米Appleのティム・クックCEOは10月30日(現地時間)、米Businessweekへの寄稿で、「私はゲイであることに誇りを持っている」とカミングアウトした。
同氏はこれまで自分のプライバシーを極力守るようにしてきたが、それが自分が目指している他者への貢献の障害になっていることに気づき、カミングアウトを決意したという。
Apple社内では同氏が同性愛者であることを知っている従業員が多数おり、それで接し方が変わることはないという。創造性とイノベーションを愛し、人々の違いを認めてこそ成功することを知る企業で働ける自分は幸運だが、すべての人々がこれほど幸運ではないと同氏は語る。
「AppleのCEOがゲイだと知ることで、自分自身を受け入れられずにいる人が救われ、孤立していると感じている人が安らぎを得、差別と戦う人が励まされるなら、私のプライバシーを犠牲にする価値はある」(クック氏)
同氏は昨年11月、雇用上の保護に関する米国の法律で性的指向および性同一性も対象にする法案の支持を求めるコラムをWall Street Journalに寄稿した。
AppleのCEOとしても、8月に公開した同社のダイバーシティページで「Appleはダイバーシティを人種と性別だけの問題ではなく、性的指向、軍歴、身体障害なども含むものと考えている」と語った。
「(カミングアウトを決意するのは)簡単なことではなかった。(中略)Appleは私の生涯の仕事であり、これからも私の生活のすべてを最高のCEOであるために捧げていく。(中略)私に最適で、私に喜びをもたらすこの仕事に集中することを人々が尊重してくれることを希望する」(クック氏)
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