米Amazon.comが米出版大手Hachetteの書籍を購入しにくくしていた問題が終結した。Hachetteが11月13日(現地時間)、Amazonとの契約を更新したと発表した。
新契約が履行されるのは2015年だが、両社の関係は“直ちに正常に戻る”としており、間もなくHachetteの書籍のAmazonでの予約や値引きが復活するもようだ。
米GeekWireが転載した発表文によると、両社は米国における書籍および電子書籍の販売に関する新たな複数年の契約を締結したという。契約条件などは公表されていない。
Hachetteのマイケル・ピーチCEOは「新契約はHachetteの作家の利益になる」とし、AmazonのKindle担当副社長は「Hachetteがより低価格で書籍を提供するための特別報奨金を含むこの合意に満足している」と語った。
Amazonは今年5月、Hachetteとの書籍販売に関する契約更新交渉が決裂した後、Amazon.com上のHachetteの書籍ページから予約ボタンを消すなどの圧力を掛けていた。主な争点は、書籍の値下げをめぐるものだった。両社の争いはHachetteから書籍を出している作家らをも巻き込み、物議を醸していた。
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