビ事業では、世界レベルで製品設計の共通化を進め2013年度中に、製品設計のベースになるプラットフォームの数を14から9に削減し、2012年度115種あった機種数も67種に減らす。生産委託先についても従来の1/3に絞り込み、「機種別に自社生産、委託生産のすみ分けを図る」とした。販売面では、新興国を中心とした注力地域に集中し、新興国市場売り上げ比率を2012年度の約30%から2013年度は約40%へと引き上げる。商品展開では、4k対応液晶テレビなど大型付加価値テレビの積極的な世界展開やクラウドサービスの提供、地域特性に合ったローカルフィット商品の継続投入などを継続して実施。同時に、デジタルサイネージ市場や、ホテル、病院など向けBtoB事業を強化する。「グラスレス3Dテレビ技術の医療への応用など、当社の強みである広い事業領域を生かし、全社的な部門間連携にも取り組む」(東芝)としている。

PC販売比率、2015年にはビジネス向けで40%目指す

 PC事業でも、プラットフォーム数を2013年度中に20から15に削減し、開発効率を高める。販売面でもテレビ事業同様、新興国市場、BtoB事業の拡大を掲げ、人員の配置転換などを実施し、「従来のBtoCを中心としたPC事業からの転換を図る」(同社)という。企業向けにセキュリティやモビリティを強化した機種の投入などを進める。それにより2012年度は約20%だったBtoB向け販売比率(金額ベース)を2015年度に約40%に高める方針。また、PC事業での新興国市場売り上げ比率を2012年度の約30%から2013年度は約40%への引き上げを狙う。

 8月1日付で、社内カンパニーである「デジタルプロダクツ&サービス社」内の組織再編も実施する。2011年度に導入した地域別事業部体制からテレビなどの映像事業を所管する「ビジュアルソリューション事業部」、消費者向けPCやタブレット端末などを所管する「パーソナルソリューション事業部」、業務用事業を所管する「ビジネスソリューション事業部」の3事業部制に改める。また、国内でテレビ事業、PC事業に関わる従業員総数の約20%に相当する約400人の従業員を2013年度中に社会インフラ事業などへに配置転換する。

「聖域設けず、さらに構造改革」

 東芝では、「今回決定した施策は2013年度実施を計画している構造改革の一部であり、今後も生産や国内外販売体制の見直しなども含め、聖域を設けずに、さらなる構造改革を策定、実施していく」としている。

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