ブラック・アンド・デッカーは10月29日、同社初のスティック型クリーナー「ORA」(オーラ)を発表した。世界最大の電動工具メーカーが満を持して投入する2 in 1のサイクロン掃除機。世界に先駆け、11月中旬から日本で発売する。価格は5万7000円。
ブラック・アンド・デッカーは、1910年に米国で設立された電動工具メーカー。1971年に「アポロ15号」が月面に着陸した際、地質探査のために月面を掘削した「月面掘削ドリル」は、同社とNASAが共同開発したものだ。1979年にはこの技術を応用して世界初のコードレスハンディクリーナーを発売。家電に“コードレス”という新しいコンセプトを持ち込んだ。
ORAは、「Optimized Runtime & Airflow」(最適な作業時間と吸引力)をコンセプトに日本とイギリスの開発チームが共同で開発した。ターゲットは主に共働き世帯で、「女性の使いやすさを考慮しつつ、男性にアピールできる仕様設計を目指した」(同社)。
その特徴は、分離/合体機構と変形の要素まで備えていることだろう。コードレスのスティック型掃除機が基本となっているが、モーターやサイクロン部を含む「ボディーユニット」はワンタッチで取り外しが可能。先端に付属のノズルを取り付ければハンディー掃除機に早変わりする。
さらにボディーユニットには蛇腹構造の伸縮ホースが内蔵されており、これを延ばすとノズル部の取り回しが容易になる仕組み。ホースは最大60センチまで伸びるため、付属のショルダーストラップで本体を肩にかけ、ノズル部分だけを操作するといったスタイルにも対応できるという。
製品には5種類のノズルアクセサリーを同梱(どうこん)。隙間ノズルとブラシを切り替えて使える「2 in 1コンビネーションノズル」をはじめ、ソファーやペットの毛に適した「ペット&ファブリックノズル」、広い面を掃除できる「ロングブラシノズル」などが付属する。「延長ノズル」は最大58センチまで延びる上に角度を付けることも可能だ。
床を掃除するためのメインヘッドは、モーターを内蔵したパワーブラシで、日本市場を想定して太さや固さの異なる3種類のブラシとラバーを組み合わせたものにした。「海外製品ではカーペット向けのパワーブラシを搭載したものが多いが、日本では畳を痛めてしまう可能性もある。そのため日本チームからの要望で畳にも適したブラシを新規に開発した」(同社)。
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