自分と子どもの個人情報が流出し、プライバシーが侵害されたとして、弁護士の金田万作さんがベネッセを相手取り、合計11万円の慰謝料を求める民事訴訟を11月末日に提起するとブログで明らかにした。訴状のひな形も公開。訴訟を提起したい人に自由に使ってほしいとしている。
ベネッセの個人情報流出事件では、推計約2895万件の情報が名簿業者に漏えい。被害にあった顧客に対してベネッセは、500円相当の金券をおわびとして送っている。
金田さんは7月に公開したベネッセへの通知で、これまでの訴訟例から、個人情報の流出の補償は5000円〜1万円と指摘。子どもの生年月日や性別は「親が特別に保護したい情報」で、「今後長期間使われる恐れが強い」とし、さらに多額になると指摘している。
金田さんが提起する訴訟では、自分自身の個人情報流出への慰謝料として1万円を、子どもへの慰謝料として10万円を請求。「手間暇を考えるとなかなか難しい」訴訟だが、「社会的意義を考え」て提起しするという。
ブログでは、訴状のひな形と、ひな形に解説コメントを入れた資料、証拠説明書ファイルも公開。個人情報流出の被害者がベネッセを訴えるために必要な書類や手続きについて解説した。「このまま1人500円では納得出来ないという方はぜひともご参加下さい」としている。
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